日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
10 巻, 12 号
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  • こうじの性質がしょうゆの色の生成に及ぼす影響(2)
    鎌田 栄基, 海老根 英雄, 中野 政弘
    1963 年 10 巻 12 号 p. 491-495
    発行日: 1963/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    あらかじめペントサンの溶けを中心に調べておいたしょうゆこうじで,もろみを作り,38℃と30℃に2ヵ月おいたのち,着色ともろみの堅さと窒素の溶けを調べ,つぎのような結果を得た。
    (1) ペントサンの溶けのよいこうじほど,もろみの熟成中に色が着く。
    (2) 仕込みの条件と,熟成中の管理が一定ならば,夏仕込みのもろみのほうが,春秋や冬の仕込みのものより,色が着く。
    (3) 不溶性ペントサンの多いこうじは,もろみを堅くする傾向がある。
    (4) 夏仕込みのもろみは,春秋や冬の仕込みに比べて,同じ条件で仕込んだ場合,いくぶん堅くなる。
    (5) もろみの窒素溶解率には,1年を通じて大きな波はない。
    (6) 堅いもろみには,窒素溶解率を落とす傾向がうかがわれる。
  • サバ煮汁よりイノシン酸回收における加熱の影響
    浜崎 幸男, 東 邦雄
    1963 年 10 巻 12 号 p. 495-499
    発行日: 1963/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 新鮮サバ煮汁より国中の方法により5'-IMPパリウム塩の結晶を分離し,ペーパークロマトグラフィーおよび紫外部吸収測定を行ない5'-IMPを確認した。
    (2) サバ煮汁を長時間加熱すれば5'-IMPの収量が減り,9時間で約50%になることが明らかとなった。
    (3) 純品5'-IMPバリウム塩を用いて加熱の影響を調べた結果,加熱が長時間続くと回収率が減少した。また分解液についてペーパークロマトグラフィーを行ない,5'-IMPは長時間加熱によりイノシンと無機リン酸に分解することが推定された。
  • アルギン酸プロピレングリコールエステルのナトリウム触媒の影響
    西出 英一
    1963 年 10 巻 12 号 p. 499-503
    発行日: 1963/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    PGAの合成時,触媒として用いたナトリウム塩類が乳酸菌飲料の安定性にいかなる影響を与えるか検討した結果を要約すると,つぎのとおりとなる。
    (1) PGAの合成時に用いたナトリウム触媒が乳酸菌飲料の安定性に与える影響は著しく,乳酸菌飲料安定剤としてのPGAを合成する場合,ナトリウム触媒の選択には慎重を要する。
    (2) NaClO2触媒を用いて合成したPGAが,乳酸菌飲料の安定性に悪影響を与える原因は,触媒としてNaClO2が不適当であるためではなく,PGAの粘度が低いために起こったことがわかった。
    (3) NaClO2のような強酸化剤を触媒として使用する場合,高重合度のアルギン酸を原料とするなど,合成条件を触媒に応じて種々変化させる必要がある。
  • 渡辺 篤二, 中山 修, 岩崎 典子
    1963 年 10 巻 12 号 p. 504-507
    発行日: 1963/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    低温抽出脱脂大豆の蛋白(窒素)が種々のpHで抽出される状況を,塩酸またはカセイソーダ溶液を用い,温度と抽出液量を変えて調べたところつぎのような結果を得た。
    (1) 抽出曲線は室温と室温以下(5℃, 10℃)ではいずれの液量でもほとんど違いなく,pH 4.5付近で抽出率はもっとも低い。
    (2) 50℃, 70℃では50倍液量の場台,抽出曲線は室温とほとんど変りないが,液量が10倍量ではpH 4以下で抽出率の低下がみられ,とくに70℃でゲル化が起こった。また6倍量では50℃でも酸性側でゲル化がみられた。
    (3) 80℃, 90℃抽出では50倍量で抽出曲線がpHの高いほうへずれる傾向がある。10倍量ではpH 4を中心とする難溶部の幅が広くなり,pH 3付近ではゲル化が顕著にみられた。
  • 粉末食品,油脂食品およびその原料について
    太田 輝夫, 中野 政弘
    1963 年 10 巻 12 号 p. 507-514
    発行日: 1963/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 食品中の微生物の分布に関する知見を得る目的で,比較的長期の貯蔵性を要求される粉末食品,油脂食品およびその加工原料について微生物の分布を生細菌,嫌気性細菌,耐熱性細菌,酵母,糸状菌および大腸菌群に分けて測定した。
    (2) 全試料を通じて酵母の出現率はきわめて少なく,水分10%以下の粉末食品,油脂食品またはその原料では酵母による変敗の起こる確率は比較的に少ないであろう。
    (3) 糸状菌数の比較は,本定量法が胞子および一部菌糸の数を測定しているため,その出現数が必ずしも含有数と一致しない点はあるが,出現頻度を示すものと考えると,一般に少ない。試料1g中に1,000を越えたものは粉末チーズのみで,ほとんどが100以下である。しかし貯蔵試験の結果にみられるように,吸湿によって水分が8%を越えるか,または部分的に吸湿度が非常に高くなった場合には,糸状菌の繁殖が起こる。
    (4) 大腸菌群の検出率は加工原料としては香辛料,ココア粉末,粉末チーズのような天然物またはそのはっこう製品の粉砕物に多く,製品では魚貝類を原料とするふりかけ,インスタントスープに多い。
    (5) 砂糖類は非常に微生物が少ない。また特別に殺菌処理を行なった場合を除いては,小麦粉,澱粉,粉乳,大豆粉,卵粉,香辛料,嗜好料などはいずれも1g中に103~5の細菌が存在し,多くの場合は耐熱性の強い有胞子細菌が大部分を占めている。
    (6) インスタントスープ,調味エキスの類では包装,管理が適切であれば貯蔵中に細菌数が著しく増加することは少なく,通常は1g中に10,000前後におちつく。
    (7) ケーキミックス類は1g中103程度の生菌数を示すものが多く,原料の細菌がそのまま移行したと考えられる。
    (8) インスタント飲料ではインスタントコーヒーは非常に清潔であったが,これに比較するとインスタント・オレンジジュースはやや細菌数が多い結果を得た。これは製造工程の差によるものである。
    (9) 油脂食品では原料油,バター,マーガリン,チョコレートなどはいずれも細菌数が少なく1g中10102以下であるが,油脂以外に副原料として蛋白質,糖類などを使用して粉末化した粉末油脂形態のものは,1g中に104程度の細菌が検出される場合が多い。
    (10) これらの粉末食品,油脂食品は吸湿,乳化の破壊などのないかぎり,5~10%の水分を持つ食品そのもののうちで微生物が繁殖し,変敗が起こることは少ないと考えられる。
  • 中村 武次郎, 神野 廉平
    1963 年 10 巻 12 号 p. 515-517
    発行日: 1963/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 西山 隆造
    1963 年 10 巻 12 号 p. 517-519
    発行日: 1963/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 枸杞葉,果実および根皮について,ペーパークロマトグラフィーにより,ベタインの存在をしらべ,葉および果実中よりベタインを確認したが,根皮には陰性であった。
    (2) 葉の含量については,ライネッケ塩法により,枸杞葉乾物(水分8.1%)中より1.38%の遊離ベタインを確認した。
    (3) 分離したベタインが純砕なものであるかどうかをみるため,ペーパークロマトグラフィーおよび融点測定によって確認した。
  • 岡本 辰夫
    1963 年 10 巻 12 号 p. 520-527
    発行日: 1963/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1963 年 10 巻 12 号 p. 528-533
    発行日: 1963/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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