日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
23 巻, 12 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • (第3報)可溶化系におけるアミノ酸およびペプチドの挙動
    小野 文夫, 青山 康雄
    1976 年 23 巻 12 号 p. 577-582
    発行日: 1976/12/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    粉末醤油,綿実油および水を系としてなる油脂可溶化現象に関し,醤油の窒素成分中の可溶化活性物質の検索を試み,それらの挙動について検討した。
    標準構成系にアミノ酸およびペプチド製剤を添加し,これらの生成物の性状に及ぼす影響を検討した結果,Ileu, Met, Leu, Val等のアルキル基を疎水基として有するアミノ酸が,可溶化物の硬さ,付着性を増強し,またGly-Glu, Glu-Asp等のペプチドも同様に活性を有することが認められた。
    これらのアミノ酸はいずれも1%以上の濃度域で水の表面張力を低下させ,この濃度は可溶化活性を発現するアミノ酸濃度ならびに標準構成の水相の含有するアミノ酸濃度レベルとも一致した。
    界面活性剤の添加は可溶化物の性状に殆んど影響を及ぼさなかった。
    以上の結果から,醤油成分による油脂可溶化現象は醤油中の数種の可溶化活性を有するアミノ酸およびペプチドが,醤油中非窒素成分の関与のもとでミセルを形成し,これが難溶性物質としての綿実油を可溶化する現象と考えられた。
  • (第6報)内面塗装缶を用いたホワイトアスパラガス缶詰上部空隙中の揮発性硫黄化含物
    元広 輝重, 山下 二郎, 服部 孝雄
    1976 年 23 巻 12 号 p. 583-587
    発行日: 1976/12/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    内面無塗装缶および内面塗装缶を用い,ホワイトアスパラガス(グリーンチップ)缶詰を常法にしたがい製造し,製造直後より3ケ月の間隔で, 12ケ月にわたり上部空隙中の揮発性硫黄化合物の組成および含量をGCにより検索した。得られた結果は,つぎのように要約される。
    (1) 上部空隙中の揮発性硫化物組成は,缶種に関係なく,硫化水素,二硫化炭素, MeM, DMS, DMDSであった。 DESおよびASは検出されなかった。
    (2) 硫化水素量は,無塗装缶使用のものが内面塗装缶使用のものより少なかった。二硫化炭素量およびMeM量の放置期間内における変化は,各缶種とも放置期間を通じ,硫化水素量の変化と同様であった。MeM量は,各缶種とも硫化水素量と同程度であった。DMS量は,各缶種とも他の組成の量より多く,放置期間を通じての変化は少なかった。
    (3) 開缶後20分以内に硫化水素量が増加し,二硫化炭素量またはMeM量が減少した。
  • (第8報)粒状固定化インベルターゼについて
    川嶋 浩二, 鈴木 忠直, 梅田 圭司
    1976 年 23 巻 12 号 p. 588-593
    発行日: 1976/12/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    酵素インベルターゼを用いて粒状固定化酵素を作成し,その基礎的諸性質を検討すると共に,酵素カラムによる使用試験を試みた。その結果
    (1) アクリルアミドを含まない重合素材組成で保持活性の高い(60~90%)固定化インベルターゼを作ることができた。
    (2) 至適反応温度は65℃とnativeのものより5℃高かった。
    (3) 熱安定性が向上し, 70℃, 2分の加熱後も70%の活性を保持した。一方, native酵素では40%に低下した。
    (4) アニリン,尿素,水銀などの阻害剤に対して,より安定化したが, SDS,グアニジン,銅などには逆に不安定化した。
    (5) Km値はnativeインベルターゼで1.75×10-2moleなのに対し,固定化したものは2.45×10-2 moleであった。
    (6) 活性化エネルギーは固定化することにより, 0.9Kcal/moleだけ上昇した。
    (7) 固定化酵素カラムとして使用するとき,基質濃度および酵素濃度共,高くすることが分解効率上有利であった。
    (8) 固定化酵素カラムにSVIで30%蔗糖液を流し,長期間連続使用すると, 28日又は54日間基質を完全に分解することができた。
    (9) 粒状固定化酵素の諸性質およびその使用試験の結果は,膜状固定化酵素での結果とほぼ同様で,固定化形態を変えたことによる大きな差はなかったが, 2,3の阻害剤に対する挙動に関して差異がみられた。
  • 秋元 浩一, 村田 敏
    1976 年 23 巻 12 号 p. 594-596
    発行日: 1976/12/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    温州ミカン(Satsuma Orange, Citsus unshiu Marc.)の濃縮ジュースとその希釈液の熱伝導率を非定常比較法によって測定した。その結果,ジュースの熱伝導率は温度の高くなる程大きく,また濃度の高くなる程小さくなり,かつ全体的に水の熱伝導率と同程度であることがわかった。
  • 今井 誠一, 松本 伊左尾
    1976 年 23 巻 12 号 p. 596-600
    発行日: 1976/12/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    みそ用酵素剤(Asp. oryzae系起源)の酵素組成を調べるとともに,赤辛系の酵素みそを試醸した結果,つぎの知見を得た。
    (1) 酵素剤のペプチダーゼ活性は,ロイシンアミノペプチダーゼIを除いて,米麹に比べ弱いことを明らかにした。また,酵素剤間においてもペプチダーゼ活性の差異が認められた。
    (2) 試醸の結果,酵素みその蛋白分解率は,用いる酵素剤のペプチダーゼ活性によって支配されることを知った。
  • 高橋 勇
    1976 年 23 巻 12 号 p. 601-611
    発行日: 1976/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1976 年 23 巻 12 号 p. 612-618
    発行日: 1976/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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