みそ・しようゆの色の生因についてはいろんな説がある。しかしこれらの説はだいたい経験的なものだから不明な点も多い。
みそ・しようゆの色の生因を大別すればふたつになる。ひとつは大豆を蒸したときにできる色,他のひとつは仕込んでからできる色であるが,両者とみそ・しようゆ製品の色との関係はまだよくわかつていない。
大豆を蒸したときの着色については,すでに渡辺・鎌田の報告があるが,どの成分で着色が起るものかはまだ不明である。この報告は,大豆を蒸すと色が着く原因について調べた結果を取りまとめたものである。

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先に大豆を蒸したときに色が着く原因を報告したが,今度は蒸したときに着いた色の仕込んでからのゆくえを報告する。

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(1) 塩押による本漬沢庵に白塩と外塩とを適用し,その塩蔵効果を比較した場合,塩押に際しては,白塩区の方が液の上りが早いが,食塩の侵入状況,塩押終了後の大根搾汁の分析からは外塩の方がややよいと思われる。
(2) 本漬においては,歩留は白塩区がややよいが,品質としては上部のものを除いて,外塩区の方がよいと思われる。
(3) 綜合的にみて,外塩と白塩のうちどちらがよいという決定的な判断を下すことができる程の差は認められないが,強いていえば塩押としては外塩の方がややすぐれ,本漬に際しては,樽の上部の大根に注意すれば,品質的には外塩の方がよいと思われる。

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(1) 燐酸塩の添加によつて肉の保水性は増大した。
(2) しかし,肉の種類によりその効果は異なつた。
(3) 加熱温度が高くなると保水効果は減少した。
(4) 添加後加熱までの放置時間によつて保水効果が変化した。
(5) 加熱変性肉に対する保水効果はそれほど著しいものではなかつた。
(6) 塩化ナトリウムは保水性を高めた。これと燐酸塩との併用により牛肉の場合は保水効果が増大した。
(7) 肉に対する燐酸塩の保水効果が肉中のアルカリ土類金属イオンに対する燐酸塩の結合と関係があるという説に一致する結果は得られなかつた。
(8) 燐酸塩溶液の粘度から推定されるメタ燐酸カリウムの重合度は直接保水効果に著しい影響を与えなかつた。

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