日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
19 巻, 11 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 浜野 光年, 青山 康雄, 横塚 保
    1972 年 19 巻 11 号 p. 503-507
    発行日: 1972/11/15
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    粉末醤油について,デシケータ法により等温吸湿曲線を求め,さらにBET等温吸湿曲線を検討し,次いで収着熱を求め次の結果を得た。
    (1) 平衡水分量は低湿領域では非常に少なく,高湿領域で著しく増大し,40℃での平衡水分量は20℃のときよりも少なかった。
    (2) 水分は単分子層を形成して吸着されずに,粉末全体に拡散して収着していた。
    (3) 収着熱は平衡水分量の少ないところですでに水の凝縮熱に近づいていた。
    (4) 粒径の大小によって平衡水分量には差がなかった。
    (5) 同時に実験を行なった粉末味噌は半増時間が相対湿度20%以上で著しく長くなっていたが,他の水分収着特性は粉末醤油のそれと類似の傾向であった。
  • オキシダーゼとペルオキシダーゼ活性におよぼす照射時期の影響
    辰巳 保夫, 茶珍 和雄, 緒方 邦安
    1972 年 19 巻 11 号 p. 508-513
    発行日: 1972/11/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 収穫直後のジャガイモに抵線量のγ線を照射すると,照射後オルトジフェノール含量の増加がみられ,この増大は皮層部,維管束部で著しかった。還元型アスコルビン酸は照射によって減少し,その減少量は皮層部,維管束部で多かった。
    (2) ポリフェノールオキシダーゼ活性は照射することにょって増大し,皮層部でその増大が著しい。ペルオキシダーゼも同様活性が増加し,維管束部での増加が多かった。
    (3) 上述の化学的成分と酵素活性の変化と照射時期との関係についてみると,かっ変が発生する時期のものでは照射によってオルトジフェノール含量が増加し,一方還元型アスコルビン酸含量が減少した。またポリフェノールオキシダーゼ,ペルオキシダーゼの活性も増大することが明らかになった。かっ変が発生しなくなる時期のものでは照射後のオルトジフェノール増加や還元型アスコルビン酸の減少がほとんどみられず,また酵素活性もほとんど増大しなかった。
  • (第1報)アセトン不溶インヒビターの精製と性質
    間宮 米二, 戸塚 耕二, 庄司 圭吾, 麻生 和衛
    1972 年 19 巻 11 号 p. 514-521
    発行日: 1972/11/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    脱脂大豆の60%エタノール抽出液をアセトンで沈殿させたものを,SephadexG-100ゲル濾過とDEAE-SephadexA-25カラムクロマトグラフィーで分離し,F1,F2,F3-I,F3-II,F4およびF5の6種類のトリプシンインヒビターとF3-II,F4およびF5の3種類のα-キモトリプシンインヒビターをえ,F4インヒビターについて諸性質を調べた。
    (1) F4インヒビターは電気泳動的,超遠心的に均一であり,トリプシンおよびα-キモトリプシンを強力に阻害した。
    (2) 分子量は8000,沈降係数は1.85だった。
    (3)N末端アミノ酸はアスパラギン酸,C末端は,ーグルタミン酸-アスパラギンのアミノ酸配列をなしていた。
    (4) 熱に耐して非常に安定であり,酸性溶液を100℃で20分加熱しても,酵素阻害活性は低下しなかった。
    (5) トリプシンとα-キモトリプシンとでは阻害作用機作が異なった。
    (6) トリプシンとの反応はpHおよび塩濃度の影響を強くうけた。
    (7) F4インヒビターの諸性質は,Bowman-Birkインヒビターおよび1.9Sインヒビターとよく一致した。
  • (第2報)アセトン不溶インヒビターのS-S結合の水素化ホウ素ナトリウムによる還元および熱変性について
    間宮 米二, 戸塚 耕二, 庄司 圭吾, 麻生 和衛
    1972 年 19 巻 11 号 p. 522-525
    発行日: 1972/11/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    大豆のアセトン不溶F4インヒビター(Bowman-Birkインヒビター)の0.1M水素化ホウ素ナトリウムによるS-S結合の還元および熱変性について実験を行ない,次の結果をえた。
    (1)25℃では,1~2時間でS-S結合は6ヵ所還元され,トリプシン阻害活性は0~5%,α-キモトリプシン阻害活性は10~20%残存し,0℃では,5~7時間で5~5.5カ所還元され,トリプシン阻害活性は15%,α-キモトリブシン阻害活性は20%残存した。
    (2)S-S結合が1カ所還元されても,トリプシンおよびα-キモトリプシン阻害活性は低下しなかった。
    (3)0.001MHCl溶液は,135~140℃で,20分加熱すると,トリプシンおよびα-キモトリプシン阻害活性が低下しはじみ,200℃では,トリプシン阻害活性は30~40%残存したが,α-キモトリプシン阻害活性はほとんど残存しなかった。
    (4) 加熱温度の上昇とともに,S-S結合は多少影響をうけた。
  • (第1報)電気伝導度測定法による柑橘果汁中の遊離酸の定量
    橋永 文男, 永吉 正義, 沢村 正義, 筬島 豊, 古谷 貞治
    1972 年 19 巻 11 号 p. 526-530
    発行日: 1972/11/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    柑橘の品質測定に電導度測定法を用いて,簡易迅速に遊離酸を定量することを試みた。
    (1) 希釈果汁の電導度を測定することによって電導度と遊離酸量とが高い相関関係を示すことを見出した。
    (2) 温州みかんにおいては希釈率が0.5%前後のときが最も相関係数が大きくなった(γ=0.994)。しかし夏みかんは温州みかんに比べ,相関係数がわずかに劣っていた。
    (3) 遊離酸量と電導度との回帰直線は品種及び希釈率が同一であれば高い相関係数が得られるが,異なる場合にはわずかではあるが直線からずれた。また温州みかんでは果実の成熟時期を通じて全て同一直線上にあることが認められた。
    (4) したがって各柑橘ごとに滴定酸量と0.5%前後に希釈した果汁の電導度とを測定して,その関係式を導くことにより,糖含量に影響されずに電導度から直ちに遊離酸量を求め得ることを明らかにした。
  • 中川 致之
    1972 年 19 巻 11 号 p. 531-537
    発行日: 1972/11/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    植物タンニン,重金属塩,トリクロル酢酸などの渋味物質のいき値を測定するとともに,牛血清アルブミン,ゼラチンなどの水溶性たんぱく質との反応性を調べた結果,つぎのことが判明した。
    (1) 渋味物質はいずれもたんぱく質と不溶性の複合体をつくる。
    (2) 植物タンニンは低濃度で不溶性複合体をつくるが,分子量の多いほど,つくりやすい傾向がある。
    (3) 重金属塩は高濃度でないと不溶性複合体をつくらないが,たんぱく質との混合液が一見変化していなくても可溶性複合体が存在する。
    (4) 渋味物質を総合すると複合体の生成量と渋味の強さの間にはっきりした比例関係は認められないが,特定の植物タンニンに限定すればいき値近辺において比例的な関係が認められる。
  • 北尾 次郎
    1972 年 19 巻 11 号 p. 538-547
    発行日: 1972/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1972 年 19 巻 11 号 p. 548-553
    発行日: 1972/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
feedback
Top