日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
23 巻, 10 号
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  • 木内 幹, 太田 輝夫, 海老根 英雄
    1976 年 23 巻 10 号 p. 455-460
    発行日: 1976/10/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    味噌の脂質含量と脂質成分の脂肪酸組成の分析を行った。脂質含量は米味噌で3.8ないし6.9%,豆味噌で7.6ないし8.5%(味噌重量当りの重さ)であった。豆味噌の試料は遊離脂肪酸の含量が最も高く36ないし58%であった。2~3点の味噌にトリグリセリド分解の中間体である1,3-ジグリセリドまたはモノグリセリドを蓄積するものが見られた。大部分の味噌では脂肪酸組成は大豆のそれに類似していたが, 2~3点の豆味噌で遊離脂肪酸画分中のリノール酸含量が35%よりも低い値のものが見られたが,これは醤油油や溜醤油油の結果とは異なったものであった。豆味噌の温醸を行った。豆味噌製造中において,仕込後2ケ月以内には脂質の分解は進まなかったが, 2ケ月以降に遊離脂肪酸は増加し,かっリノール酸含量の減少が生じることが見出された。
  • (第1報)小形試料を用いる冷凍ニンジンのテクスチャー測定法
    堀内 久弥, 西成 勝好, 新倉 正子, 袴田 恵子
    1976 年 23 巻 10 号 p. 461-467
    発行日: 1976/10/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    野菜の冷凍処理によるテクスチャーの変化を的確に測定するために,急速冷凍に相応した小型供試片に適した定速度圧縮破砕法を設定した。その測定条件を検討した結果は次のとおりである。
    (1) ニンジンの生鮮時からブランチング,凍結解凍後までの広範囲のテクスチャーに対して,同一方法で,迅速に,精度よく,簡便に測定しうることが確められた。
    (2) 供試片の大きさは単位断面積,単位高さ当りの破砕応力などに換算すれば影響がないことが認められた。
    (3) 同一ニンジン個体内の根の伸長方向の部位では力学的性質の変異は小さい。形成層の内外層別では肉質部は芯部より生鮮時にはかたく,ブランチング後もほぼ同じ傾向であった。凍結解凍後には肉質部の軟化が著しく,かたさは逆の傾向を示した。
    (4) 加熱処理,冷凍処理によりニンジンは著しく軟化し,破砕曲線は下方に凸に湾曲した。破砕応力はブランチングにより10~15%,調理によりさらにその半分に減少した。冷凍によりさらに軟化し,生鮮凍結区では対照の13~20%,ブランチング凍結区では同じく20~40%,調理凍結区では28~38%に減少した。
  • (第2報)貫入による冷凍ニンジンのテクスチャー測定
    堀内 久弥, 西成 勝好, 新倉 正子, 袴田 恵子
    1976 年 23 巻 10 号 p. 468-473
    発行日: 1976/10/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    比較的大型の冷凍ニンジン供試片に適したテクスチャー測定法として,インストロン型引張圧縮試験機を用いる定速度貫入測定法を検討した。
    (1) 測定条件として,厚さ10mmの輪切り試料の断面を垂直に保持し,直径4mm,先端半球状の丸棒を10mm/minで,試料の中心まで貫入する方法を設定した。
    (2) プランジャーの直径が太い場合には貫入曲線の変化が鈍い。また貫入速度が早いときには貫入抵抗はやや大きいが,設定ひずみが不正確になる。
    (3) 貫入曲線は横断面上の各組織の位置とよく一致し,ニンジン全体のテクスチャーが測定できる。
    (4) 加熱処理によってニンジンは著しく軟化し,表面の貫入ひずみが大きく,貫入力は形成層のピークより低下した。凍結解凍後には表面の貫入ひずみはさらに増大し,圧縮破砕の場合と同様に貫入曲線は湾曲した。各処理によるかたさの減少率は圧縮破砕の場合より小さいが,その傾向はほぼ同様であった。
  • (第4報)ポリエチレンフィルムの異臭について
    石谷 孝佑, 山崎 裕三, 平田 孝, 木村 進
    1976 年 23 巻 10 号 p. 474-479
    発行日: 1976/10/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    ポリエチレン臭の食品への移行の問題を追求する目的で, GC-MSによる異臭成分の同定および異臭の生成要因の1つである顔料添加によるポリエチレンの分解促進について検討をおこなった。
    ポリエチレンの異臭成分は,大別すると,脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素で, n-Nonane, n-Decane, n-Undecane, Xylene, Mesitylene,等24成分を分離同定した。異臭の再構成試験により,これら炭化水素がポリエチレン臭の主要因であることを認めた。
    異臭の生成要因として,ポリマーの熱分解が重要と考えられ,熱分解に対する顔料の促進効果が認められた。
  • (第1報)リコピン,β-カロチンの光分解について
    石谷 孝佑, 梅田 圭司, 木村 進
    1976 年 23 巻 10 号 p. 480-485
    発行日: 1976/10/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    リコピンとβ-カロチンを用い,光分解に関与する光の波長について検討した。
    (1) n-ヘキサン溶液では, 225~350nmの紫外線で著しく色素の分解が促進され, 500nm以上の可視光線ではほとんど分解が見られなかった。リコピンは, β-カロチンに比べ数倍不安定であった。
    (2) リコピンの微結晶は,紫外線で著しく退色したのと同時に, 500nmまでの可視光線でも比較的分解が促進された。濾紙に吸着した状態のリコピンは,水に懸濁した状態と比較し,非常に不安定であった。
  • 杉沢 博, 岩井 好夫
    1976 年 23 巻 10 号 p. 486-489
    発行日: 1976/10/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    糖粉末中にモデル成分d-リモネン,リナロールをロッキソグした試料を種々の条件下に貯蔵した場合のモデル成分の安定性について考察した。
    (1) 貯蔵性は室温および37℃において10週間後のモデル成分の保持率は約95%であり,極めて安定である。
    (2) 熱安定性は試料中のモデル成分の保持率は80~85℃, 18時間加熱では全く変化なくその性状にも異常は認められない。 10O℃以上において約20%保持率が減少した。
    (3) 光酸化はd-リモネンは7日間の光照射によって光酸化生成物を生ずるが,糖粉末中にロッキングされたd-リモネン,リナロールは光酸化に対して安定でよく保持されていた。
  • 米山 智, 荒木 恵美子, 山下 太郎
    1976 年 23 巻 10 号 p. 490-492
    発行日: 1976/10/15
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    (1) 生RJ中の10-HDAをTMS化法により誘導体とし,ガスクロマトグラフィーで定量する方法を検討した。
    (2) この定量法により, 13種類の台湾産, RJを測定した結果,今後基準値を定めることの可能性を見出した。
  • 斎尾 恭子
    1976 年 23 巻 10 号 p. 493-500
    発行日: 1976/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1976 年 23 巻 10 号 p. 501-506
    発行日: 1976/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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