日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
14 巻, 7 号
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  • かっ変反応物と法定抗酸化剤との油脂の安定性におよばす效力の比較
    山口 直彦, 小山 吉人
    1967 年 14 巻 7 号 p. 281-285
    発行日: 1967/07/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    油脂無添加焼菓子からかっ変反応物をアセトン抽出し,抽出物の油脂に対する抗酸化性を若干の法定抗酸化剤と比較試験を行なった。
    (1) 法定抗酸化剤とアセトン抽出物との効力試験において,BHA, NDGA,プロトカテク酸エチルはアセトン抽出物に比較して劣ったが,BHTはよく似た抗酸化性を示した。
    (2) 法定抗酸化剤とアセトン抽出物の相乗性はBHT, BHA, NDGAにおいてかなり顕著に認められ,プロトカテク酸エチル,クエン酸でもある程度は認められた。
    (3) BHTとアセトン抽出物の耐熱性を比較した結果,アセトン抽出物は220℃, 14時間の処理によっても,その抗酸化性は残存するがBHTにおいては220℃,7時間でその抗酸化性は認められなくなった。
    (4) アセトン抽出物の太陽光線による影響を試験した結果,その抗酸化性は直射日光下では認められなかった。
    (5) アセトン抽出物はfree-radical inhibitor typeのBHT, BHA, NDGAとはかなりの相乗性を示したので,metal deactivator typeの抗酸化性を示すものと考えられる。しかしこの型のものは単独では抗酸化性を示さないことはクエン酸の例でも明らかであるが,アセトン抽出物は単独でもかなりの抗酸化性を示すので,かっ変反応物の構造7)から考えてfree-radical inhibitor的な部分とmetal deactivator的働きをする部分を共有していると考えられる。
  • Aspergillus niger製剤(ベルセラーゼ)の各種酵素活性について
    三沢 豊, 松原 良, 羽田野 誠, 原 稔, 犬塚 猛雄
    1967 年 14 巻 7 号 p. 286-291
    発行日: 1967/07/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    セルラーゼ剤を食品へ応用する目的でAspergillus niger製剤(ベルセラーゼ)につきその基礎的な酵素活性に関して検討を行ない,CMC液化力,濾紙糖化力,セロビアーゼ(β-グルコシダーゼ)力などのセルラーゼ活性,キシラナーゼ活性,アラバナーゼ活性,グルコマンナーゼ活性,マンナーゼ活性,ペクチナーゼ活性(endo-PG, exo-PG, PMG,PEなど),液化および糖化アミラーゼ活性,プロテアーゼ活性,リパーゼ活性などの存在を確認し,これら諸活性が耐酸性であることを明らかにした。
  • 糖用屈折計の示度と果実成分との関係
    樽谷 隆之, 北川 博敏, 馬場 稔
    1967 年 14 巻 7 号 p. 292-295
    発行日: 1967/07/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    糖用屈折計で果実のように複雑な組成のものを測定した場合,得られた示度と実際の成分とがどのような関係にあるかを検討した。
    (1) 可食適期の果実を種類別に調べた結果,屈折計示度は分析糖度よりつねに高い値を示した。また,示度のなかに占める糖の比率は果実の種類で異なり,多くは90%前後を示した。しかし,示度に対し糖の比率の低いものもあり,レモンのごときは10%強にすぎず,示度の大半が有機酸で占められるものもあった。したがって,屈折計示度だけから糖の含量,あるいは食味を推測することは非常に危険である。
    (2) ブドウについて熟期別に屈折計示度と成分との関係を検討した。成熟初期の果実は糖に比べて酸の含量がはるかに高く,屈折計示度は主として酸によって占められる。熟度が進むにつれて酸は減少し,逆に糖の増加は著しく,収穫期には示度中に占める糖の比率は最高となる。そのように熟期によって成分組成に顕著な変動がみられるが,可溶性固形量は成熟の全期間を通じつねに示度と近い値を示した。
