日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
24 巻, 11 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 村瀬 誠, 後藤 富士雄
    1977 年 24 巻 11 号 p. 547-552
    発行日: 1977/11/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    市販皮蛋および著者らが試作した速製鶏皮蛋,速製ウズラ皮蛋のLAL含量を分析するとともに鶏卵卵白を用いたモデル実験でLAL生成の諸条件を検討し,次の結果を得た。
    1. 市販皮蛋,速製皮蛋いずれにもLALが認められ,速製ウズラ皮蛋を除いては,全体として,卵白よりも卵黄に多く含まれていた。
    2. 鶏卵卵白からLALは生成されやすく, 0.2NNaOH中で40℃加熱の場合, 5分間で生成が認められ,加熱時間が長くなるに従い生成量は増加した。沸騰水加熱の時は3分間で生成されるLAL量は40℃, 160分間加熱で生成される量とほぼ等しかった。3. オルニチンが生成されない間は, LAL生成量とリジン残存量の和は一定値を示した。
    4. シスチン含量はアルカリ処理により急激に減少した。
    5. Na2CO3は,その緩衝能とは別に何らかのLAL生成促進作用を示した。
  • 松岡 博厚, 福家 洋子
    1977 年 24 巻 11 号 p. 553-558
    発行日: 1977/11/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    乳酸発酵のみによって大豆乳を凝固せしめ, Penicillium caseicolumを用いチーズよう食品の製造を試み,次の結果を得た。
    (1) 熟成初期に酸度の上昇がみられ,熟成2週間において,熟成がかなり進行しているにもかかわらずpHは6.5付近であった。
    (2) 熟成中のTI活性はぼとんど変化なく,カード中に残存するTI活性の大部分がホエーに由来することが認められた。
    (3) 熟成率は3週間目で80%以上を示し,低分子窒素成分も全窒素に対し約30%にも達した。
    (4) アミノ酸の遊離量は, TL試料において1150mg/100g(遊離率8.5%)で,遊離量の多いアミノ酸はグルタミン酸,アスパラギン酸,リジンなどであった。
    (5) 熟成2週間目に,かびを除去し,パラフィンコーティング後低温熟成する方法は,保存性を高めるのに効果的であった。
  • 小宮山 美弘, 乙黒 親男, 小沢 俊治
    1977 年 24 巻 11 号 p. 559-564
    発行日: 1977/11/15
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    (1) 山梨県産スモモ6品種(Prunus salicina)のジュースとピューレの一般的性質と特性を明らかにするため,これらの一般成分ならびにピューレーのペクチン,ジュースの糖,有機酸および金属を定量した。
    (2) ジュース(ピューレー)の一般成分は次のとおりであった。滴定酸度, 1.11~1.88%(1.11~1.91%),全糖, 2.61~4.71%(2.70~6.19%),還元糖, 2.46~4.59%(2.61~6.03),灰分, 0.163~0.281%(0.188~0.281%),エーテル抽出物, 0.347~0.765(0.317~0.726%),全窒素, 0.045~0.106%(0.055~0.147%),アミノ態窒素, 0.012~0.027% (0.011~0.027%)であった。
    (3) ピューレー中のペクチン含量は0.054~0.375%で不溶性固形物量と高い相関を示した。ジュース中の糖はグルコースとフラクトースのみが認められ,その比は1.02~1.91でグルコースの方が多かった。有機酸はそのほとんどがリンゴ酸で,少量のキナ酸が含有されていた。またジュース中の無機成分はK(695.3~1157.8ppm)が最も多く,つぎにMg(38.7~66.6ppm)とCa(24~44.2ppm)でFe, Cu, Mnは微量であった。
  • 田幸 正邦, 永浜 伴紀, 野村 男次
    1977 年 24 巻 11 号 p. 565-569
    発行日: 1977/11/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    coryneform bacteria strain C-8の生成する粘質多糖とゼラチンとの混合液の粘性および動的粘弾性を同軸二重円筒回転振動型のレオメーターを用いて測定し,以下の結果を得た。
