日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
11 巻, 11 号
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  • 中林 敏郎
    1964 年 11 巻 11 号 p. 469-478
    発行日: 1964/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    イチゴAの分解退色を検討した結果
    (1) 活性炭処理したイチゴ果汁のA分解能の増強はAsAの酸化によるDAsAの増加に基く。
    (2) モデル実験においてDAsAはAsAと同じ程度のA分解能を有し,AsAの場合はこれが酸化されることが必要であるが,DAsAでは酸素を必要としない。
    (3) 一般にα-ジケトン構造を有する化合物はA分解能を有することから,DAsAの作用はそのα-ジケトン構造による酸化分解と考えられる。
    (4) SO2, NaBH4,ジオキシマレイン酸はAを還元退色してLを生ずるが,他のエンジオールレダクトン類はLを生ぜずAを酸化分解する。
    (5) AsA-H2O2系ではA分解が著しく促進されるが,これは反応性に富む多量のAsA・が一時に生成集積してAを分解するためである。
    (6) AsAによるA分解機構はAsA→AsA・→DAsAの過程で生ずるAsA・とDAsAの2因子が主体となって働く酸化分解である。
  • 早坂 明, 鈴木 久子, 永沢 信
    1964 年 11 巻 11 号 p. 479-483
    発行日: 1964/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    水道法による水質基準程度の濃度の無機塩類を含む水で紅茶やコーヒーを浸出したばあいに,浸出液の水色がどのように変化するかを見るために,もっとも光学濃度の高い波長部分で光学濃度の変化を測定した。
    1) 紅茶,コーヒーとも一般にこの程度の無機塩類を含む水で浸出しても浸出液のpHはほとんど変動しないが,pHの高い水で紅茶を浸出すると浸出液のpHは対照にくらべてやや高い。したがって,HCO3-を含む天然水を加熱した湯で紅茶を浸出するようなばあい,pHが変動して風味をそこなうおそれがある。
    2) 紅茶液の水色は,浸出後時間の経過とともに暗くなるが,この現象は浸出用水の水質とはほとんど無関係のようである。
    3) 紅茶,コーヒーとも浸出用水に無機塩類を含んでいると,それが水質基準以内の量であっても水色になんらかの変化がみられる。とくにNaHCO3溶液では水色が著しく暗くなり,またpH 9.5の水でもかなり水色が暗くなる。この現象は浸出用水のpHの変動だけでなく,むしろHCO3-またはCO22-の存在によって生じるものと思われる。
    4) Fe3+を含む水では水色が暗くなることは従来知られていたが,Mn2+を含む水で浸出したばあいの水色の変化も著しく,溶液の濃度を考慮すればMn2+の影響はきわめて大きいといえる。中性の水で浸出した浸出液にMn2+を添加したのではあまり変化はみられず,この変化は浸出する際におきるものとみられる。
    5) 全般的にみて,紅茶およびコーヒーの浸出には脱塩水を使用することがのぞましい。
  • 凍結乾燥魚肉の品質に及ぼす乾燥温度の影響
    上岡 康達, 岡 弘康, 末光 栄充, 上田 稔
    1964 年 11 巻 11 号 p. 484-490
    発行日: 1964/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    凍結乾燥する場合の乾燥温度が凍結乾燥魚肉の品質にどのように影響するかをみる目的で,マアジとマダイを凍結後,乾燥板温度25~90℃の各種温度で乾燥し,その間における肉蛋白の変性を調べるとともに,乾燥後の吸水率,吸水後の保水力ならびに肉組織の変化を調べてつぎの結果を得た。
    (1) 乾燥板温度70℃(その際の品温54~56℃)までの乾燥では,塩溶性およびミオシン区両蛋白の溶出量からみた蛋白の変性がほとんどおきていなかった。また流動複屈折も死後硬直前のタイの場合にはっきり観察され,上記の結果を裏付けた。しかし80℃以上の乾燥では肉蛋白の変化が明らかに認められた。
    (2) 肉蛋白の変性がほとんど認められない70℃以下の乾燥温度においても,吸水率および吸水後の肉組織に明瞭な差がみられ,低い温度で乾燥された魚肉ほど吸水率は高く,吸水後の筋繊維も生肉に類似していた。また吸水後の保水力も概して高い傾向を示した。
    (3) 以上の結果から魚肉の品質を損なわないで上げうる乾燥温度の限界-加熱許容温度は本実験の条件下において35℃とみなされた。
  • 昭和37年および昭和39年市販砂糖の品質
    長谷 幸, 福本 義之, 高月 信子, 鈴木 繁男
    1964 年 11 巻 11 号 p. 490-498
    発行日: 1964/11/15
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    昭和37年12月(A区)と昭和39年4月(B区)の2回に,市販砂糖の試買を行ない,品質分析を行なった結果を要約するとつぎのとおりである。
    (1) A区においては,混和糖は存在していたが,まだその数は少なかった。
    B区においては,上白糖で27%,中白,三温糖においては58%がブドウ糖混和のものであった。
    (2) 混和糖中のブドウ糖は顕微鏡下の観察の結果,すべてが結晶ブドウ糖で,今回の試験では精製ブドウ糖の混和は認められなかった。
    (3) 混和糖のうちには,50%近い混和率のものもあったが,きわめて少数であった。しかも,それには人工甘味料が添加されていた。
    (4) 混和糖のうちで,その旨の表示のしてあるものは,ほとんどなかった。
    (5) 上白車糖の品質の幅は,A区・B区ともに従来の成書中の数値の幅よりも狭い,すなわち,各試料間の品質のふれの少なくなっていることを示している。また,A区よりも,B区においてさらにその傾向が明らかである。
  • 大高 文男, 丸山 峰男, 藤田 稔
    1964 年 11 巻 11 号 p. 499-501
    発行日: 1964/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    食肉の鮮度判定に用いられるレサズリン還元時間法を改良した。すなわち,試験用培地を白濁させ(ここでは10%脱脂粉乳を用いた),これに試料肉の生理食塩水抽出液とレサズリン液とを加え,一定時間後の色調を牛乳のレサズリン色調表を利用して判定し,鮮度を5段階にわけて表現した。この反応値と生菌数との間にはきわめて高い相関を認めた。
  • その工業化と放射線殺菌の基本問題
    松山 晃
    1964 年 11 巻 11 号 p. 502-512
    発行日: 1964/11/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
  • 1964 年 11 巻 11 号 p. 513-519
    発行日: 1964/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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