日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
21 巻, 6 号
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  • (第2報) 初期蛋白質の分画とその物理化学的諸性質
    浅野 三夫, 宮本 義広, 大久保 一良, 柴崎 一雄
    1974 年 21 巻 6 号 p. 261-266
    発行日: 1974/06/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    DEAE Sephadex A-50およびSephadex G-150を用いて初期蛋白質を分画精製し,電気泳動,超遠心,N末端,アミノ酸組成および等電点分析を行ない,併せて糖含量を測定した結果
    (1) 得られた初期蛋白質はデンプンゲル電気泳動および超遠心的に単一で,沈降定数1.2S (S20w),分子量23,000の成分であった。
    (2) N末端アミノ酸分析の結果,少なくとも10種類のN末端が存在し,その量比は差が少なかった。
    (3) アミノ酸および等電点分析の結果は初期蛋白質も7S蛋白質もほとんど差がなかった。
    (4) 7S蛋白質と同様に初期蛋白質もマンノースとして4.8%の糖を有する蛋白質であった。
  • (第3報) ノシメコクガのγ線に対する感受性
    高野 博幸, 梅田 圭司
    1974 年 21 巻 6 号 p. 267-272
    発行日: 1974/06/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    コバルト60・γ線照射によるノシメコクガの羽化阻止線量と不妊化線量を求め,同時に卵についてふ化阻止線量を,卵,幼虫について蛹化阻止線量を求めた。
    (1) 0日令卵および2日令卵のふ化阻止線量は,それぞれLD99が約2.8Kradおよび35Krad, LD50が1.5Kradおよび22Kradであった。つまり0日令卵の方が,2日令卵よりγ線感受性がきわめて高かった。
    (2) 0日令卵,2日令卵および幼虫の蛹化阻止線量は,おのおの1Krad, 10Kradおよび15Kradであった。また羽化阻止線量は,それぞれLD99が1.4Krad,5.6Kradおよび9.2Kradで,LD50は0.6Krad, 3.3Kradおよび5.3Kradであった。
    (3) 蛹のγ線感受性は,LD99が35.5Krad, LD50が16Kradであった。すなわち発育令類が進むに伴ってγ線感受性は低くなる傾向,つまり卵<幼虫<蛹の順に抵抗性が強くなった。
    (4) 卵,幼虫および蛹の不妊化線量は,おのおの,4.5Krad, 5Kradおよび20Kradであった。
    以上の結果,ノシメコクガの殺虫を目的にγ線照射を行なう場合,40Krad照射が必要で,不妊化を目的とする場合は20Krad照射で十分である。
  • (第4報)“札幌黄”の最適照射期間の延長
    高野 博幸, 青木 章平, 梅田 圭司, 佐藤 友太郎
    1974 年 21 巻 6 号 p. 273-279
    発行日: 1974/06/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    “札幌黄”の最適照射期間の延長と,照射タマネギの貯蔵中の内芽の褐変防止について検討した。
    (1) 収穫したタマネギは約2週間の乾燥後照射処理を行なうのが普通である。しかし,この乾燥前または乾燥途中に照射しても,その後設定の乾燥を行なったのち貯蔵するなら,発芽抑制効果および貯蔵後の品質は常法で処理したものと差はない。
    (2) 収穫後常温貯蔵しておき,2カ月以上経過したものは放射線による発芽抑制効果は低下し,3カ月以上経過するとまったく効果は認められなくなる。これは内芽の伸長度と関達しており,内芽の伸長が2~3cmまでなら発芽抑制効果はあるが,それ以上になると効果は低下し,5~6cm以上になると照射によって発芽を抑えることが不可能になる。
    (3) 内芽の伸長は収穫後の低温貯蔵(3~5℃)によって抑制することができ,このような条件下では,収穫後3カ月までは3~7kradの照射で十分その後の発芽を抑制することができる。つまり照射前の低温貯蔵で,放射線処理の操業期間を少なくても3カ月以上に延長させることができる。
    (4) 照射タマネギの唯一の欠点は,実用的には問題ないとはいえ貯蔵中に内芽が枯死し褐変することである,内芽の褐変化を防止するには3~5℃の低温貯蔵をすることで,少なくとも8カ月は変色しない,またこのものを出庫しても常温で1カ月ぐらいの流通期間ならば,内芽には何ら変化はなく,商品価値を維持できる。
