農産加工技術研究會誌
Print ISSN : 0369-5174
6 巻, 5 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 上野 健二, 原 利男, 久保田 悦郎
    1959 年 6 巻 5 号 p. 215-217
    発行日: 1959/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 茶貯蔵における窒素ガス封入の効果を明らかにするため,1958年一番茶手摘生葉による煎茶を用い,茶かん貯蔵,常圧の巻締,ガス封入などの処理を行い,低温(約5℃)と常温に3, 6, 12ヵ月貯蔵し,茶の品質,アスコルビン酸含有量,浸出液の色の変化などを調べた。
    (2) 低温に貯蔵した窒素ガス封入区は1ヵ年後でもアスコルビン酸はほとんど分解されず,茶の品質も変化がないようであつた。。常温に貯蔵したガス封入区も,低温に貯蔵した茶かんおよび常圧の巻締区より,アスコルビン酸の残存率は高く,茶の品質はこれらと差がないようであった。
    (3) 常温においた茶かん貯蔵区は3ヵ月後から変質が目立ち,また常温の巻締区は6ヵ月後からごくわずかに変質していたが,その他のものは変質というほどの差は認められなかつた。
    (4) 以上の結果から,茶の貯蔵においても酸素の影響がかなり認められ,窒素ガスを封入すれば変質を,いちじるしく防止でき,特に高温に貯蔵した場合,その効果が大きいようであつた。
    この研究を行うにあたり,ガス封入を実施していただいた明治乳業磐田工場阿部恒夫氏,冷蔵について便宜をはかつていただいた柴田産業株式会社に深く感謝する。
  • 木村 和八郎, 水井 実
    1959 年 6 巻 5 号 p. 218-220
    発行日: 1959/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    つつじ科のくろまめの木の実で,俗称浅間ベリーと呼ばれている果実の糖類および不揮発酸をP.P.C.を用いて検出ならびに定量した。
    (1) 糖類としてはxylose, fructose,glucose, galactose,他に2種類の不明糖を検出した。定量によつて糖類中,未熟のうちはfructoseが多いが成熟するとglucoseが多く含まれ,bioseと思われる不明糖も多く生成されている。
    (2) 不揮発酸としては,gluconic acid, quinic acid,citric acid, malic acidを検出した。さらに定量により酸類中採取時期の初期,後期を通じてquinic acidが最も多く含まれ,酸組成中に61~63%占めていた。他の果実類に比べて大きい特色となつていた。
    終りに臨み恩師住江金之教授,試料を頂戴致した寿商会社長水井寿穂氏,実験に御協力を頂いた堂上晋弘氏に深謝致します。
  • 葡萄糖を用いた場合のペクチンゼリーのゲル強度に及ぼす影響について
    三浦 洋, 水田 昂, 塩入 英次
    1959 年 6 巻 5 号 p. 220-223
    発行日: 1959/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    われわれは水飴,転化糖によるペクチンゼリーのゲル強度を,蔗糖を用いてつくつたペクチンゼリーと比較検討してきた。今回は葡萄糖による場合の結果を報告する。
  • 豊沢 功
    1959 年 6 巻 5 号 p. 223-224
    発行日: 1959/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 多田 正敏, 鈴木 裕, 安部 秀雄, 末沢 一男
    1959 年 6 巻 5 号 p. 225-227
    発行日: 1959/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    1. 根重
    根重は3月ごろより急速に増加するが,播種期の早晩によりかなり大きな影響があつた。特に8月15日以前と以後の場合は,その差が著しく,早播の方は断然収量が高かつた。
    2. Brixおよび糖度
    冬期間中は順調に上昇し,播種期の早晩にはほとんど関係なく,いずれも2月中旬に最高の値を宗し,それ以後は下降した。また最高値はBrixでは23~24であり,糖度は19~20であった。
    3.純糖率
    播種期別に変動はあつたが,一応11月中旬までは上昇傾向を示し,それ以後は一定の傾向を示さなかつた。また播種期により生育の中期まではかなり大きな相違であつたが,終期に近づくにしたがつて,同じ傾向を示し,値の差も少なくなつた。
  • ビート乾燥切片より蔗糖の抽出試験
    渡辺 長男, 長谷 幸, 小沢 百合子, 鈴木 繁男
    1959 年 6 巻 5 号 p. 227-234
    発行日: 1959/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    暖地ビートの処理方式については,その栽培規模および品質の特性上,ドライコセット法が有利な方法と考えられるので,原料ビートの薬品処理,乾燥方法,抽出糖汁の製造などの面から予備実験を行つた。その結果を要約すると,第11表に示したようであつた。
    すなわち水分10%前後のドライ・コセットを約23%前後の歩留りで製造した。この際一部の蔗糖は分解して還元糖が増加した。しかし生ビートを3カ月貯蔵するよりも,収穫直後乾燥する方が,糖分損失は少なく有利なものと考えられる。糖汁製造試験の結果によれば,ドラフトは生処理の場合にくらべ,60~80%であつて,ドライ・コセットよりの抽出糖汁は生処理の滲出汁にくらべ純糖率が高く,着色度や濁度も少なく,窒素の溶出量も少ない傾向を示したので,製糖上有利であろうという見通しを得た。
