日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
17 巻, 8 号
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  • 高橋 和彦, 幸田 浩俊
    1970 年 17 巻 8 号 p. 329-336
    発行日: 1970/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    トマト果実中にNO3-Nが蓄積する要因を知る目的で,大豊(有支柱),チコー,H1370(いずれも無支柱)の3加工用品種を用い,Nの施肥量を3段階とし,1968,1969の両年,東大農学部ほ場で栽培を行ない,収穫果実中のNO3-N含量を調べた。
    (1) 品種間差異は明らかでなかった。施肥量による差もはっきりせず,少施肥区においても含量の多い場合がみられた。
    (2) ホルモン(トライロントマト)散布による影響は認められなかった。
    (3) 時期的変動がみられ1969年度は6月下旬~7月上旬の収穫前期は低く,7月中下旬に高く,8月上旬の末期には再び低くなった。
    (4) 大豊で果房別の果実中のNO3-Nを調べた結果は,時期的変動のパターンとよく類似していた。
    (5) 熟度の影響は,大豊では緑熟果よりも完熟果のほうがNO3-N含量が低かったが,他2品種では分析時期が異なったため,時期的変動の影響を受け,はっきりした傾向が得られなかった。
    (6) 果実の部位別では各品種とも,へた直下部分の濃度が高く,ついで果肉中で,プラセンターには少なく,ゼラチナスパルプには全く含まれていなかった。
    (7) 完熟果を収穫後28℃の室温下におき貯蔵したが,7~10日までNO3-Nの変動は少なく,またNO2-Nの蓄積も認められなかった。
    (8) 以上の結果より,NO3-N蓄積に及ぼす諸要因中,もっとも大きいと思われるのは時期的変動であり,これは気温,降雨量などの気象環境,土壌中のNO3-N含量,植物体の生活機能などの条件が相互に関連しあい,その結果として現われたものと考えられる。
  • (第1報) トマト製品の色調劣化
    足立 由郎, 鵜飼 暢雄, 小菅 貞良
    1970 年 17 巻 8 号 p. 337-342
    発行日: 1970/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    トマトピューレーの貯蔵中の成分変化と表面色の劣化の原因につき検討を行ない,次の結果を得た。
    (1) トマトピューレーを37℃で,3カ月,6カ月間保存すると表面色が褐変して商品価値が劣る。この製品の色素の分析をした結果,リコピン,カロチンの減少は僅少であったが,水溶性色素の増加が認められた。
    (2) ピューレー保存中直接還元糖とビタミンCは減少し,滴定酸度は増加した。紫外部に吸収をもつHMFも増加した。
    (2) モデルのトマトピューレーを調製し,37℃で保存した結果,トマト漿液を使用したピューレー区の変色が大きく,とくに漿液濃度を高くすると,比例して色差も大きくなることから,トマトピューレーの表面色の劣化の主原因は漿液部の褐変にあることが証明できた。
  • (第1報) ウニ卵脂質の塩蔵中の化学的変化について
    藤野 安彦, 根岸 孝, 馬谷 公子
    1970 年 17 巻 8 号 p. 343-349
    発行日: 1970/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 生ウニと塩ウニの脂質から非極性脂質および極性脂質を分画した。両者の割合は,生ウニで3:1,塩ウニで4:1であった。
    (2) 非極性脂質として生ウニにも塩ウニにも炭化水素,ステロールエステル,トリグリセライド,脂肪酸,ステロールおよびモノグリセライドの存在が認められた。生ウニに比べて塩ウニでは,トリグリセライドの減少と遊離の脂肪酸の増加が見られた。
    (3) 極性脂質として生ウニにも塩ウニにも,ホスファチジルエタノールアミン,レシチン,スフィンゴミエリンおよびリゾレシチンの存在が認められた。生ウニに比べて塩ウニでは,レシチン,ホスファチジルエタノールアミンの減少とリゾレシチンの増加が見られた。
    (4) ウニの塩蔵中に結合型脂肪酸のうち,C18~C22の脂肪酸の一部(いずれも不飽和酸)が他の脂肪酸よりも比較的多く遊離された。
  • (第2報) 自動昇温カラムの場合