    本多糖とゼラチンとの混合液の流動曲線は降伏値を有し,塑性流動を示した。この結果,本多糖とゼラチン分子鎖間に二次結合が存在することが推察された。
    本多糖とゼラチンとの協力効果はpH5, 4で最も大きく,次いで6.4>4.4>7.2の順に大きかった。
    ゼラチン0.5%に対して本多糖0.1%でG'がほぼ最大となり, tanδも0.2で,この条件で両者分子鎖間の二次結合が最も強いことが認められた
    。本多糖とゼラチン混合液の協力効果は低温側で著しく増大した。
  • 南場 毅, 竹内 徳男
    1977 年 24 巻 11 号 p. 570-575
    発行日: 1977/11/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    酢酸菌(微工研2号菌)の酸生成を促進する酒粕中の有効成分の分画を目的どして実験を行なった。
    (1) 酒粕中の有効成分は水に易溶,メタノール,ピリジン,エタノールに可溶でベンゼン,エーテル,クロロホルムでは抽出されなかつた。またシリカゲル,活性炭などの吸着剤には吸着されなかった。
    (2) 強酸性,強塩基性のいずれのイオン交換樹脂にも吸着されない中性区分は最も高い促進効果を示した。また強塩基性イオン交換樹脂に吸着される酸性区分にも弱い促進効果があつた。
    (3) Sephdex G-15によるゲル濾過と強塩基性樹脂LC-R-3によるイオン交換クロマトグラフィーで中性区分を精製した結果,有効成分は低分子の糖類と樹脂に吸着されない未知物質が推定された。
    (4) 薄層クロマトグラフイー,ガスクロマトグラフィーによって酸性区分から乳酸,コハク酸,リンゴ酸,フマル酸,グリコール酸,シュウ酸,マロン酸が検出され,本区分による生酸促進はこれら有機酸によると考えられた。終りに本実験に対して終始ご指導,ご鞭韃を賜わった当所好井久雄発酵食品部長および後藤富士雄所長に深甚なる謝意を表する。
  • 南場 毅, 竹内 徳男
    1977 年 24 巻 11 号 p. 576-581
    発行日: 1977/11/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    酒粕から酢酸菌の発酵促進因子を分離,精製し,主たる有効物質を単離確認した。
    (1) 酒粕の熱水抽出液からイオン交換樹脂処理で中性区分を得て,さらに活性炭・セライトカラム,およびセライトカラムによるクロマトグラフィー, Sephadex G15によるゲル濾過,ペーパークロマトグラフィーによる精製によって酢酸発酵を促進する主要物質を精製,単離した。
    (2) 単離物質はペーパークロマトグラフィーでグリセロールと一致していた。さらにアセチル化した単離物質のガスクロマトグラフィー,赤外線吸収スペクトル,核磁気共鳴スペクトルはいずれも標品のグリセロールのアセチル化物と一致し, 2号菌に対する酒粕中の主たる発酵促進因子はグリセロールであることを確認した。
    (3) 基本培地への標品グリセロール0.01%の添加で,酢酸菌増殖の誘導期の短縮と顕著な生酸促進作用がみられ,酒粕の示す生酸促進効果がほぼ完全に再現できた。
  • 山中 啓, 天水 喜美子
    1977 年 24 巻 11 号 p. 582-583
    発行日: 1977/11/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    Leuc. mesenteroidesの結晶D-マンニトール脱水素酵素を用いる果糖の微量定量法における高濃度の糖アルコール類の影響について検討した。
    ソルビトールは果糖の500倍量まで,キシリトールは5,000倍量まで,'マルチトールは2,000倍量まで共存しても果糖は100%回収され,これら糖アルコール類を分離することなく果糖は本酵素法により短時間に簡単に測定できることを明らかにした。
  • 川島 浩二
    1977 年 24 巻 11 号 p. 584-592
    発行日: 1977/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 24 巻 11 号 p. 593-602
    発行日: 1977/11/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
feedback
Top