日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
20 巻, 9 号
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  • (第3報) 過酸化水素による落花生の膨満処理条件について
    川端 昭子, 竹内 芳一
    1973 年 20 巻 9 号 p. 395-398
    発行日: 1973/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    種子の過酸化水素処理による膨満現象を工業的剥皮法に利用する目的で,落花生の膨満に最も適当なH2O2液の作用条件を検討した。
    (1) 過酸化水素の濃度はとくに短時間処理の場合に膨満化の速度に影響し,濃度が高いほど,膨満速度は早くなった。0.5%濃度では膨満化の速度は遅く,1%以上では大差がみられず,30%においても阻害作用は認められなかった。
    (2) 過酸化水素液の温度は種子の膨満速度に影響し,20℃以下では膨満は著しく遅く,20℃以上では温度の上昇にしたがって膨満速度も速くなり,30~40℃が最適と考えられた。
    (3) 過酸化水素液の最適作用pHは5.4から8.0の範囲であり,酸性下で遅くなった。
    (4) 過酸化水素液より取出し後も乾燥を防ぐと落花生の膨満は暫時進行することが知られた。
  • (第3報) 油溶性庶糖エステル添加の効果
    丸山 武紀, 木下 葉子, 新谷 勲, 今村 正男
    1973 年 20 巻 9 号 p. 399-404
    発行日: 1973/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    前報に引続き,3種の固形脂に油溶性の庶糖エステル(SE-1, SE-2)を0.5, 1, 3, 5, 10%添加し,25℃に24, 120, 240hrテンパリングを行ない,クリーミング価,吸水量指数の測定を行なったところ,つぎのような結果を得た。
    (1) 添加によるクリーミング性への影響はほとんどみられず,とくに硬化鯨油では無添加対照試料との差がみられなかった。またSE-1とSE-2の差も明確でなかった。
    (2) テンパリングの効果は,硬化大豆油と牛脂に添加した場合有効であったが,硬化鯨油では認められなかった。
    (3) 吸水量指数は非常に高く,硬化鯨油>牛脂>硬化大豆油の順に良好であった。
  • (第5報) 甘藷汁によるCandida utilis, Lentinus edodesの培養
    高桑 正義, 古川 栄子
    1973 年 20 巻 9 号 p. 405-410
    発行日: 1973/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    甘藷澱粉製造における副産物利用の研究の一環として,C. utilisとL. edodesの培養における甘藷汁の効果を検討した。
    (1) C. utilis培養においてS. cerevisiaeと同様に甘藷汁の添加は有効であって,その対消費糖収率は後者よりもやや高かった。
    (2) C. utilisをキシロースを炭素源とした甘藷汁添加培地で培養するときは,グルコースを炭素源とした培地よりもその対消費糖収率がやや低かったが,実際に行なわれている飼料酵母の製造には匹敵する値であった。
    (3) 甘藷汁にグルコースと尿素を添加した培地でL.edodesを培養するとき,その菌体収量は,通常行なわれている馬鈴薯煎汁での収量の約3倍に達し,「しいたけ」種菌培養の培地として適当であることを認めた。
  • 湯木 悦二, 石川 行弘, 山岡 至, 吉和 哲朗
    1973 年 20 巻 9 号 p. 411-414
    発行日: 1973/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    ラードおよび亜麻仁油脂肪酸メチルを用い,AOM重量法およびワールブルグ法によりTMAOの抗酸化性を検討した結果,TMAOは単独では抗酸化性を示さず,BHAまたはM-Tocなどのフェノール性抗酸化剤と共存して強い相乗効果を示すことが認められた。
  • (第14報) Lipoxygenaseの熱失活について(その1)
    柴崎 一雄, 深野 駿一, 大久保 一良
    1973 年 20 巻 9 号 p. 415-420