    (3) 果汁を醗酵させた際の関係を調べた結果,屈折計示度,可溶性固形量,全糖のいずれも醗酵が進むにつれて低下した。しかし,三者の低下率は異なり,全糖の低下がもっともすみやかで,次いで可溶性固形量,屈折計示度の低下はゆるやかであった。それがため,醗酵によって示度中に占める糖の比率は急激に低下した。なお,普通の場合示度と可溶性固形量の値は比較的よく一致するが,醗酵が進むにつれて両者の値は大きく開いた。以上の現象は,可溶性固形量の主体をなす糖が,醗酵により揮発性のアルコール,酢酸などに変化するためにおこるものである。
    (4) 結局,糖用屈折計の示度のなかに占める成分組成は,果実の状態ですべて異なるため,その数値の取扱いには慎重な配慮を必要とする。
  • 乾燥食品の水分吸着特性(I)
    柴崎 一雄, 大谷 史郎, 深野 駿一
    1967 年 14 巻 7 号 p. 296-303
    発行日: 1967/07/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    市販乾燥食品および凍乾品について,デシケーター法により水分吸着等温線を求め,さらにBET式に基づく諸計算を行ない,BET等温線の直線部の切片I,かたむきS, 75%RHのずれDを用い等温線の分類を行なった。Sの大きさによる分類A1~A3, B, C, D型は,SALWIN1)による分類I~IIIとよく一致した。
    さらに,S, Iを用いて単分子層水分量a1,平衡相対湿度ERH,吸着熱定数c,吸着熱,吸着表面積の諸特性値を計算により求め,本分類の立場から検討を行ない,分類の妥当性を確かめた。
  • 笠原 文雄, 小林 貢, 浜野 玲衛
    1967 年 14 巻 7 号 p. 304-307
    発行日: 1967/07/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    アルギン酸ゼリーについて,酸性食品の一般的なpH範囲である3~4付近において,保形性および食感を不良にしないCa・Alg量および粘度について検討した結果次の知見を得た。
    (1) ゼリー中のCa・Alg量を増すことによりゼリーに悪影響のないpH範囲を多少増すことができるが,pH3~4付近においてはゼリーの保形性および食感は不良になり,実用性のないことがわかった。
    (2) 粘度がゼリーの膨潤度に影響をおよぼすことが認められ,ショ糖濃度Bx 20°, pH 3~4付近の場合は1%粘度320cp以上を示す粘度のもので調製すればよいことがわかった。
    (3) 高粘度のNa・Algでゼリーを調製した場合も,ゼリーが堅くになりすぎて食感を不良にするようなことはない。これについては酸味液中での陽イオン交換反応によるCa2+の架橋結合の減少とpHの変化による水和性の減少に基くゼリーの脆化によるものと推測した。このゼリー内部の陽イオン交換反応については今後さらに検討する予定である。
  • 堤 忠一
    1967 年 14 巻 7 号 p. 308-310
    発行日: 1967/07/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 茶葉からの無機成分の溶出率は,煎茶で,K, P, (Zn), Fe, Mn, Mg, Caの順であり,紅茶でK, (Zn), P, Mg, Mn, Fe, Caの順であった。溶出率が煎茶>紅茶となる成分は,P, Fe, Caで,他の成分は煎茶<紅茶であった。
    (2) 紅茶のKは煎茶より明らかに溶出の量,率,速度とも高く,Pはまったくその逆であった。Feは両者とも溶出速度がもっとも遅く,溶出率も低い。Caは両者とも溶出率がもっとも低い。
    (3) 茶葉からの無機成分の溶出は,成分によってかなり差があり,また,煎茶と紅茶で溶出傾向の異なる成分が認められ,茶葉中での無機成分の形態の違いが,両者間にあると推論される。
  • 海老根 英雄
    1967 年 14 巻 7 号 p. 311-317
    発行日: 1967/07/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1967 年 14 巻 7 号 p. 318-323
    発行日: 1967/07/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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