  • (第16報) メラノィジンとトコフェロールのマーガリンに対する抗酸化力の比較および相乗性
    山口 直彦, 藤巻 正生
    1974 年 21 巻 6 号 p. 280-284
    発行日: 1974/06/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) マーガリンにメラノイジンとトコフェロールとを添加した場合には,単位重量あたりでの比較ではトコフェロールの方が抗酸化力は大であった。
    (2) メラノイジンとトコフェロールとは著しい相乗性を示した。さらにメラノイジン,トコフェロールおよびクエン酸の3者併用区の抗酸化力は前2者併用区よりも抗酸化力は強かった。
    (3) メラノイジンを0.005%以上添加したマーガリンは肉眼的に着色化の傾向が認められた。着色を嫌う食品においてはトコフェロールを0.005~0.01%とし,メラノイジン量を0.0025%とすることによって著しく油脂の酸化安定性は向上する。
    (4) 着色してもかまわない食品においては,メラノィジンおよびトコフェロール添加マーガリンを用いて加工食品を製造するよりも,メラノイジンのプレカーサーであるキシローズあるいはブドウ糖を使用し,さらにトコフェロール添加油脂を用いて相乗性を期待する方が得策である。
  • 森 一雄, 澤田 玄道, 鍋谷 修, 丸尾 重昭
    1974 年 21 巻 6 号 p. 285-287
    発行日: 1974/06/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    羊腸詰め畜肉ウインナーソーセージのネト防止に有効な天然物質の検索を行なった結果orange oil, lemon oilはともに効果を示さず,ソルビン酸との併用効果も認められなかった。香辛料成分については,13種の香辛料の精油とメチレンクロライド抽出エキスとを調製し添加試験を行なったが,このうちcelery, cinnamon, cuminの精油にネト防止効果が認められたが,ソルビン酸との併用効果はあまり認められなかった。一方抽出エキスではdillがネト防止効果を示したにすぎなかったが,ソルビン酸との併用効果はほとんどの香辛料が示した。またリゾチームの併用効果は,香辛料精油のときにソルビン酸と併用したときわずかに認められたにすぎなかった。
  • 蔭山 勝弘, 安居 茂夫, 高橋 誠二
    1974 年 21 巻 6 号 p. 288-290
    発行日: 1974/06/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    乳酸菌飲料の乳酸をガスクロマトグラフィーによって,迅速かつ簡便に定量する方法を検討した。
    乳酸の分離には,乳酸を揮発性の誘導体にかえずに測定することのできる10% PEG-6000 on TPA (1.5mガラスカラム)を用い,カラム温度120→190℃, 6℃/minの昇温分析法をとった。乳酸ピークの同定はGC-MS法によって行なった。
    この定量法にくおいては乳酸を抽出したり,エステル化,またはトリメチルシリル化せずに,乳酸菌飲料に硫酸を加えて,その濃度を0.1%とした溶液を直接,ガスクロマトグラフに注入して分析し,乳酸を定量することができる。乳酸の定量性とカラムの耐久性についての実験結果も良好であり,この定量法は乳酸菌飲料の乳酸の測定に簡便なばか参でなく,VFAを対象にするときには,これらも同時に測定することができる方法としてすぐれている。
  • 青木 章平, 渡辺 宏, 佐藤 友太郎
    1974 年 21 巻 6 号 p. 290-292
    発行日: 1974/06/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    “マツタケ”の開傘抑制のためγ線を照射した場合,50krad程度の比較的低線量でかなりの効果が認められた。また食品価値を左右する外観,香り,味は,200kradまでの線量範囲において,照射直後では差は認められなかった。したがってマツタケのγ線処理は開傘抑制のための有効な手段であると考えられる。
  • 好井 久雄
    1974 年 21 巻 6 号 p. 293-302
    発行日: 1974/06/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
  • 1974 年 21 巻 6 号 p. 303-306
    発行日: 1974/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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