日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
19 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • (第2報) 低温障害バナナ果実の追熟に伴うCO2排出の機作
    能岡 浄, 本田 幸一郎
    1972 年 19 巻 4 号 p. 131-138
    発行日: 1972/04/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    台湾(台中)産の緑熟バナナを6℃に4日間(6℃-4日区)および9日間(6℃-9日区)貯蔵したのち20℃に変温貯蔵したのと,20℃に貯蔵した果実(対照区)について糖含量の変化と,CO2排出に寄与する酵素活性を調べた。
    (1) 対照区および6℃-4日区に比べて,6℃-9日区では変温直後からhexoseおよびpentose含量は多く,PEP-carboxykinase活性も高く,引きつづき増加する。G-6-Pの含量は三者とも各時期を通じてあまり変化はみられない。
    (2) 対照区,6℃-4日区および6℃-9日区とも果実全体のCO2排出量が多いとき,果実切片のO2吸収はかえって少ない。対照区と6℃-4日区においてはclimacteric riseの時期にIDHとG6P-DH活性は少し増加するが,pyruvate decarboxylaseおよびADH活性は急増しエタノール含量も増加する。6℃-9日区では変温直後からG6P-DH活性は高く,果肉が軟化する時期には対照区のclimacteric riseのときと同様にIDH活性は少し増加し,pyruvate decarboxylaseとADH活性は急増してエタノール含量も増加する。
    α-ketoglutarate dehydrogenase活性はいずれの場合においても痕跡程度であった。
    以上の結果に基づきCO2排出の機作を検討した。
  • (第3報)ゼリーの乾燥について
    石田 欽一, 志賀 一三
    1972 年 19 巻 4 号 p. 139-143
    発行日: 1972/04/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    寒天ゼリーを乾燥する場合の,ゼリーの乾燥性および物性に及ぼす乾燥条件の影響について調べた。
    (1) 30℃各関係湿度下でのゼリーは,関係湿度90%では吸湿し,関係湿度80%以下で乾燥した。また乾燥速度は関係湿度43%以下ではほとんど差がなく,60%になると明らかに遅くなった。
    (2) 乾燥温度40℃,50℃,60℃,関係湿度それぞれ40%,60%のときの乾燥速度は,乾燥温度が高いものほど早く,また関係湿度の影響は40℃のときは60%の方が遅かったが,50℃,60℃のときは乾燥が進み,それぞれ約21.5%,19.5%以下になると関係湿度の高い方が早くなることが認められた。
    (3) ゼリーを50℃,60℃で乾燥し,乾燥過程におけるゼリーの物性の変化を調べた結果,破壊荷重はゼリーの水分が初発水分から6~7%減少するまでは変化せず,それ以下になると急速に増加した。またクリープ試験におけるE1は乾燥が進むにつれて大きくなったがE2, E4, η2は逆に小さくなる傾向にあり,50℃乾燥の方がその変化が大きかった。またη3は50℃では減少するのに,60℃では増加傾向にあり,乾燥温度の違いがゼリーの物性に大きく影響することを認めた。
  • (第1報) 菌の分離およびその性質
    三沢 豊, 松原 良, 犬塚 猛雄
    1972 年 19 巻 4 号 p. 144-150
    発行日: 1972/04/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    食品・医薬品などへの応用を目的として,土壌中より有胞子乳酸菌を分離し,その菌学的性質を調べ,グラム陽性,カタラーゼ陽性で,L(+)-乳酸を生成し,好気的条件下で胞子を形成する点などから,Bacillus coagulansと推定した。
    また本菌製剤を市販のStreptococcus faecatis製剤およびLactobacillus sporogenes製剤と比較して応用上の諸性質を検討した結果,保存性,耐熱性,耐酸性,耐塩性など,いずれにおいても従来の市販品にまさる性質を示し,とくに保存性,耐酸性がすぐれているので,食品・薬品医などへの応用が充分可能とみなされる。
  • 石井 茂孝, 横塚 保
    1972 年 19 巻 4 号 p. 151-156
    発行日: 1972/04/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    PTE製剤を広く果汁に応用する目的で, Aspergillus joponicusの酵素剤を用いて検討を行なった。結果はっぎのとおりであった。
    (1)果汁10ml当り本酵素剤をPTE活性として0.016単位添加すればリンゴ果汁は40℃,1時間で完全に清澄化されるが,ブドウ果汁の場合はさらに数倍の添加が必要であった。
    (2)本酵素剤による果汁清澄化の最適条件は,pH 3~4の範囲,温度は50℃付近であったが,リンゴ果汁とブドウ果汁とではやや傾向が異なっていた。
    (3)リンゴ果汁の清澄化の場合はAspergillus sojaeの場合同様本酵素剤中のPTEが主として関与していると考えられるが,ブドウ果汁の清澄化には他の酵素の関与も推定された。
    (4)ブドウ破砕物への本酵素剤適量添加は,濾過を容易にし,かつ搾汁量増加にも効果が現われた。
  • (第1報)Hydrogen Peroxydeによる種子類の膨満現象について
    川端 昭子, 加藤 文彦, 竹内 芳一
    1972 年 19 巻 4 号 p. 157-164
    発行日: 1972/04/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 種子類をHPO溶液に浸漬すると種子中のcatalaseによりHPOが分解され,種皮と胚乳の間に酸素が蓄積し,ジャケットが形成される膨満現象を発生することを見出した。
    (2) 各種の種子の膨満現象はその種類によって異なった。
    i) 膨満現象は種子固有の部位から開始ならびに進行し,所要時間,体積増加率は種子の種類によって異なった。
    ii) 膨満種子の吸水量は,膨満所要時間の短い,体積増加率の大きい種子が所要時間の長い,体積増加率の小さい種子に比較して少なかった。
    (3) HPOによる膨満種子と水浸漬による膨潤種子の差異は,現象発生の初期において膨潤種子は水分吸収により体積,重量が平行して増加するのに対し,膨満種子では種皮と胚乳間に生ずる酸素ジャケットにより体積は急速に増大するが,胚乳部は吸水を断たれることにより重量,体積の増加がほとんどみられないことである。
    (4) 一般的に,実験に用いた種類では,膨満種子は剥皮が容易であった。
  • 総集計データ
    吉川 誠次, 西丸 震哉, 田村 真八郎, 石間 紀男
    1972 年 19 巻 4 号 p. 165-179
    発行日: 1972/04/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1972 年 19 巻 4 号 p. 180-184
    発行日: 1972/04/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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