日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
17 巻, 5 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 三木 登, 赤津 一衛
    1970 年 17 巻 5 号 p. 175-181
    発行日: 1970/05/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    トマトジュースをガラスアンプルに充填し,glycerinbathで80℃から130℃の範囲で加熱し,高温加熱がトマトジュースのcarotenoidsに及ぼす影響について2, 3検討した。lycopeneの定量は3G3ガラスフィルターを使うメタノール・ベンゼン抽出法で行なった。
    (1) 7分間の加熱で比較すると90℃,100℃では約1~2%のlycopeneの減少であるのに対し,110℃,121℃, 130℃では4.4%, 10.6%, 17.1%と減少は急激であった。
    (2) 加熱当初の1分間がもっともlycopene減少が著しく,それ以後は各温度ともそれぞれ一定の率で減少していた。
    (3) 加熱によるlycopeneの減少に伴ってメタノール抽出部のcarotenoidsが著しく増加していた。
    (4) メタノール抽出部を活性アルミナクロマトグラフィーによって分画し7つのフラクションを得た。吸収スペクトル,薄層クロマトグラムなどによりF3, F7をそれぞれβ-carotene, lycopeneと同定した。そしてとくに増加していた3つのフラクションのうちのひとつがlycopeneであった。
    (5) 加熱温度別にメタノール抽出部中のlycopeneを定量したところ,加熱温度の高くなるにつれてメタノール部へのlycopene溶出の著しいことがわかった。80℃ 10分の加熱では約2.0%であるのに対し130℃ 10分の加熱では約6.7%のlycopeneがメタノール部へ溶出していた。
    (6) lycopeneを定量する際のメタノール洗浄液中に,加熱温度の高かったトマトジュースほどlycopeneが多量に溶け出してしまう原因について考察がなされた。
  • (第1報) レンコンのペルオキシダーゼの性質とそのゾーン電気泳動
    三上 雅章
    1970 年 17 巻 5 号 p. 182-186
    発行日: 1970/05/15
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    (1) レンコンの節部は可食部に比べてペルオキシダーゼ活性が強く,また,ロイコアントシアニン量も多かった。
    (2) 切断レンコンを30℃に24時間処理したところ,ペルオキシダーゼ活性は増加した。また,時間の経過(0~16時間)とともに活性は上昇の傾向を示した。
    (3) 粗酵素状態でのpH活性試験はpH 4.6で活性が強く,また,耐熱試験では5℃処理区に比べて30℃処理区のほうが熱に対して安定する傾向を示した。
    (4) セルローズアセテート膜およびペンタアセチールグルコースを支持体としたゾーン電気泳動によりA区(5℃)のペルオキシダーゼは2種に分離した。
  • 久武 陸夫, 佐竹 秀雄, 蔀 花雄
    1970 年 17 巻 5 号 p. 187-192
    発行日: 1970/05/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 本研究は塩蔵きゅうりの緑色保持方法を検討する目的で,種々の漬込み条件下での塩蔵中のきゅうりの色素変化について調べたものである。
    (2) きゅうりを食塩濃度20%, 36%で漬込んだ場合,大体塩蔵経日20日ごろきゅうり内部と漬液の食塩濃度が平衡に達するものと思われ,20日以降重量変化はあまり見られず重量な新鮮物の80~85%であった。
    (3) 食塩濃度20%の硫酸銅無添加区では塩蔵経日20日でほとんどきゅうりの緑色は退色した。高食塩濃度(36%)の場合少し緑色を保持するが塩蔵経日50日になるとやはりほとんど退色した。硫酸銅添加区は緑色をよく保持し,とくにグリシンまたはリジンと硫酸銅の併用区は鮮緑色を保持した。
    (4) 塩蔵中のpHの変化は塩蔵開始より10日の間がpHの低下が著しかった。
    (5) 塩蔵中の色素のおもな変化はクロロフィルの減少とフェオホルバイドの増加であった。この変化は塩蔵開始より20日ごろの間にほとんど起こった。
    硫酸銅添加区のクロロフィルの変化については測定しなかった。
    クロロフィルaはbよりpHの低下により分解しやすいようである。
    (6) 塩蔵中の85%アセトン抽出液の吸光曲線は硫酸銅無添加区で662~3mμ, 453mμ, 432mμ附近に吸収が見られ,塩蔵が長くなるに従い次第に低波長に移行するとともに662~3mμの吸収が小さくなり,390~480mμの吸収が増大した。硫酸銅添加区の吸光曲線は無添加区に比べその吸収位置が少しずれて銅化合物の生成を示し,とくにまた420mμ附近の曲線の形状が異なっていた。硫酸銅添加区の吸光曲線も塩蔵経日が長くなるに従い,全体が低波長に移行した。
  • (第1報) 揮発性カルボニル化合物について
    柴崎 一雄, 岩渕 せつ子
    1970 年 17 巻 5 号 p. 193-200
    発行日: 1970/05/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    味噌の香気成分のうちカルボニル化合物を2,4-DNPH誘導体として捕集し,TLC, GC,紫外部,赤外部吸収スペクトルにより検討した。その結果アセトアルデヒド,プロピオンアルデヒド,イソブチルアルデヒド,イソバレルアルデヒド,2-メチルブチルアルデヒド,フルフラールの存在が確認され,ホルムアルデヒド,ジアセチル,2-en-1-al,1個の脂肪族ケトンの存在が推定された。また少なくとも2個のジケトン化合物の存在が認められたがいかなる構造のものかいまだ明らかでない。