    小嶋 操
    1970 年 17 巻 8 号 p. 350-354
    発行日: 1970/08/15
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    前報に引つづき,“粉わさび”の品質をおもに高感度ガスクロマトグラフィー(GC)により,鑑定する目的で本研究を行ない,つぎの結果を得た。
    (1) GC分析用カラムには5% SE-30/Celite 545, 0.3(i.d.)×225cmのガラス製(カラムA)およびステンレス製(カラムB)を用いた。またカラム恒温槽温度は50°~250℃(ガラス製)および50°~220℃(ステンレス製)に9.5℃/minの割合で自動昇温した。キャリアーガスにはHeを用い,流速は50°で20ml/min (1.8kg/cmcm2)とした。
    (2) 前報の条件では分離しなかったアリル芥子油と第二級プチル芥子油に対応するピークは明瞭に分れた。
    (3) ガスクロマトグラムのアリル芥子油のピーク面積に対するβ-フェニルエチル芥子油のピーク面積の比を百分率で表わし,Rとした。
    (4) 12種の“粉わさび”(c)のRを求め,西洋わさび粉(a)および黒からし粉(b)のRを,ax+b(100-x)=100c式に代入して,“粉わさび”中の西洋わさび粉(x)および黒からし粉(100-x)の配合割合を求めた。
    (5) 西洋わさび粉の配合割合が50%以下のものが,ガラス製カラムで4種,ステンレスカラムで3種あった。
    (6) “粉わさび”の辛味成分含量および灰分含量も品質鑑定上の因子である。
  • 武田 吉弘, 沢路 雅夫, 安川 仁次郎
    1970 年 17 巻 8 号 p. 355-357
    発行日: 1970/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) リンゴの熟度を測定するための装置として,vibrator, pick-upを用いた振動特性測定装置を試作した。
    (2) 試作した振動特性測定装置により,リンゴの熟度を測定し,官能評価と比較した結果,振幅最大値がリンゴの熟度の目安として,使用できる可能性のあることがわかった。
    (3) この装置は非破壊測定ができるのが特徴であるが,欠点としては,吸盤型pick-upが測定中に試料表面から,はずれやすいことなどがあり,今後の改良の余地が残されている。
  • 武田 吉弘, 沢路 雅夫, 安川 仁次郎
    1970 年 17 巻 8 号 p. 358-360
    発行日: 1970/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) リンゴの熟度を測定するための装置として,前報の欠点を改良した振動特性測定装置を試作した。
    (2) 生育中・貯蔵中ともに,同一リンゴ(スターキング)の熟度変化を追跡した。
    (3) 生育中については未熟果より適熟果になるにつれ,振動特性測定装置による熟度測定装置(振動子No.)が低くなる傾向を示した。
    (4) 貯蔵中については,熟度が進む(過熟になる)につれ,振動特性測定装置による熟度測定値が低くなる傾向を示した。
    (5) 大果は小果に比べ,熟度測定値が低い傾向を示した。
  • 木島 勲, 柴田 明良, 伊奈 和夫
    1970 年 17 巻 8 号 p. 361-363
    発行日: 1970/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 西洋わさび粉および黒辛子粉の揮発性成分をGC,head space法で検討し,9種のピークを確認し,これらの中7種を同定した。
    (2) アリル辛子油以外のピークNo. 1とIsopropyl辛子油のバランスが西洋わさび,黒辛子で異なることを知り,この比を用いて粉わさび中の黒辛子の含量を算出することができた。
  • 渡辺 長男
    1970 年 17 巻 8 号 p. 364-372
    発行日: 1970/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1970 年 17 巻 8 号 p. 373-375
    発行日: 1970/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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