日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
13 巻, 11 号
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  • 煮豆工場(C工場)の落下菌について
    住江 金之, 谷村 和八郎, 浅利 喬泰, 三浦 二郎, 松本 信二, 柳田 藤治, 高村 幸司
    1966 年 13 巻 11 号 p. 459-466
    発行日: 1966/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    C社煮豆工場の落下菌を1964年5月より1966年1月にわたって検査を行ない検討した。
    (1) 落下菌は細菌が80~90%,酵母1%,カビ10~15%の割合であった。
    (2) 総菌数の年間にわたる傾向は5~11月に多く,とくに9月が多かった。
    (3) 細菌数は総菌数と同様な傾向である。酵母は菌数も少なく,とくに大きな傾向はない。カビは7~12月に多く,2~5月が少ない。耐熱菌は5~11月に多く,必ずしも出現しないが,細菌数の2~10%ぐらいである。
    (4) 天候は風向,風速が工場内の菌数に影響を与えるが,晴雨にはあまり影響がない。
    (5) 製造所において,倉庫ならびに選別所の落下菌は作業の関係で多数を示し,窓側,出入口の付近も菌数が多くなっている。
    (6) その他
    (i) 原料搬入の影響は作業所内におよび,とくに風向は強い影響を与える。
    (ii) 扇風機は煮豆の冷却に使用したが,煮豆の菌数の増加は,このために15倍となった。また,扇風機の羽根の塵埃も微生物源となる。
    (iii) 作業場,とくに選別所と加工所の間をビニールカーテンで仕切ることにより落下菌数は10%減少した。
    (iv) 充填室を個室とし,殺菌灯,エアーコンデショニングを装置することにより落下菌は1/4に減少し効果があった。
  • 果実の低温障害に伴う生理化学的変化(その2)
    邨田 卓夫, 古 衡山
    1966 年 13 巻 11 号 p. 466-471
    発行日: 1966/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 低温障害の進展に伴って緑熟果,黄熟果の果皮,果肉両組織ともO2吸収量が激減し,RQが増大する。
    (2) 緑熟果,黄熟果の果皮,果肉組織のO2吸収に対してみられるマロン酸の抑制効果が,低温障害果ではみられなくなる。また緑熟健全果でみられるDNPの添加効果が低温障害果ではみられなくなる。
    (3) 低温障害果ではCO2排出量に対するピルビン酸の添加効果が増大し,緑熟,黄熟果の果皮,果肉ともアセトアルデヒド,アルコール含量が増大する。
    (4) アセトアルデヒドはバナナ組織の脱水素酵素の活性を抑制する。
    (5) 低温障害果の果皮および果肉組織のカタラーゼ活性は健全果に比べていづれの熟度でも大きい。
    (6) バナナ果皮の褐変関連物質としてチロシンおよびdopaが認められ,両者とも低温障害果の果皮に含量が多い。
    以上のようなことからバナナ果実が低温に遭遇すると低温耐性の弱いある種の酵素系の活性が低下し,その結果正常な呼吸系路が阻害され,中間代謝産物を生じ,これらがさらに呼吸系に影響を与え,カタラーゼ,ポリフェノールオキシダーゼが活性化し褐変基質の多い果皮組織で褐変化が起こるものと推論した。
  • クリ澱粉の性状
    真部 孝明, 久保 進
    1966 年 13 巻 11 号 p. 471-475
    発行日: 1966/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    クリ果実組織の顕微鏡観察により,中心部空隙周辺,幼芽部,最外層には澱粉含量少なく,澱粉粒子は中心部のほうが大きく,外部のものが小さいことを知った。澱粉粒には大小2群存在し,それぞれ平均9.2μ, 4.0μ前後の円形または隋円形であった。
    クリ澱粉精製過程中にヨード呈色によるアミロース定量値が減少し34.3%から24.1%となった。ノリ化点は68°~70℃に存在し,澱粉粒崩解と粘度増加との間には密接に関連し,74°~76℃で急激に粘度増加が起こり,80℃で最高に達した。澱粉の比重は平均1.539であった。赤外吸収スペクトルはコメ澱粉とほとんど完全に一致した。
  • 凍結乾燥魚肉の復元性に対する前処理の効果
    上岡 康達, 岡 弘康, 末光 栄充, 杉本 剛
    1966 年 13 巻 11 号 p. 475-480
    発行日: 1966/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    シログチ肉を用い,凍結前に各種処理液(C.Na, P.P.Na, EDTA. Ac, EDTA. N, P.P.Na+Su)に,2℃の冷室中で5時間浸潰し,これらの凍結乾燥肉の復元性に対する効果を検討した。得られた結果は以下のごとくである。
    (1) 前処理液の塩類の濃度,0.01M~0.02Mでは,P.P.Na+Su処理以外は復元性の向上は認められなかったが,0.03M濃度では各前処理区とも良好なゲル形成能を示し,その順位は,P.P.Na+Su>C. Na>EDTA. N>P.P.Na>EDTA. Ac>対照区で,とくにP.P.Na+Su処理区は,生肉から調整したものとほとんど変わらないゲル形成能を示した。また前処理区はいずれも吸水率の向上と良好な保水能を示した。
    (2) 前処理区の凍結乾燥肉では,各処理区とも塩溶性蛋白区の溶出量の増加がみられ,粘度曲線の変化は(1)のゲル形成能の順位とよく一致していた。
    なお以上の諸結果につき若干の考察を行なった。
  • クリの遊離糖について
    真部 孝明
    1966 年 13 巻 11 号 p. 480-485
    発行日: 1966/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    クリ果の遊離糖として徒来知られている,シュクロース,グルコースのほか,ラフィノース,フルクトースを確認し,さらにマルトースをペーパークロマトグラフィーによって検出した。
    そのほか,分別区からペーパークロマトグラムで原点をほとんど移動しないケトース反応陽性の糖および,ラフィノースよりRfの小さいスポット1コを検出した。
  • 伊藤 三郎, 泉 嘉郎
    1966 年 13 巻 11 号 p. 486-488
    発行日: 1966/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 匡, 鈴木 普
    1966 年 13 巻 11 号 p. 488-491
    発行日: 1966/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    水溶性アンナットを一部併用した着色料と従来よりのタール色素とのウィンナーソーセージに対する着色効果を比較しつぎのような結果を得た。
    (1) 2°~5℃冷蔵庫中および5°~9℃ショーケース中(夜間は冷蔵庫中)に8日間,それぞれ貯蔵した製品間に退色,色素の内部浸透について顕著な差はなかった。
    (2) 水溶性アンナットとキサンテン系色素赤色104号の併用区は貯蔵中,表面色にほとんど変化なく,色素の内部浸透も見られないのに反し,アゾ系色素赤色102号との併用では表面の色が非常に退色し,色素の内部浸透が大であり,アゾ系色素黄色5号と赤色102号併用区でも大体同様な結果を得,混合オレンジ使用区でもその傾向を認めた。
    (3) 色差計による表面の測色でも,水溶性アンナットと赤色104号の併用区は,貯蔵8日後でΔE=1.6~2.3とやや色差を生じているにすぎず,赤色102号との併用区では,2日目ですでに顕著な色差を生じており,表面の観察結果を裏付ける数値を示した。
    (4) 水溶性アンナットはウィンナーソーセージケーシングの着色に際して,その使用も簡単でありまた退色もあまり認められず,黄色系色素として従来の色素にかわって使用することができる。
  • 津郷 友吉
    1966 年 13 巻 11 号 p. 492-500
    発行日: 1966/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1966 年 13 巻 11 号 p. 501-508
    発行日: 1966/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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