日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
20 巻, 7 号
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  • (第1報) 有機成分の吸着に関するモデル実験
    杉本 勝之, 高木 正敏, 好井 久雄
    1973 年 20 巻 7 号 p. 299-303
    発行日: 1973/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    活性炭による食品工場の排水処理を目的とし,まず7種類の有機成分を用い,その濃度を100mg%として,20℃で各種活性炭の等温吸着を検討した。
    (1) 等温吸着式より求めた1/nは粉末炭ではフェニルアラニン<ソリュブルスターチ,メチオニン<グルコース<乳酸,グルタミン酸<ポリペプトンの順であり,粒状炭ではフェニルアラニン<乳酸,メチオニン,グルタミン酸,グルコース<ポリペプトン<ソリュブルスターチの順であった。
    (2) 溶液100ml中の各溶質100mgの80%除去するのに必要な活性炭量は粉末炭ではフェニルアラニン<ソリュブルスターチ<ポリペプトン<メオチニン<乳酸<グルコース<グルタミン酸となり最少量のフェニルアラニンが0.5~0.9g,最大量のグルタミン酸は7.0~13.0gであった。
    粒状炭ではフェニルアラニン<ポリペブトン,乳酸,メチオニン,ソリュプルスターチ(Fを除く)<グルコース,グルタミン酸となり,最少量のフェニルアラニンが0.6g,グルコースとグルタミン酸は5.0~8.0gであり,最大量はFのソリュブルスターチで10.0g以上であった。
  • (第1報) 温度の影響
    梁 逸, 松本 幸雄, 米沢 大造
    1973 年 20 巻 7 号 p. 304-310
    発行日: 1973/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    (1) 脱脂乳を塩化カルシウム溶液で100倍希釈して濁度の変化を調べたところ,塩化カルシウム濃度0.01M~0.1Mの範囲で安定な一定の濁度を与えることを認めた。
    (2) 0.02M塩化カルシウムで100倍に希釈した脱脂乳について4℃~35℃の範囲で温度を変化させたところ,濁度は温度の低下とともに低下し,温度の変化につれて大体可逆的に変化することを認めた。希釈しない脱脂乳でも同様のことが観察された。
    (3) 乳清のタンパク質濃度は温度の低下とともに上昇した。30℃から5℃まで下げたときにミセルから溶け出すタンパク質の量は第1日で約10%, 5日で13%であった。
    (4) 遠心分離でミセルを沈降させたときのペレットの容積,ペレットの屈折率およびミセルの固有粘度の測定から,温度の低下とともにミセルが膨潤することが認められた。
    (5) 温度を下げたときの濁度の低下は主としてミセルの膨潤によることが指摘された。ペレット容および濁度の測定結果からして,4℃におけるミセルの膨潤は30℃のミセルを基準として1.3倍程度と推定された。
  • 原 利男, 久保田 悦郎
    1973 年 20 巻 7 号 p. 311-315
    発行日: 1973/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    荒茶および火入れ茶の香気成分のうち,カルボニル化合物を2, 4-ジニトロフェニルヒドラゾンとして捕集し,flash-exchangeガスクロマトグラフィー薄層クロマトグラフィー,赤外部吸収スペクトルなどの分析手段により検討し,次のような結果を得た。
    (1) エタナール,ブロパナール,2-メチルブロパナール,2-メチルブタナール,3-メチルブタナールおよびアセトンが単離,同定され,ブタナール,ペンタナール,ヘキサナールおよびヘプタナールの存在が推定された。
    (2) 荒茶および火入れ茶ともカルボニル化合物には質的な差はないが,火入れすることによってカルボニル化合物は約倍量くらいに増加し,エタナール,2-メチルプロパナール,2-メチルブタナール,3-メチルブタナールおよびアセトンが増加することを認めた。
    (3) 火入れ前後の還元糖とアミノ酸含量の分析および茶にアミノ酸とキシロースを添加し,火入れしたモデル実験によって,火入れ中に生成するカルボニル化合物は,茶中のアミノ酸のストレッカー分解によって生成したものと推定された。
  • (第4報) ヘッドスペース法による簡易品質鑑定法の検討
    小嶋 操
    1973 年 20 巻 7 号 p. 316-320
    発行日: 1973/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    (1) 西洋わさび粉および黒からし粉の揮発性成分をヘッドスペース法によるガスクロマトグラフィーで検討し,iso-プロピル芥子油,アリル芥子油および3-ブテニル芥子油の3種が両者に共通した明瞭なピークを示した。
    (2) 3-ブテニル芥子油のピーク面積に対するiso-プロピル芥子油のピーク面積の比が,黒からし粉では,西洋わさび粉のほぼ10倍の値を示した。この比を%で表わし,Rg値とした。
