味噌用米麹製造に伴なう澱粉の分解,遊離糖の生成状況を検討した。まず米麹から糖の抽出法について検討を試み,硫酸0.02N濃度を含む50%メタノールによることを決定した。一般の糖分析により製麹各段階(だいたい操作ごと8サンプル)の不溶性,可溶性,還元性,醗酵性,非醗酵性などの糖について定量した。
またペーパークロマトにより製麹に伴なう糖の遊離状態を定性的ならびに定量的に検討した。特に興味深い結果として製麹後期にmaltoseが全然あるいはほとんど認められないのに対して,初期にはかなり多量に蓄積されていることを認めた。この結果について米麹中の種々の関係酵素との関連において考察した。
以上の研究の発表に当り,ご校閲をいただいた新潟大学倉沢教授,日ごろご指導ご鞭撻をいただいている原沢所長および実験に協力をいただいた田代さん,桑原さんに深謝いたします。
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