日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
11 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 梶本 五郎, 向井 克憲
    1964 年 11 巻 3 号 p. 97-100
    発行日: 1964/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    泡延距離26mm, 29mm, 32mm, 50mmとし,それぞれ異なる大豆油で,ポテトチップ,チキンラーメン,うまいか,フライ豆,お好みなどを調製し,0℃,15℃, 30℃にて放置した。放置後,各調製食品の抽出油の過酸化物価および酸価を求めた結果はつぎのごとくであった。
    (1) 泡延距離26mm, 29mmのフライ油で調製したポテトチップ,チキンラーメン,うまいか,お好み,フライ豆などの過酸化物価および酸価はわずかずつ増加するのみで,また両フライ油のあげ物の保存性におよぼす差異はほとんどなく,いいかえれば泡延距離30mmまでの油脂であげた揚げ物は安定であるといえる。
    (2) 泡延距離32mmと50mmのフライ油であげた各食品は,いずれも急激に過酸化物価は増加し,酸敗しやすい。
    (3) 放置温度が高くなるほど,フライ豆の酸敗度高く,とくに泡延距離32mm以上のフライ油であげたフライ豆の酸敗度は著しく大きい。
    (4) 泡延距離26mmのフライ油で調製した各食品中で,酸敗しやすいものはフライ豆で,他は比較的安定で,うまいか,ポテトチップ,チキンラーメン,お好みの順になる。
    (5) 泡延距離32mmのフライ油で調製した各食品は,いずれも酸敗しやすいが,なかでもフライ豆,チキンラーメンであり,ついで,お好み,うまいか,ポテトチップの順であった。
  • 水野 卓
    1964 年 11 巻 3 号 p. 100-106
    発行日: 1964/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    茶種子(殻皮部)のポリフェノール成分をアセトン抽出し,これをさらにエーテル,酢酸エチル,n-ブタノールで5つのフラクションに分別し(第1図),それぞれについてタンニン,フラボノイド,ロイコアントシアニンなどを検索し,つぎの結果を得た(第2表,第2~12図参照)。
    タンニンとしてl-エピガロカテキン,dl-ガロカテキン,l-エピカテキン,dl-カテキン,l-エピガロカテキンガレート,l-エピカテキンガレートなどのカテキン類を,ロイコアントシアニンとしてグルコースとグルクロン酸を結合糖としたロイコシアニジングリコシドおよび未確認ロイコアントシアニジングリコシドの2種の存在を確認した。なお,フラボノイドはほとんど存在しない。
  • 摘採した茶葉の呼吸作用
    竹尾 忠一
    1964 年 11 巻 3 号 p. 106-109
    発行日: 1964/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    摘採直後の茶葉の呼吸作用について検討した。
    (1) 茶葉の呼吸作用は温度の影響を受け,5℃での呼吸量は常温(25℃)下での1/4程度に低下することがわかった。またQ10は低温区間ほど大きく5℃から35℃の間では1.7~2.7にあった。
    (2) 気相の酸素濃度が減少すると呼吸作用は低下するが,その傾向は10%以下の場合に顕著であった。また10%以下になると呼吸商は大きくなり,無気呼吸の始まるのを認めた。
    (3) 気相中の炭酸ガス濃度が5%以上になると,呼吸量は空気中における場合の30~40%減となる。しかし呼吸商にはあまり大きな変化はなかった。
    (4) 損傷葉の呼吸作用は活発で,呼吸商も若千低下していた。なお損傷葉は呼吸が盛んになるとともに発熱量も大であった。
  • 貯藏茶葉の呼吸作用と茶葉成分の変化
    桑原 穆夫, 竹尾 忠一, 西条 了康
    1964 年 11 巻 3 号 p. 109-112
    発行日: 1964/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    摘採後の茶葉5, 15, 25℃下で貯蔵した場合の,茶葉の呼吸と茶葉成分の変化を検討した。
    (1) 茶葉の呼吸量は5℃に48~72時間貯蔵したものは,摘採直後よりも増加するが,その後は次第に減少し,192時間目には始めの70%程度となった。15℃貯蔵では96時間目に始めの70%程度に0また25℃貯蔵では摘採後48時間目に60%程度に減少した。
    茶葉の呼吸商は,5℃貯蔵では始め0.97あったものが192時間目に0.90となった。15, 25℃貯蔵では48時間目には0.83に低下した。
    (2) 茶葉の炭水化物は,5℃で貯蔵96時間目が残存率76.5%, 216時間目は62.5%であったが,15, 25℃貯蔵では48時間目,96時間目に50%前後と残存率は低下していた。
    (3) 茶葉の窒素成分の変化をみると,5℃で貯蔵192時間目まで蛋白質の加水分解に伴う可溶性窒素の増加が,25℃貯蔵に比較してわずかであった。貯蔵72時間目で5, 15, 25℃の貯蔵葉中の各窒素成分を比較してみると,5℃では摘採後とあまり変らなかったが,1℃ではアミド,アミノ態-窒素の増加が目立ち,25℃ではアミド,アミノ態窒素の増加とともにアンモニヤ態窒素の増加も著しかった。
    (4) クロロフィル量は5℃貯蔵ではその減少はわずかであった。
  • 摘採葉の酵素力価の変化
    竹尾 忠一
    1964 年 11 巻 3 号 p. 112-114
    発行日: 1964/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    摘採後の茶葉内で,貯蔵中酸化酵素および加水分解酵素力価が変化することを認めた。
    (1) カタラーゼ,パーオキシダーゼは,貯蔵中力価が高くなる。カタラーゼの力価の上昇は低温度区ほどおそいが,パーオキシダーゼの力価上昇の時期には温度による差がなかった。また両酵素とも貯蔵時間の経過とともに力価は再び低下するが,その場合低温区ほどおくれる傾向があった。
    (2) ポリフェノールオキシダーゼ力価は,15, 25℃区では貯蔵48時間目に始めの4倍以上に上昇していたが,5℃区は力価の変動はわずかであった。
    (3) プロテアーゼ,インベルターゼは貯蔵中活性化するが,この力価の上昇は低温貯蔵区(5℃)がもっとも大きかった。
    この酵素力価が貯蔵中に高くなり,貯蔵温度によって力価の変動が酵素によって異なる傾向を示す理由については,各酵素の特性と考えられる。この点についてはさらに検討したい。
  • 久保 彰治
    1964 年 11 巻 3 号 p. 115-120
    発行日: 1964/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1964 年 11 巻 3 号 p. 121-127
    発行日: 1964/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
feedback
Top