    (3) 西洋わさび粉と黒からし粉の混合物のRg値を求め,これと混合割合との関係を調べ,規則性および再現性のある関係曲線を得た。
    (4) “粉わさび”のRg値を求めることにより,上述の関係曲線より“粉わさび”中の西洋わさび粉と黒からし粉の配合割合を推定することができる。
  • (第1報) アラキンのサブユニットへの解離について
    四ツ橋 一公, 柴崎 一雄
    1973 年 20 巻 7 号 p. 321-326
    発行日: 1973/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    アラキンのサブユニットへの解離におよぼす尿素,塩酸グアニジン,2-メルカプトエタノールの影響について起遠心沈降分析とデンプンゲル電気泳動で検討した。アラキンは,低イオン強度では9S(単量体)へ,高イオン強度では14S(二量体)へ変化し,変性剤により1.5Sのサブユニットへ解離するが,前者に比べて後者の方が安定でありサブユニットへ解離しにくいことがわかった。電気泳動において,サブユニットは8M尿素と0.03M 2-メルカプトエタノールを含むゲルで最もよく解離し,試料溝より陽極側で6本の主バンド,2本の小バンドおよび14本の微量バンド,陰極側で3本の微量バンドが検出された。これらサブユニット間の結合にSS結合が関与しているとは認められなかった。
  • (第2報) コンアラキンのサブユニットへの解離について
    四ツ橋 一公, 柴崎 一雄
    1973 年 20 巻 7 号 p. 327-330
    発行日: 1973/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    コンアラキンは物理化学的性質を異にする二つの蛋白質画分,コンアラキンIとコンアラキンII(約1:1)からなる。
    コンアラキンIは,沈降定数2Sで,イオン強度の変化による解離会合をせず,またサブユニット構造を形成していないが,ゲル電気泳動の結果,数種類の蛋白質からなることがわかった。
    コンアラキンIIは,低イオン強度では18S,高イオン強度では8Sへ相互に変化し,変性剤で2Sのサブユニットへ解離するが,ゲル電気泳動におけるサブユニット間の易動度の差異は認められなかった。そのサブユニット構造は18Sよりも8Sである方が安定であった。
  • 減圧貯蔵実験装置の作成と,モモの追熟ならびにリンゴの低温貯蔵への応用
    梶浦 一郎
    1973 年 20 巻 7 号 p. 331-334
    発行日: 1973/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    A simple apparatus was made for the gas supply at the constant low pressure. Comparisons were made among normal storage (N.S.), low pressure storage (L.P.S.) and low O2 storage (L.O.S.) with the same O2 partial pressure as L.P.S..
    The lower O2 partial pressure, the more slowly white peaches ripened at 30°C, and ripening periods were longer in L.P.S. than in L.O.S..
    During 2 months at 4°C, the low O2 partial pressure (0.03atm) delayed the yellowing of the ground color and of vascular bundles in Jonathan apples. More delay was found in L.P.S. (0.14atm) than in L.O.S.(3% O2, 1atm). Compared with L.O.S. and N.S., higher soluble solids were found in L.P.S.. The loss of fresh weight of the fruit in L.P.S. was about 2.5 and 3.5 times those of N.S. and L.O.S., respectively. No differences were found in the degree of softening and the decrease of acidity among N.S., L.O.S. and L.P.S..
  • 1973 年 20 巻 7 号 p. 335-343
    発行日: 1973/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
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