寒天ゼリーを乾燥する場合の,ゼリーの乾燥性および物性に及ぼす乾燥条件の影響について調べた。
(1) 30℃各関係湿度下でのゼリーは,関係湿度90%では吸湿し,関係湿度80%以下で乾燥した。また乾燥速度は関係湿度43%以下ではほとんど差がなく,60%になると明らかに遅くなった。
(2) 乾燥温度40℃,50℃,60℃,関係湿度それぞれ40%,60%のときの乾燥速度は,乾燥温度が高いものほど早く,また関係湿度の影響は40℃のときは60%の方が遅かったが,50℃,60℃のときは乾燥が進み,それぞれ約21.5%,19.5%以下になると関係湿度の高い方が早くなることが認められた。
(3) ゼリーを50℃,60℃で乾燥し,乾燥過程におけるゼリーの物性の変化を調べた結果,破壊荷重はゼリーの水分が初発水分から6~7%減少するまでは変化せず,それ以下になると急速に増加した。またクリープ試験におけるE
1は乾燥が進むにつれて大きくなったがE
2, E
4, η
2は逆に小さくなる傾向にあり,50℃乾燥の方がその変化が大きかった。またη
3は50℃では減少するのに,60℃では増加傾向にあり,乾燥温度の違いがゼリーの物性に大きく影響することを認めた。
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