電子線照射によるVSのネト抑制効果を,おもに特注品VSを使用して検討した。
(1)電子線のエネルギーが高くなるほど,また,線量が大きくなるほどネト抑制効果は大きく,0.5MeVで0.8Mrad以上,1.0MeVで0.5Mrad以上,2.0MeVで0.3Mrad以上照射することにより,11℃貯蔵で1週間はネトの発生を抑制することができた。
(2) 電子線とγ線とを比較すると,電子線で2.0MeV, 0.5Mrad照射した場合と,γ線で0.5Mrad照射した場合とで,11℃, 2週間貯蔵後のネト抑制効果はほぼ同じであった。
(3) 1.0MeVで1.0Mrad以下照射した場合,または2.0MeVで0.5Mrad照射した場合には,VSの官能的品質に変化はみられなかった。しかし,2.0MeVで1.0Mrad照射すると,香りと味の低下が認められた。
(4) 2.0MeVまでのエネルギーと1.0Mradまでの線量範囲では,照射VSのテクスチャーに変化はみられなかった。
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