日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
18 巻, 9 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • (第5報)市販ラーメンの抗酸化性
    岡田 安司
    1971 年 18 巻 9 号 p. 411-415
    発行日: 1971/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    市販ラーメン製品およびその抽出油について,一般性状,脂肪酸組成,グリセリド組成および保存試験などを行なった。
    (1) 製品の一般性状では比較的灰分量の多いpH 7以上のものと灰分量の少ないpH 7以下のものに二分された。
    (2) 抽出油は,油脂の性状,脂肪酸,グリセリド組成などから,ラードおよびラード類似油脂の使用が考えられ,二試料油は比較的酸価が高く,呈色反応によりゴマ油の存在が認められた。
    (3) 製品の37℃保存試験では,ほとんどの試料は6カ月以内に風味の消失およびそのうち半分以上の試料は異臭の発生が認められた。
    (4) 製品の保存性は抗酸化剤添加量の多少が製品の成分組成,使用ラードの性状より大きく影響しているように考えられる。
  • (第6報)各種相対湿度における即席ラーメンの保存試験
    岡田 安司
    1971 年 18 巻 9 号 p. 416-419
    発行日: 1971/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    市販ラーメン10種類の各種相対湿度における平衡水分量を測定し,BET式により単分子層水分%および平衡相対湿度%を算出した。また各試料の各種相対湿度における酸化安定性について検討した。
    (1) 各ラーメン製品の単分子層水分量は約3~5%,平衡相対湿度16~23%であった。
    (2) 単分子層水分量は粗脂肪,粗蛋白,灰分などの成分組成のうちで,粗脂肪含量に影響される傾向がみられた。
    (3) 数種のラーメンの30℃,各種相対湿度におけるP.O.V., Co-V.の変化は,60日まではほとんど変化はなかったが,100日前後で,いずれも急激な変化が認められ,水分含量によるラーメンの酸化安定性には差異が認められなかった。
  • (第7報)市販ラーメンの調理性について
    岡田 安司
    1971 年 18 巻 9 号 p. 420-424
    発行日: 1971/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    市販ラーメン10種類について茹麺の重量増加率,容積増加率および切断荷重などの調理性を測定し,成分組成との関連を検討した。
    (1) 茹時間2~3分以内でいずれの試料とも倍近くの重量増加および約1.8倍の容積増加が認められた。
    (2) 切断荷重は各試料により,また茹時間により,かなりの変動を示し,いずれの試料も茹時間の増加により減少傾向が認められた。切断荷重,ひずみ率の関係を両対数で示すと麺体の中心附近を屈折点として,その両側で直線関係がえられ,茹麺の品質判定の目安となった。
    (3) 乾麺の水分含量と無機成分が吸水性に,また乾麺の比重と無機成分が膨潤性に影響する傾向がそれぞれ認められた。
  • (第8報)市販ラーメンの粘弾性について
    岡田 安司
    1971 年 18 巻 9 号 p. 425-429
    発行日: 1971/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    市販ラーメン10種類について,茹麺の歯当りなどの粘弾性を測定するため,四要素模型を適合させ,弾性率,粘性率,変形率を求め,成分組成との関連を検討した。
    (1) ラーメン試料はほぼ調理時間3~4分に弾性率Eおよび粘性率ηの最高値を示した。試料および茹時間によるE,ηの変動はそれぞれ2~4×103(g/cmcm2), 2~4×105(g・sec/cmcm2)であった。
    (2) ラーメン試料の茹時間による全変形率εは変動が比較的小さいものおよび比較的大きなグループにわけられた。各種変形率の試料および茹時間による変動は全変形率ε=0.25~0.48,永久変形率εp=0.11~0.25,瞬間弾性変形率εe=0.08~0.18,遅延弾性変形率εr=0.01~0.09であった。
    (3) ラーメン試料中の諸成分,諸因子は,粘性よりも弾力性に影響をおよぼす傾向が認められた。終りに本実験に対して終始ご指導,ご鞭撻を賜わった横尾良夫味そしよう油課長,後藤富士雄所長に深甚なる謝意を表する。
  • 近藤 義和
    1971 年 18 巻 9 号 p. 430-435
    発行日: 1971/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    主として温州みかん果実を材料として,プロリンの定量性を確かめたのちその含量を調査し,次の結果を得た。
    (1) Chinard比色法によってプロリンを測定した。その発色は果汁の酸によって阻害され,糖によって増強される。これらの影響は果汁を25倍以上に希釈すると消失した。
    (2) プロリンは柑橘果実に一般に多く含まれ,オレンジ類に多く,酸味の強いレモンに少なく,温州みかんは中程度に含んでいた。
    (3) 温州みかんのプロリン含量は早生種(10月収穫)に少なく,普通種(12月収穫)に多く,また冬期貯蔵中次第に増えた。この場合果皮にプロリンが多く,その増加速度も果肉部分に比べて大きかった。しかし果皮と果肉の蛋白質とアミノ態窒素は変化しなかった。
    (4) 一樹について調べた場合,日照のよい着生位置のものに多く,小型果実にむしろ多い傾向であった。また品種による含量の差が認められた。さらにかなり大きい個体差が存在した。
    (5) 果汁の貯蔵と加熱によってプロリン量はほとんど変化しなかった。
  • (第3報)D-リモネンの香り立ち
    伊奈 和夫, 原田 巌
    1971 年 18 巻 9 号 p. 436-440
    発行日: 1971/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) D-リモネンの香り立ちに対する各種溶媒の保香性の試験には特殊な三角フラスコを用いることで可能であった。
    (2) 各種溶媒のD-リモネンに対する保香性は溶媒の沸点と密接な関係があったが,全体的に同じような傾向を示し,保香の強さは炭化水素,エステル,カルボニル類ではほぼ同じであったが,アルコール類,酸類では他のものに比して低かった。
    (3) D-リモネンの保香には炭素鎖が8~9個以上のものが有効であった。
    (4) 水のようなD-リモネンの不溶な溶媒でもミリスチルアルコールのような長い炭素鎖と親水基を同時に持つ分子を媒体としたときD-リモネンに対する保香性は良効となった。
  • 川嶋 浩二, 佐藤 友太郎
    1971 年 18 巻 9 号 p. 441-448
    発行日: 1971/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1971 年 18 巻 9 号 p. 449-451
    発行日: 1971/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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