    量的にはアセトアルデヒドがもっとも多く,フルフラール,イソバレルアルデヒド,2-メチルブチルアルデヒドがこれに次いで多く含まれていた。normalのアルデヒドよりもiso体が多かったが,アルデヒドの生成経路を考える場合興味深い。味噌香気に重要と思われる未同定のジケトン化合物が量的にも多く見出された。
  • 保科 慶之助, 大滝 信一郎, 中村 富美恵, 馬嶋 安正
    1970 年 17 巻 5 号 p. 201-204
    発行日: 1970/05/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    Without reducing the flavor of tofu, fat was added to tofu in an attempt to increase the calorie. In commercial tofu (soy milk) and instant tofu (hyproton), emulsified fat and dry fat were added, using glucono-lactone and calcium sulfate as coagulating agent. As the results, it was difficult to add emulsified fat while addition of dry fat (cotton seed oil, lard and butter) to the extent of 9.1% to commercial tofu and instant tofu did not reduce the flavor. The product doubled in calorie had good flavor, digestibility and absorption.
  • 久武 陸夫, 佐竹 秀雄, 蔀 花雄
    1970 年 17 巻 5 号 p. 204-207
    発行日: 1970/05/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    本実験はきゅうり「まつみどり」「新光A号」の2品種を用い,貯蔵条件が色調,C ab, Cd ab, Py ab含量比,外観,硬度などの変化におぼす影響を検討した。
    (1) 両品種のうち,「新光A号」のほかがC abの含量比が高く,Py abは低いが,貯蔵中の変化,色調の変化には有意差が認められない。
    (2) 両試験区とも縦方向の硬度は部位によっても変化がなかったが横方向については,中央部,果柄部の硬度は増大する傾向を認めた。
    (3) 貯蔵中,萎凋,斑点状腐敗などのほか,「ス」入り,花落部の肥大がおこるが,これは貯蔵温度の高い区で著しかった。
  • 斎尾 恭子, 神谷 誠, 渡辺 篤二
    1970 年 17 巻 5 号 p. 207-210
    発行日: 1970/05/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    With the view to comare tofu with the other gelatinous and high-moistured foods like hampen, konnyaku etc., physical properties of them were examined by texturometer and the difference between foods were statistically analyzed by calculating Maharanobis distance. At the same time, physical properties of tofu made from crude 11S and 7S components, which were prepared from defatted soybean meal, were examined.
    In this paper, Maharanobis distance between foods were showed and the situation of physical property of each food in all was mapped to make the correlative relation understandable. As far as this experiment concerns, kinds of tofu like Momen-, Soft- and Kinu-tofu which are slightly different in manufacture were into a group, and hampen, glucan, gelatine and tofu from 11S component happened to be relatively similar. It is notewothy that tofu from 11S component was quite different in physical properties from tofu from 7S component and also kinds of tofu.
  • 石束 哲男
    1970 年 17 巻 5 号 p. 211-220
    発行日: 1970/05/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1970 年 17 巻 5 号 p. 221-223
    発行日: 1970/05/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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