(1) 市販プロテアーゼ製剤9種に,殺菌線量(0.75~1Mradで芽胞菌を103~104減少させる)の放射線照射(氷水中,線量率約0.9~0.95Mrad/hr)を行なった。その結果酵素の保持活性は,もとの95%以上のもの7種,約93%のもの,および約80%のもの各1種であった。
この結果,プロテアーゼ製剤の放射線殺菌は十分可能であると考えられた。
(2) 照射時の酵素の水分量が,酵素の放射線感受性に影響することはなかった。
(3) 数種のプロテアーゼで放射線照射により,最高4~60%の活性増加が見られた。その時の線量はいずれも250Krad付近にあった。
(4) 照射酵素の熱安定性は未照射のものと差はなかった。
(5) 照射酵素で5℃に2ヵ月間貯蔵中に酵素活性のやや回復するものがみられた。
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