日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
22 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 中川 致之
    1975 年 22 巻 2 号 p. 59-64
    発行日: 1975/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 緑茶浸出液をセファデックスG-75による液体クロマトグラフィで分画することにより総量90%以上の回収率で5つのフラクションに分けることができる。この場合,カフェイン,アミノ酸類,糖は2つのフラクションにまたがっているが,全体として成分グループ別に分けることができる。
    苦味,渋味はタンニンの存在するフラクションにあり,しかも,その70~75%はカテキンの存在するフラクションにあること,さらに,フラクション液もしくは緑茶浸出液を除タンニン処理した場合,除タンニン率と苦味,渋味の減少率がよく一致することなどから緑茶の苦味,渋味は主としてタンニンとくにカテキンによるものであることが確認された。
    (3) 緑茶のうま味,甘茶の70%程度はアミノ酸類,糖などの存在するフラクションにあること,アミノ酸類を除去した場合,うま味が1/3程度に減少することからうま味はアミノ酸によるものが大きく,一方,甘味は多くて半分程度までしか減少しないことから,糖によるのが大きいと推定された。
  • 村田 敏
    1975 年 22 巻 2 号 p. 65-70
    発行日: 1975/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    農産物洗滌後の表面乾燥はきわめて短期の表面昇温を必要とする。この表面昇温法には温風及び赤外線輻射による方法が考えられるが,これらの昇温効果に関する理論式を導き基本的な関数表を作製した。なお温州みかん(Satsuma Orange, Citrus unshiu Marc.)に関して250Wフロスト型赤外線電球に対する吸熱量の実験式を導き,また表面温度の昇温冷却曲線を測定し,理論値とよく一致することを確かめた。
  • 渡辺 宏, 久米 民和, 伊藤 均, 青木 章平, 佐藤 友太郎
    1975 年 22 巻 2 号 p. 71-77
    発行日: 1975/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    電子線照射によるVSのネト抑制効果を,おもに特注品VSを使用して検討した。
    (1)電子線のエネルギーが高くなるほど,また,線量が大きくなるほどネト抑制効果は大きく,0.5MeVで0.8Mrad以上,1.0MeVで0.5Mrad以上,2.0MeVで0.3Mrad以上照射することにより,11℃貯蔵で1週間はネトの発生を抑制することができた。
    (2) 電子線とγ線とを比較すると,電子線で2.0MeV, 0.5Mrad照射した場合と,γ線で0.5Mrad照射した場合とで,11℃, 2週間貯蔵後のネト抑制効果はほぼ同じであった。
    (3) 1.0MeVで1.0Mrad以下照射した場合,または2.0MeVで0.5Mrad照射した場合には,VSの官能的品質に変化はみられなかった。しかし,2.0MeVで1.0Mrad照射すると,香りと味の低下が認められた。
    (4) 2.0MeVまでのエネルギーと1.0Mradまでの線量範囲では,照射VSのテクスチャーに変化はみられなかった。
  • (第2報)レバース法処理糖液のpH低下について
    藤井 聰, 川崎 耕治, 河本 正彦
    1975 年 22 巻 2 号 p. 78-82
    発行日: 1975/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    レバース法処理糖液のpH低下について種々の検討を加え,次の結果を得た。
    (1) 還元糖を含む溶液(ブドウ糖液,精糖工場ファインリカー,洗糖液)についてレバース法(IRA-900(OH)-IRC-75(H))を行うと,その処理液のpHは低下するFig. 1a, b)が,還元糖を含まないショ糖液の場合はpH低下が起らない。
    (2) このpH低下は還元糖がIRA-900(OH)により分解されて生成する有機酸(乳酸,グリコール酸など)の一部が漏出してくるために起るものと考えられる(Fig. 2, 3)。
    (3) この系における有機酸の漏出量は還元糖液に無機塩や大量のショ糖が共存すると増大する(Table 1)。
    (4) このpH低下はレバース法処理液をさらにIRA-93(OH), IRA-900(CO3)などのアニオン交換樹脂を通すことにより防止できた(Fig. 1a, b)。
  • 藤巻 正生, 加藤 博通, 荒井 綜一, 阿部 誠
    1975 年 22 巻 2 号 p. 83-87
    発行日: 1975/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 収穫米を加熱乾燥して得られる人工乾燥米では,従来の天日乾燥による自然乾燥米に比して遊離アミノ酸が多いことが認められ,遊離アミノ酸全量は約3倍で,特に疎水性アミノ酸の増加比率が大きいのが特徴であった。
    (2) 自然乾燥米を自己消化処理すると遊離アミノ酸の増加が認められ,そのさいの増加パターンは人工乾燥米の自然乾燥米に対する増加パターンと近似しており,統計的に相関性が認められた。
    (3) 自然乾燥米をあらかじめ熱処理後,自己消化しても遊離アミノ酸の増加は認められなかった。
    (4) 自然乾燥米の自己消化処理により増加するアミノ酸のパターンはグルテリンのアミノ酸パターンと相関性を有していた。
    (5) 以上のことから,人工乾燥米におけるアミノ酸の増加は生米を高水分含量の状態で加熱するために酵素反応的に生じたものであり,そのさい自然乾燥米の自己消化に関与したプロテアーゼを中心とする酵素系が関与するものと考えられる。
  • 小宮山 美弘, 小林 真臣, 風間 敬一
    1975 年 22 巻 2 号 p. 88-91
    発行日: 1975/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    袋詰たくあんの品質保持を目的として真空包装と紫外線照射の併用による貯蔵実験を行ない,つぎのような結果を得た。
    (1) 品質の低下は普通包装区で10日目,真空包装区では35日目で認められた。
    (2) 紫外線照射区の品質保存期間は,官能検査において非照射区より若干延長されたが,化学成分変化には大差なく,総体的には照射効果は少なかった。
    (3) 貯蔵期間中,品質低下に伴い保存料であるソルビン酸が減少し,品質低下の大きいものほど残存量が少なかった。
  • 山田 正人, 金田 尚志
    1975 年 22 巻 2 号 p. 91-93
    発行日: 1975/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    Fried soybean curd (Abura-age) is one of the favorite foods among Japanese. In a Previous paper, the authors observed the presence of a toxic dimer of triglyceride in oils which were used for frying of some foods, especially in rapeseed oil used for Abura-age.
    In order to judge the quality of frying oil used for Abura-age, some more samples were analyzed. The used soybean oils were collected from Aburaage manufactures. Analytical data indicated that most of oils were deteriorated and two of them contained fairly high amounts of toxic dimer of triglyceride (2.4 and 1.1%, respectively).
  • 小曽戸 和夫
    1975 年 22 巻 2 号 p. 94-103
    発行日: 1975/02/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1975 年 22 巻 2 号 p. 104-109
    発行日: 1975/02/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
feedback
Top