日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
21 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 中川 致之, 天野 いね
    1974 年 21 巻 2 号 p. 57-63
    発行日: 1974/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 市販煎茶もしくは国産煎茶の品質の尺度として全窒素分析値を使用することが可能であり,全窒素値により少なくとも上,下の2階級程度には区分することができる。ただし,外国産煎茶では全窒素は形状の尺度としてのみ使用できる。
    (2) タンニンと品質の相関は試料グループにより異なるが,全体を通じて一定した傾向は認められない。
    (3) 国産煎茶では全窒素とタンニンの比率と品質の相関は,全窒素の場合と大差がないが,外国産煎茶では形状以外の項目で相関係数が高くなる。
  • (第6報) 過酸化水素処理による落花生の脂質成分の変化
    川端 昭子, 高正 晴子, 竹内 芳一
    1974 年 21 巻 2 号 p. 64-70
    発行日: 1974/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    皮付落花生を15分間過酸化水素液および水に浸漬処理,および剥皮落花生を切片としたのち60分間過酸化水素水および水に浸漬処理し,その各々の場合の種子脂質について過酸化水素処理による変化を追求した。
    (1) 過酸化水素および水処理落花生の粗脂質の性状を比較した。酸価は処理により大きく値を増加したが,処理時間が同一の場合には,水処理と過酸化水素処理間の差はみられなかった。過酸化物価には顕著な変化なく,ヨウ素価は過酸化水素処理によりわずかに低下した。
    (2) 切片過酸化水素処理の脂質中に,酸化生成物と推定されるスポットを薄層クロマトグラフィにより見出した。
    (3) 切片過酸化水素処理により,落花生の脂肪酸組成はつぎのように変化した。
    i) C18:1, C18:2酸が減少し,ガスクロマトグラフィの相対保持時間の大きい物質が増加した。
    ii) 脂肪酸組成の変化は,遊離脂肪酸分画,未確認物質分画,ジグリセリド分画にみられ,トリグリセリド分画にはみられなかった。
    (4) 過酸化水素処理脂質中に酸化生成物と推定される数種の物質をガスクロマトグラフィにて検出した。そのいくつかは,アセチル化により相対保持時間を短縮した。
  • (第2報)放線菌酵素の精製と性質
    津村 信蔵, 牧野 重英
    1974 年 21 巻 2 号 p. 71-75
    発行日: 1974/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    Streptomyces griseusに属する一菌株の培養濾液よりレバン分解酵素を分離・精製した。精製酵素はポリアクリルアミドゲル電気泳動および超遠心分離法により純度を確認した。本酵素は反応温度50℃まで活性は増加し60℃では急激に低下した。50℃,10分間は安定であり,55℃,10分間で著しく失活した。安定pHは6~8であり,至適pHは6.5付近であった。本酵素はB. subtilis生産のレバンには作用するが,シュークロース,ラフィノース,イヌリン,デキストランには作用しなかった。金属イオンなどの影響は銅イオン,PCMBで強く阻害され,ニッケル,マンガン,亜鉛の各イオンにも阻害が認められた。マグネシウムイオンはやや賦活化の傾向が認められた。Km値は0.0073(g/ml)と測定し,分子量は約45,000と推定され,沈降係数S20.wは4.75Sであった。
  • 三木 登
    1974 年 21 巻 2 号 p. 76-80
    発行日: 1974/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    製造工程中におけるトマトジェースの色および香りの変化を明らかにするための予備試験として加熱条件の差による化学成分の変化について調べた。生のもの,搾汁したトマトジェースを90℃で10分間だけ保持したもの,90℃で10分間保持したのち110℃および121℃でそれぞれ84秒間および42秒間殺菌したもの,90℃で40分間および90分間保持したのち,121℃で42秒間殺菌したものの7種の試料につき分析,比較した。その結果,加熱条件が高まるにつれて,
    (1) リコピン,アスコルビン酸の減少,漿液の褐変の増加が認められた。リコピンは高温殺菌によりとくに影響を受けた。アスコルビン酸の減少および漿液の褐変は90℃の保持においてもかなり影響を受けた。
    (2) アミノ酸は全体に減少の傾向にあった。スレオニンの減少はとくに著しかった。グルタミン酸も減少したが,総アミノ酸中の含有率はわずかに増加した。ペプチド量には変化はみられなかったが,A.P.L.は減少した。
    (3) PCAは明らかに増加し,リンゴ酸はわずかに減少した。糖組成には大差は認められなかった。
    (4) 総ウロン酸は減少の傾向にあった。ガラクチェロン酸は明らかに減少した。
    (5) 化学成分の変化と色および香りとの関係について考察を行った。
  • 児玉 雅信, 別所 康守, 高橋 慧
    1974 年 21 巻 2 号 p. 81-85
    発行日: 1974/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    味液仕込しょう油に偶発した難溶性結晶物質について検討した結果,これがマグロ缶詰などに偶発するストラバイト(リン酸マグネシウム・アンモニウム・6水塩),であることを確認した。ストラバイトがしょう油中に生成した原因は味液中にリン,マグネシウムが多量に含まれていることもさることながら,pHの調整ミスによると思われるpH値の高すぎであると思われた。
  • 藤本 健四郎, 関 万徳, 金田 尚志
    1974 年 21 巻 2 号 p. 86-89
    発行日: 1974/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    乾燥トウガラシの赤色が退色しにくい点に着目し,抗酸化性物質の検索を試みた。その結果,有効成分としてα-トコフェロールと辛味成分であるカプサイシン類が検出された。
  • 南場 毅, 横尾 良夫
    1974 年 21 巻 2 号 p. 90-92
    発行日: 1974/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) しょう油をAmberlite IRC-50 (pH 4.5)に吸着させ希塩酸で溶出させて得た有機塩基区分は全窒素中18%を占め,その大部分は塩基性アミノ酸であった。
    (2) 有機塩基区分中塩基性アミノ酸以外の塩基を薄層クロマトグラフィーにより検索し,β-フェネチラミン,チラミン,ヒスタミン,カダベリン,プトレシンを検出した。
    (3) 有機塩基区分のしょう油の香りへの影響を調べるため,通気して揮発性成分を得たが匂いはほとんど感じられなかった。Amb. IRC-50で分離した有機塩基区分を〓味すると苦味,しぶ味を呈したのでしょう油の苦味成分として有機塩基もその一つと考えられた。
  • 石井 猛
    1974 年 21 巻 2 号 p. 93-101
    発行日: 1974/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
  • 1974 年 21 巻 2 号 p. 102-107
    発行日: 1974/02/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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