    発行日: 1973/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    大豆のlipoxygenaseについてその分光光学的活性度の測定法と加熱方法を検討し,この精製酵素の熱失活挙動を調べた。その結果,精製酵素の各温度における熱失活はすべて一次反応に従い,処理温度に対するその失活速度定数kは70℃近辺で折れる直線関係となり,70℃以上で著しく失活しやすいことがわかった。
    大豆水抽出液での本酵素の熱失活挙動は精製酵素の場合に類似していたが,大豆粉末の場合にはこの抽出液に比べて72.5℃で300倍,80℃で6300倍もの耐熱性を示した。
    さらに精製酵素液,大豆水抽出液の場合には,熱失活速度定数kが処理温度1/Tと直線関係にあることから,活性化エネルギーE,活性化エントロピーΔSを求めることができ,70℃近辺を境にその変性機構に差異のあると思われる数倍異なる値が得られた。
  • (第4報) セルリーの硝酸塩含量と貯蔵中の変化
    畑 明美, 南出 隆久, 緒方 邦安
    1973 年 20 巻 9 号 p. 421-425
    発行日: 1973/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    本研究は緑色と黄色の2種類のセルリーを用い,硝酸塩含量の分布を調べるとともに種々な貯蔵条件下における硝酸塩含量の変化をみたものである。
    (1) セルリーの硝酸塩は黄色種と緑色種では総体的に緑色種に含量が高い。
    (2) 部位別含量分布をみると一株内では外に多く中になるほど少ない。上下別にみると生理作用の活発と思われる葉身とそれに近い部分,また根に近い部分に多かった。茎を横に切断してみると維管束のとおっている部分に多く,他は少なかった。
    (3) 貯蔵はポリエチレン有孔袋づめとし,1℃,6℃,20℃においたが,貯蔵日数の経過とともに硝酸塩は減少した。とくに品質劣化がめだったころ急減したが,いずれも亜硝酸塩は認められなかった。CA条件下での貯蔵も同じような傾向を示し,普通空気貯蔵と比較して,とくに硝酸塩がへる傾向はみられなかった。
  • 門岡 克行, 大畑 正芳, 塚本 守, 服部 隆一
    1973 年 20 巻 9 号 p. 426-429
    発行日: 1973/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    茹麺工場の廃水は良好なBOD-CODCr相関を示し,その関係は次式で示される。
    BOD=0.630×CODCr+43
    r=0.99,危険率1%で有意茹麺工場における廃水中にはときに400~600ppmの食塩が含まれるが,CODCr測定にあたり過剰の硫酸銀(通常50mg)を加えて前処理を行えば,塩素イオンの妨害を除去でき,硫酸第二水銀を加える必要はない。また,加熱時間も30分間で反応が完了し,120分間処理のCODCr値と変らない結果を得た。
    本研究では,CODMnとの比較は行っていないが,廃水規制ではCODMn法を採用しているので,今後CODCr値とCODMn値の相関を求めて置く必要もあろう。
  • 久武 陸夫, 中西 正昭
    1973 年 20 巻 9 号 p. 429-431
    発行日: 1973/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    漬物きゅうりの日持ちと品質改善をはかるため低温貯蔵試験を行ない,次の結果を得た。
    通常の袋詰漬物の加熱殺菌条件である80℃,20分の処理により全クロロフィルは殺菌前の約67%になり,冷蔵,冷凍貯蔵区においては,それ以後の貯蔵中の変化より大きかった。
    高温短時間処理がクロロフィルの残存率が大きく,緑色保持の点で有効であった。
    加熱殺菌の有無を問わず,当初の色調を保持したのは冷凍貯蔵区,冷蔵貯蔵区,室温貯蔵区の順であった。しかし冷凍貯蔵区は歯切れを低下させた。
    漬物きゅうりの短期間の貯蔵には凍結しない低温度に冷蔵貯蔵すべきであろう。
  • 呈味成分を中心にして
    鴻巣 章二
    1973 年 20 巻 9 号 p. 432-439
    発行日: 1973/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
  • 1973 年 20 巻 9 号 p. 440-446
    発行日: 1973/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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