以上の結果,ガラス製小型グラスに水を注入し,融点の異なるパラフィンおよび熱水溶解性フィルムを投入して,その変形,融解および溶解の判定によって,電子調理機内の加熱分布の概略を知ることができることが判明した。さらに,細かく知るためには融点の異なる材質を多種類使用することによって達成できる。なお,ここに問題となるのは全黒丸の場合であって,83℃以上は全て同一表示,判定であり,83℃の場合も100℃に達して沸騰の場合も含められるからである。したがって,この間にさらに指示物質をおく必要がある。この実験によって,照射すべきサンプルとこれに要する照射時間とにある関係があり,サンプル数を一定とすれば所定の時間があり,一定の照射時間には適合したサンプル数が存在することが判明した。また,サンプル数が一定以上に増加するにつれて加熱分布は不均一となり,逆に,一定以下の数量では比較的均一に加熱されるのである。
サンプルの一部を高くして,発振管に近付けても,とくに加熱されたり,されがたかったりすることはなく,また,高くしたサンプルを含めて周囲の加熱状況を総括すると,概略,いずれの場合も同程度に加熱されていることが判明した。
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