日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
25 巻, 3 号
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  • 松本 仲子, 青柳 康夫, 平野 雄一郎, 菅原 龍幸
    1978 年 25 巻 3 号 p. 129-133
    発行日: 1978/03/15
    公開日: 2010/06/23
    ジャーナル フリー
    著者らは1974年,大分県産の春子干しシイタケを試料として,冬〓と香信の検討,各銘柄間の嗜好差,旨味成分と嗜好の関係,干しシイタケの綜合的な嗜好特性など,干しシイタケを嗜好の面から捉えることを試み次の結果を得た。
    (1) 冬〓と香信については,形態的には菌傘の直径と厚さの比をとり,上冬〓の値を1として数値順に並べると,冬〓,香信の各系に大別された。テクスチュロメーターの測定による上冬〓と上香信の比較では,凝集性に5%の危険率で有意差が認められ,上冬〓の凝集性が小さかった。
    (2) 干しシイタケの各銘柄間の嗜好差の有無をみるために官能検査を行なったところ,外観,香り,味,テクスチャーおよび綜合評価のいずれにも,各銘柄間に危険率1%で有意な差が認められた。
    (3) 官能検査で得られた味の良さと,アミノ態窒素量および5'-GMP量の間には有意な相関は認められなかった。
    (4) 干しシイタケの綜合的な嗜好特性は菌傘の厚さと高い相関があり,歯ごたえが良いこと,および咀嚼時の汁液放出量が多いだけでなく汁液放出の持続回数が多いなどの理由で,菌傘の厚手のものほど好まれる傾向があった。
  • ホタテ貝柱の機械的分離(第1報)
    元広 輝重, 伊勢谷 善助, 小田 亀三
    1978 年 25 巻 3 号 p. 134-137
    発行日: 1978/03/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    第1煮熟後のホタテ貝肉から外套膜,内臓のう,生殖巣,えら,腸管などの諸部位を除去するため,遠心力による分離装置を試作し(Fig. 2),その効果を検討した結果は,次のように要約される。
    (1) 1800~3000r.p.m.の回転により,ホタテ貝柱は他の部位から分離される。しかし,3000r.p.m.では貝柱の破壊が著しい。
    (2) 2000r.p.m.の回転において,ホタテ貝柱の直径が3.0cm以上であれば,5秒以内に貝柱が他の部位から分離される。小形ホタテ貝肉は大形のものより分離所要時間が長い傾向がある。
    (3) 本法の効果はホタテ貝の生物学的因子により影響されることが推定される。
  • ホタテ貝柱の機械的分離(第2報)
    元広 輝重, 伊勢谷 善助
    1978 年 25 巻 3 号 p. 138-141
    発行日: 1978/03/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    回転式解体装置圧着部における第1煮熟後のホタテ貝肉の適正圧着条件を知るため,貝柱扁平面の圧縮による形状変化,および解体装置に圧着された貝肉の回転による圧着部からの離脱と破壊の状態を観察した。得られた結果は次のように要約される。
    (1) 低負荷重のホタテ貝扁平面の変形は可逆的であるが,限界負荷重を超過すると不可逆的な亀裂を生じ,負荷重がさらに増加すると破壊する。
    (2) 荷重ひずみ曲線から推察される適正荷重は0.25kg/cmcm2であり,荷重ひずみ率は45~50%である。
    (3) 貝肉のサイズ別に同一負荷(0.25kg/cmcm2)を与えると,大形貝肉は小形貝肉より荷重ひずみ率は低下する。
    (4) 解体装置圧着部を2000r.p.m.で5秒間回転した場合,40~50%の荷重ひずみ率で圧着された貝肉は,圧着部から離脱または破壊しなかった。
  • コーヒーの品質に関する化学的研究(第6報)
    中林 敏郎
    1978 年 25 巻 3 号 p. 142-146
    発行日: 1978/03/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    焙煎によるコーヒー豆の有機酸とpHの変化を検討した結果。
    (1) コーヒーの有機酸のブチルエステルをガスクロマトグラフィーで分析して,ギ酸,酢酸,乳酸,グライコール酸,レヴリン酸,シュウ酸,マロン酸,コハク酸,リンゴ酸およびクエン酸を同定した。
    (2) 焙煎により有機酸はそれぞれ変動するが,特にギ酸と酢酸の増減が著しい。
    (3) 焙煎中,遊離酸量はメディアムで最高となった後減少し,pHもこれに応じて変動するが,総酸量はほとんど最後まで増加を続ける。
    (4) メディアム以降,かなりの量の有機酸が黒褐色多孔性のコーヒー豆組織に吸着される。
  • 大和田 隆夫, 飯野 久栄, 石間 紀男, 吉川 誠次
    1978 年 25 巻 3 号 p. 147-152
    発行日: 1978/03/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    温州ミカン果汁の主要成分である糖と酸の含量と嗜好との関係を明らかにするため,官能検査を行ない,次のような結果を得た。
