日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
18 巻, 1 号
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  • (第2報) 塩漬における硝酸塩の効果について
    高木 誠司, 中尾 行宏, 宮脇 勝, 石井 清文
    1971 年 18 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1971/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    肉製品の発色剤として用いられる硝酸ナトリウムについて,肉の発色におよぼす影響,亜硝酸への分解などを検討し,つぎの結果が得られた。
    (1) 添加した硝酸塩は,肉中の硝酸還元細菌によって還元され,亜硝酸になる。しかし短かい塩漬期間(1~7日間)では,その還元速度が遅く硝酸塩の分解がほとんどない。
    (2) 硝酸塩と亜硝酸塩を併用する場合,短かい塩漬期間において亜硝酸ナトリウムを0.02%程度加えると,硝酸塩の分解は硝酸塩のみを用いた場合よりもさらに遅くなる。したがってこの場合には硝酸塩の肉の発色に対しての効果はほとんどない。
    (3) 肉中の硝酸還元細菌は63℃, 50分の加熱でほとんど死滅するので,加熱後の製品中では硝酸塩の分解は非常に少ない。
    (4) 我が国では,肉の塩漬時に亜硝酸塩と同時に多量の硝酸塩(肉に対して0.1~0.2%)が使用されているが,以上の結果から判断して,短期間の塩漬においては硝酸塩は亜硝酸塩とほぼ同量程度の添加でよいと思われる。
  • 竹尾 忠一, 仲原 早苗
    1971 年 18 巻 1 号 p. 8-13
    発行日: 1971/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    The transmission colors of black tea infusion, the theaflavin fraction and the thearubigin fraction extracted from black tea infusion were measured by the Hunter color meter. The theaflavin and the thearubigin contents in black tea infusion were determined by the Roberts' method.
    The Hunter L, a, and b values of black tea infusions showed highly significant correlations to those of the thearubigin fractions extracted from black teas, and rather lower correlations to those of the theaflavin fractions.
    The theafiavin contents in black tea infusions did not have high correlations to the Hunter values of black tea infusions, and the thearubigin contents had rather higher correlations. From these results, it was recognized that the color of black tea infusion was effected by the color of the thearubigin fraction, which has highly relation to reddish color of black tea infusion, and the theaflaviln fraction did not have significant relation to the color of black tea infusion determined by the Hunter color meter.
    There were highly correlations between the theaflavin contents and the Hunter values of the theaflavin fractions extracted from black tea infusions. But there were rather lower corelations between the thearubigin fractions and the Hunter a and b values of the thearubigin fractions and there was only corelation between the formers and the Hunter L values.
  • (第1報) 凍結保存前後の卵白および全卵液中における細菌数の変化
    森 高明
    1971 年 18 巻 1 号 p. 14-19
    発行日: 1971/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    凍結前と凍結保存後解凍した卵白液および全卵液中における細菌の増殖速度,凍結保存条件と解凍後の生菌新の変化を調べ,凍結保存後解凍した卵白液の細菌生育抑制作用の低下について検討した。
    凍結前と凍結保存後解凍した全卵液中の細菌の増殖誘導期はいずれも約1時間であって,増殖速度は卵黄中での場合と大差がなく,凍結前の卵白液にみられるような細菌生育抑制作用が認められなかった。
