Corticium rolfsii IFO 4878を用いて,デンプンを炭素源として生産させた,グルコアミラーゼの粗酵素剤について,その性質を調べ,生デンプンの糖化に応用できるかどうかを検討した。
その結果,この粗酵素剤はトウモロコシデンプンに対して,pH 3.0で最高の分解率を示し,低pHで安定で,強い耐酸性をもっていることがわかった。また,この粗酵素剤は,細菌α-アミラーゼと併用すれば,40%トウモロコシデンプンに対して,
Rhizopus属や
Aspergillus属の市販グルコアミラーゼ剤と同様に,ほぼ100%の分解率を示した。
このことより,
C. rolfsiiのグルコアミラーゼ剤は,酵素糖化法によるデンプンからグルコースの製造に,十分利用できるものと考えられる。
抄録全体を表示