(1) 豚肝のライソソーム顆粒の調製過程におけるエステラーゼの挙動を比較検討した。
(2) 豚肝のエステラーゼの大部分はミクロソーム顆粒内に局在するものであって,ライソーム顆粒内には存在しないものと考えられた。
(3) ライソソーム分画内に遊離しているエステラーゼも,ミクロソーム顆粒から遊離したものと考えられた。
(4) ミクロソーム顆粒内のエステラーゼは,磨砕,凍結融解,加温および保蔵などの処理の進むにつれて,顆粒外に遊離していった。また,これらの場合,熱変性やライソソーム・カテプシンなどによるエステラーゼの失活も認められた。
(5) ライソソーム・カテプシンによるエステラーゼの失活は,pH 7.0の条件下では,59℃付近で最高値に達し,その温度よりも遠ざかるにつれて,その失活率は低下していった。
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