日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
14 巻, 10 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • アルギン酸プロピレングリコールエステルの添加による影響
    笠原 文雄, 西出 英一
    1967 年 14 巻 10 号 p. 433-437
    発行日: 1967/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    PGAを澱粉ノリに添加した時の澱粉ノリの離水に及ぼす影響を検討した結果,つぎのような知見が得られた。
    (1) 澱粉ノリにPGAを添加すると,Na-alg, Na-CMC同様,澱粉ノリの離水が防止されることがわかった。
    (2) PGAのエステル化度によって澱粉ノリの離水防止能力が異なり,エステル化度73%以上のとき,対照と比較して,離水が認められなくなる。
    (3) PGAの未反応部分に存在するナトリウム塩量によっても澱粉ノリの離水率が変化し,ナトリウム塩量11%以下のとき,対照と比較して離水が認められなくなる。
    (4) PGA中の遊離酸量によっても離水率が異なり,遊離酸量16%以下のとき対照と比較して離水が認められなくなる。
    (5) エステル化度,ナトリウム塩量,遊離酸量が最適な割合にあるとき,PGAの粘度は澱粉ノリの離水に影響を与えず,Na-alg, Na-CMCと対称的である。
  • 二宮 英治, 木崎 忠重, 花田 香一
    1967 年 14 巻 10 号 p. 438-443
    発行日: 1967/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    糖類No. 271ガムを,食品工業分野で利用するために必要ないくつかの基礎的性質を検討した結果,つぎのことが判明した。
    (1) No. 271ガムの水溶液は天然ガムのローカストガム,グアガムに匹敵する高粘性を有し保水力がすぐれている。
    (2) 塩類,有機酸類,糖類を添加すると粘度が上昇する。しかし酸性側では時間とともに分解が起こり,とくに高温の場合は促進される。
    (3) 40%以下のエチルアルコール濃度では沈澱せず,粘弾性のあるゼリーを形成する。ゼリー化には,糖類や有機酸類を必要としない。
    (4) 他の適当な乳化剤と併用することにより水―油系エマルジョンの安定性が著しく改善される。
  • トマトの揮発性成分
    片山 脩, 津端 一子, 大和 一宇
    1967 年 14 巻 10 号 p. 444-449
    発行日: 1967/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    1965年収穫の有支柱栽培トマト2品種および1966年収穫の有支柱,無支柱栽培トマト各2品種の新鮮果汁および加熱果汁の揮発性成分をガスクロマトグラフィーにより分析し,つぎの結果を得た。
    (1) トマトの比較的低沸点の揮発性成分として約30成分を検出し,13成分を確認,6成分を推定した。
    (2) 品種間の揮発性成分組成にはほとんど差がない,しかし各成分の量的な組成比にはそれぞれ特徴がある。
    (3) トマトの揮発性成分の収穫年による差異はないように思われた。
    (4) 加熱果汁では多くの成分に減少が認められる。新鮮果汁に比して大きく変化を示したのはmethanol(iso-propanolを含む)とethanolの量的組成比である。
  • 林 金雄, 永田 幸雄
    1967 年 14 巻 10 号 p. 450-454
    発行日: 1967/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 寒天ゲルの融点測定法を検討し,その基準条件を確立した。
    (2) 寒天ゲルの融点に対する各種添加物の影響を調べた。
    (3) 各種配合原藻および単一原藻から製造した寒天の融点を比較検討した。
    (4) 寒天ゲルの融点について考察を加えた。
  • 卵黄構成相と凍結条件
    佐藤 泰, 中村 良, 土屋 友一
    1967 年 14 巻 10 号 p. 455-460
    発行日: 1967/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    -10°, -20°および-196℃でそれぞれ凍結し,解凍した卵黄の流動性を,ダブルコーン型粘度計を用いて測定し,つぎの結果を得た。
    (1) 凍結しない卵黄は,ニュートン流体に近い流動性を示すのに対し,凍結解凍後の卵黄はすべて非ニュートン流動性を示した。しかし,その内容は凍結条件によって異なり,-10℃で20時間以上あるいは-20℃で2時間以上の凍結により塑性流動性を示した。また,-196℃では,凍結時間をのばしても流動性にはあまり変化がみられなかった。
    (2) 卵黄の凍結による流動性の変化に対しては,グラニュール区分よりもプラズマ区分の寄与が大きいことが認められた。
    (3) 卵黄に水を添加して凍結した場合には,凍結後の流動性の変化は著しく小さくなるのに対し,大豆油,オボアルブミンを添加した場合にはあまり大きな影響はなかった。
  • 添加試薬の影響
    佐藤 泰, 中村 良
    1967 年 14 巻 10 号 p. 461-466
    発行日: 1967/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 条件さえ適当に選べば,卵黄を加熱したり,変性剤で処理した場合には,容易に流動性に変化が起こりゲル化する。しかし,この場合の流動性は,凍結解凍卵黄の場合とは異なり,流体流動であり,チキソトロピー性は認められない。
    (2) 水,食塩,蔗糖,酸またはアルカリ容液を添加して加熱した場合の卵黄の,添加物の量の増加に伴う粘度変化の傾向は,同じ添加物が存在する場合の卵黄を凍結解凍した場合の粘度変化の傾向とほぼ等しい。
    (3) 前報ならびに本報の実験結果をもとにして,凍結解凍後に卵黄が示す流動性と,加熱または変性剤処理卵黄が示す流動性の関連性につき考察を行なった。
  • 中村 喜一, 小林 節子, 岡本 奨
    1967 年 14 巻 10 号 p. 467-469
    発行日: 1967/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    ペーパークロマトグラフィーによる5'-ヌクレオチドの定量法について各種条件を検討し,最適と思われる諸条件を組合わせ,これを用いて標準ヌクレオチドおよび煮出し汁中の5'-ヌクレオチドを定量した。すなわち試料をイソプロパノール-硫酸アンモニウム-酢酸緩衝液系の展開溶媒を用いてペーパークロマトグラフィーによって分離し,分離したスポット部分を5mm幅に細切りし各ストリップを希塩酸で室温2日間溶出し,溶出液を吸光分光光度計によって定量した。標準物質の場合の回収率は5'-グアニル酸を除いて約80%であった。煮出し汁については,カツオブシでは5'-アデニル酸55~108mg/100g,5'-イノシン酸225~264mg/100g,煮干しでは5'-イノシン酸56mg/100gと定量された。
  • 高野 玉吉
    1967 年 14 巻 10 号 p. 470-477
    発行日: 1967/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1967 年 14 巻 10 号 p. 478-483
    発行日: 1967/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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