    (1) 消費者に受け入れられる範囲は糖酸比からみると最低は12.5であった。より正確には,適正糖酸比は酸度によって変化し,糖酸比だけでは果汁の嗜好性を説明しきれなかった。
    (2) 最高嗜好度は糖と酸の相互作用によって変り,両者の関係式6X+8≧Y≧6X+6を満たす糖度(Y)と酸含量(X)のとき最高値が得られた。
    (3) 100%果汁の大部分は,これらの範囲外に分布するものと推定され,果汁の酸度に応じて糖を加えることにより,より消費者の嗜好に適したものにすることができることを認めた。
    (4) 天然ジュースに対して砂糖を加えることにより,消費者の嗜好性を高めることができるのは,甘味を適当な強さに上げると同時に,砂糖により酸味をやわらげる効果のあるためであることが明らかになった。
    (5) 消費者のジュースに対する反応は,酸味の強いものに対しては厳しく,甘味の強いものに対しては寛大であることが明らかであった。
  • 葉菜類の食品化学的研究(第4報)
    田代 豊雄, 小林 隆子, 日野 堅祐
    1978 年 25 巻 3 号 p. 153-157
    発行日: 1978/03/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 緑葉菜類であるホウレンソウおよびツルナのろう質物をn-ヘキサンにて抽出し,さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって炭化水素を分離した。ホウレンソウでは風乾物100g当り炭化水素0.1gを,ツルナでは0.025gを得た。
    (2) ホウレンソウの炭化水素はn-パラフィン(相対含量88.6%, C27~C33),イソパラフィン(9.3%,奇数炭素数のC29~C33),アンテイソパラフィン(2.1%,偶数炭素数のC30~C32)の3つの同族系から成っていた。これらの炭化水素の含量分布においてはn-パラフィンのC31(63.5%)に極大を示した。
    (3) ツルナの炭化水素はn-パラフィン(98.9%, C29~C33),イソパラフィン(1.1%,奇数炭素数のC31~C33)の2つの同族系から成っていた。アンテイソパラフィンは検出し得なかった。これらの炭化水素の含量分布においては,ホウレンソウの場合と同様に,n-パラブインのC31(86%)に極大を示した。
    (4) ホウレンソウおよびツルナの両者ともにオレフインの存在は認められなかった。
  • 大野木 利成, 豊田 正武
    1978 年 25 巻 3 号 p. 158-161
    発行日: 1978/03/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    白色レグホーン種成鶏(10ヵ月令),ロードアイランドレッド種成鶏(10ヵ月令)および廃鶏(22ヵ月令)の燻製鶏肉についてその理化学的性状を比較した。pH,水分,可溶性窒素,TBA値および遊離アミノ酸組成は供試鶏間で大きな差はなかったが,ロードアイランドレッド種のプロテオース・ペプトン態窒素およびロードアイランドレッド廃鶏のVBNはやや少なかった。テクスチャーの面からは廃鶏もも肉で硬い傾向が示された。
  • 渡辺 勲, 岩井 好夫, 佐野 孝文, 中村 利一, 杉沢 博
    1978 年 25 巻 3 号 p. 162-166
    発行日: 1978/03/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    糖類による芳香成分の粉体化を天然色素であるβ-カロチンに応用しβ-カロチンを安定で水に可溶性の粉体にする目的で粉末β-カロチンの製造条件およびその安定性について検討を行った。
    (1) 粉末β-カロチンの最適製造条件はショ糖80%,粉末水飴(DE. 12) 20%の糖類混合物に水を加え加熱溶解し糖液の全固形分濃度を80~90%とし,これに2%のシュガーエステル(HLB. 15)をエタノール溶液の形で加えた後,80~90℃でβ-カロチン植物油溶液を15%以下添加し良く攪拌したあと,室温にて真空度,1mmHg以下で水分4%以下まで乾燥,粉砕後,更に60℃で水分1%以下まで真空乾燥を行う条件で行った。
    (2) 粉末β-カロチンの安定性については対照およびロッキングの不十分な試料中のβ-カロチンは極く短期間内に変化褪色してしまったがロッキングの十分な試料中のβ-カロチンは室内に保存した場合は6ヵ月間,40℃恒温室に保存した場合は1ヵ月の実験期間中,変化褪色もなく安定であった。
  • 石田 賢吾
    1978 年 25 巻 3 号 p. 167-178
    発行日: 1978/03/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
  • 1978 年 25 巻 3 号 p. 179-183
    発行日: 1978/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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