    1~6ヵ月間-20°で保存後解凍した卵白液は,凍結前のものに比べて細菌生育抑制作用の低下が認められた。これは凍結保存および解凍による溶菌力の低下が一因と考えられた。
    全卵液の凍結保存温度と解凍後の生菌数との関係については,-20°より-5°~-10°で保存したほうが生菌数が少なくなり,大腸菌群細菌は,他の細菌より凍結障害をうけやすいものと思われた。E. coliに対する凍結障害の程度は,全卵液より卵白液のほうが大きい。
    また,全卵液に砂糖を添加して凍結保存すると,細菌の凍結障害に対して保護効果が認められ,食塩の添加は凍結障害を促進した。
  • 中林 敏郎, 阿部 一雄, 伊奈 和夫
    1971 年 18 巻 1 号 p. 20-23
    発行日: 1971/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    清酒の清澄剤に用いられる柿渋特有の異臭のおもな原因となる揮発性酸の種類,含量および生因を,水蒸気蒸溜法とガスクロマトグラフィーで検討した。
    (1) 柿渋に含まれる約2%の全酸の約90%が揮発性酸で占められる。
    (2) ガスクロマトグラフィーで検出された18種の揮発性酸のうち,ギ酸,酢酸,プロピオン酸,酪酸イソバレリアン酸など10種を同定した。
    (3) 揮発性酸の主成分である酢酸,プロピオン酸および酪酸の含量を内部標準法で定量した結果,それぞれ約60, 18および4%を占めていた。
    (4) 新鮮な搾汁を貯蔵中の糖分,全酸および揮発性酸量の変化を追跡して,異臭の原因となるこれらの揮発性酸が有機酸発酵で生成されることを明らかにした。
  • 阿部 輝雄, 露木 英男
    1971 年 18 巻 1 号 p. 24-27
    発行日: 1971/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) ハタハタすしに含まれる有機酸の消長を調べるため,生ニンジン,生カブ,米飯,麹,ニンジン,カブの4者混合物,ハタハタ生鮮魚肉,ハタハタすし魚肉中の有機酸組成を,シリカゲルを用いる分配クロマトグラフィーにより測定した。これらのなかには少なくとも,13種類の有機酸(プロピオン酸,酢酸,ピルビン酸,フマル酸,α-ケトグルタル酸,乳酸重合物,コハク酸,乳酸,ピログルタミン酸,アコニット酸,グライコール酸,リンゴ酸,クエン酸)が存在し,そのうち,主要なものは,酢酸,乳酸,ピルビン酸,フマル酸,リンゴ酸およびクエン酸であった。
    (2) 生鮮ハタハタ魚肉に比べると,ハタハタすしの魚肉中には,米飯,麹,生ニンジン,生カブの混合物に漬けることによって,新たに,ピログルタミン酸,グライコール酸,リンゴ酸,クエン酸が生成される。
  • (第6報)メチルセルローズによるタンニンの沈澱
    中林 敏郎, 牧田 輝夫
    1971 年 18 巻 1 号 p. 28-32
    発行日: 1971/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    メチルセルローズ(MC)がタンニンと結合沈澱する現象を検討した結果,
    (1) 両者の結合は主として水素結合によって行われ,したがって沈澱生成は中性以下ではpHの影響をほとんど受けない。
    (2) 沈澱生成はタンニンとMCの比率に支配され,タンニン1に対してMC2のときに除タンニン率は最高となり,MC量がそれより増減すると低下する。
    (3) 除タンニン率は高温ほど低下し,共存物とくにアルコールの阻害が著しい。
    (4) 各種の炭水化物やその誘導体のうちで,MCのみがとくに強い除タンニン能を示し,セルローズも若干タンニンを吸着した。
    (5) MCは高分子のタンニンを沈澱せしめるが,低分子ポリフェノール化合物は沈澱しないので,果実やそ菜の抽出液からはMC処理でタンニンのみが,除去される。
  • (第7報)甘柿と渋柿のタンニン組成の相違
    中林 敏郎
    1971 年 18 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 1971/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    甘柿と渋柿でそのタンニン組成に相違があるのではないかと予想して,各品種の全ポリフェノール成分の質的および量的変化を検討した結果,
    (1) 渋柿のポリフェノール成分としてglucogallin(β-1-0-galloyl-D-glucose)の存在を明らかにした。
    (2) 全ポリフェノールのペーパークロマトグラムは,低分子ポリフェノール成分の分布から,PC甘,PV渋とPC渋,およびその中間のPV甘の3型に区分された。
    (3) 会合型タンニンの組成は,渋柿に比べて甘柿ではロイコアントシアン含量が高く,とくにロイコシアニジンの比率が多かった。
    (4) 生育に伴って全ポリフェノール含量は減少するが,果実1個に含まれる絶対量は9月以降あまり変化しない。しかしアルコール脱渋ではポリフェノール成分がほとんど消失する。
    (5) 柿の自然脱渋の機構と品種との関係について若干の考察を行った。
  • 神谷 真太郎, 江崎 幸子
    1971 年 18 巻 1 号 p. 38-49
    発行日: 1971/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1971 年 18 巻 1 号 p. 50-55
    発行日: 1971/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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