    終りに,本研究に種々御配慮をいただいている。農業技術協会の秋元真次郎氏,山崎守正氏および試料のビートを提供された,東京数育大学農学部祖師ケ谷農場と,岡山県農業試験場に,また,TC型試験用乾燥機を貸与された日本機工株式会社に,謹んで感謝の意を表する。
  • 桜井 純一, 大司 トシ子, 大竹 美枝子
    1959 年 6 巻 5 号 p. 235-238
    発行日: 1959/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    農林1号,5号,シロセンガン,ポートリコの4種の甘藷を焙焼,磨砕,乾燥して焙焼藷粉を調製,小麦粉に配合してスポンジケーキをつくり,味,すだち,香などについて嗜好調査を行い同時に鮮度保持の効果を検討した。
    (1) 焙焼藷粉の製法は甘藷を洗滌後,200℃にて焙焼,剥皮後磨砕して得たパルプを鉄板上にのばして乾燥した。米国では甘藷を十分煮熟したものをチヨッパーにかけパルプ状とし,これを帯状または紐状にバンドオーヴンのエンドレスベルト上に押出し焙焼しているが,小規模には石焼藷を乾燥する方式でも実施できる。
    (2) 上記の乾燥は藷の品種により難易あり,粉質の藷は粘質のものに比し乾燥し易い。すなわち農林1号,同5号,シロセンガン,ポートリコのうち粉質の農林1号は最も乾燥し易かつたが,還元糖は最も少なかつた。したがつて乾燥難易のみで適種を決めるのは早計である。(3) 藷粉中の還元糖は藷の加熱処理により著しく増加し約50%が葡萄糖になつている。
    すなわち菓子にこの藷粉を利用することは50%の葡萄糖を用いることになる。
    (4) 焙焼した藷粉は香ばしいが,やはり藷特有の臭があり,またケーキやビスケットに入れると膨脹度がわるくなるので,配合には限度がある。試験の結果これを小麦粉の20~25%とした。
    (5) 小麦粉に20%焙焼藷粉を混合してスポンジケーキを焼き嗜好調査の結果,膨らみは少し悪いが,いずれも配合しないものに比し嗜好上何の遜色もないことを認めた。各種の藷を用いた場合。製品に対し嗜好上多少順位ができるか否かは更に検討を要する。
    (6) スポンジケーキに入れると製品は普通のものに比しやや固く,スポンジようの軟い弾力は多少失われるが,焙焼藷粉の保水性により乾燥しにくく,長く始めの性質を保つことができる。
    しかしながら今回の保水性の実験はきわめて不備で,乾燥条件も温度のほか何も明らかにされていないので,さらに検討する考えであるが,クリスマスケーキのようにある程度店頭に置かざるを得ないものに対しては加えた方がよいと思われる。
    (7) 最近わが国における甘味料自給の方針に従い,甘藷は結晶葡萄糖に加工され製菓原料として使用されるように指導されているが,砂糖に比し生産費が高くなる点に悩みがあり,製菓業者もこれを利用するのに苦労している。もちろん葡萄糖としては結晶葡萄糖のような純粋なものを用いるのに越したことはないが,価格が高いと使い切れないので,一部にはシロップ状にして安くしてはという意見もある。筆者はジユースやキャンデー類には精製葡萄糖が必要であるが,ケーキやビスケット類にはここにのべた焙焼藷粉を用いることも成立たないことはないと考え,時代に逆行するようであるが,敢えて実験してみたわけである。この種の藷粉を菓子に入れることはすでに米国で行われており,粉はAlamaltという商品名で売られている。すでに応用されている菓子名を挙げるとつぎのとおりで,かなり範囲が広い。fruit cake,1ayer cake, southern brown bread, cookies biscuit, muffins, pies, icings, ice cream, milk shake, hard brittle candy, chewey type of gum candy, praline.
    しかし藷粉は砂糖の代用という意味ではなく,品質を向上させる目的に使われている。
    今回もシンナモンロールビスケット,ジャムブル,ピーナッツバタークッキース,ランチビスケットなど2,3試作してみたが,20%の藷粉を混用した場合,通常混用に気がつかなかつた。
    最近ビスケット業界ではバンドオーヴンがしきりに増設され,設備が過剰になつてきているので,これをある程度藷粉の処理に活用できるのではないかということも考えられる。
    終りに本研究に当り種々御世話になつた食糧研究所鈴木繁男先生,千葉農業試験場小野田正利先生および隔離増殖部の方々,森永製菓研究所,明治製菓研究所,日本製粉中央研究所の方々に深謝する次第である。
  • 住江 金之, 井上 四郎
    1959 年 6 巻 5 号 p. 239-240
    発行日: 1959/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 藤巻 正生
    1959 年 6 巻 5 号 p. 241-249
    発行日: 1959/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1959 年 6 巻 5 号 p. 250-257
    発行日: 1959/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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