日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
26 巻, 5 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 松本 仲子, 青柳 康夫, 菅原 龍幸
    1979 年 26 巻 5 号 p. 193-198
    発行日: 1979/05/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    干しシイタケ8銘柄を選び春子,秋子間の嗜好的な差の有無をみるために官能検査を行ない,2点嗜好試験法変法,評点法の2法により検討した。なお実験の性格上干しシイタケを半年間貯蔵する必要があり,その間の品質の変化についても評点法により予め検討した。
    (1) 干しシイタケは5℃の冷蔵庫に12ヶ月間密封貯蔵し,6ヶ月後,12ヶ月後に官能検査を行ない外観,香り,味,テクスチャー,綜合について検討したが,各項目とも採取時における評価との間に有意な差は認められなかった。
    (2) 2点嗜好試験法変法による比較では,香信系においては春子が秋子より良いという傾向がみられ,冬〓系については明瞭な差は認められなかった。
    (3) 評点法による結果をもとに,3ヶ年を通しての全体の傾向をみたところ,香信系では春子,秋子間に5%の危険率で有意な差が認められたが,冬〓系では有意な差は認められなかった。
    また,銘柄別に検討したところでは,上香信,茶撰の綜合評価は春子が秋子より良く,並冬〓では綜合評価,香りにおいて秋子が春子より有意に良いとする結果が得られた。
  • 緒方 邦安, 寺井 弘交
    1979 年 26 巻 5 号 p. 199-203
    発行日: 1979/05/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    本研究はバナナ果実の品質の一つである果皮色の追熟に伴う変化を色調ならびに色素含量の両面から考察し,市場におけるバナナ果実の品質を季節変化との関連から調査するとともに,果皮と果肉の熟度の相判った品質良好な追熟バナナ果実を生産するための追熟処理法を検討したものである。
    (1) エチレン処理によりバナナ果実の追熟を促進すると,果皮色の黄化現象がみられるが,これはカロチノイドの含量が増加するためでなく,緑熟果実の果皮中に含まれていたカロチノイドがクロロフィルの退色に伴い,現われることによるものであることが示された。
    (2) 大型スーパーマーケットより夏期から冬期にかけ黄色バナナ果実を購入し,品質を調査した結果,果皮色は季節による大きな差異が認められなかったのに対し,果肉の糖分量は外気温の低下に伴い減少することが明らかにされた。
    (3) バナナ果実の追熟中の短期間(約1日)の30℃への昇温は果皮の熟度より果肉の熟度の進行に効果があり,糖含量の増加をもたらした。また20℃で追熟したものは15℃で追熟したものに比べ糧含量の高いことをを認めた。
    (4) 追熟がやや進行し,黄化を始めたcolor score 4程度の段階の果実を30℃に一時昇温することにより果肉の品質をより改善することができるところから,この果実について食味テストを行ない,芳香,甘味ともに良好な評点を得た。また常に20℃で追熟した果実も15℃で追熟した果実より比較的良好な評点が得られた。
  • ブドウ果汁の品質に関する研究(第6報)
    太田 英明, 芥田 三郎, 筬島 豊
    1979 年 26 巻 5 号 p. 204-208
    発行日: 1979年
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    果実およびその加工製品の品質評価を目的としたブドウアントシアニン色素の簡易迅速な分析法を設定した。
    (1) 既知色素の19種類は,溶媒イソブタノール:酢酸:水=8:2:3(1次元方向)および酢酸:塩酸:水=15:3:82(2次元方向)を用いた2次元セルロース薄層クロマトグラム上で,結合糖の数,アシル基の有無およびB環の置換基の差異によって整然と配列した。
    (2) クロマトグラム上の色素の配列性および簡単な定性試験の併用によって色素は容易に同定できた。
    (3) Malvidin-3,5 DGおよびpeonidin-3,5 DGの色素濃度(0~50μg)とデンシトメーターの読みとの間には良好な直線関係が成立した。
    (4) 分析例としてコンコードおよびヒロハンブルグブドウの色素を分析し,コンコードから20種類の色素,ヒロハンブルグから3MG色素のみから成る6種類の色素を分離・同定した。
  • ガスクロマトグラフィーによる“粉わさび”の品質鑑定に関する研究(第9報)
    小嶋 操, 中野 芳明
    1979 年 26 巻 5 号 p. 209-214
    発行日: 1979/05/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    ワサビ,セイヨウワサビ(ホース)およびカラシの揮発性成分の特徴について,ヘッドスペース法により検討した。
    検出された揮発性成分より,Rg値,(i-プロピル芥子油のピーク面積,PA/3-ブテニル芥子油のPA)×100, x値,(n-ブチル芥子油のPA/3-ブテニル芥子油のPA)×100およびy値,(i-プロピル芥子油のPA/sec-ブチル芥子油のPA)×100を求めた。結果,Rg値は,ワサビ〓カラシ>ホース,x値は,ワサビ>ホース>カラシ,y値は,カラシ>ワサビ>ホースとなる傾向を示した。ワサビ乾燥粉末,ホース粉およびカラシ粉のうち,2種材料の混合物を用いる基礎実験において,Rg, xおよびy値と材料採取量の間には,規則性のある曲線関係が得られたことにより,これら2種混合物中の混合割合の推定が可能になった。また,脂肪含有率の異なるカラシの揮発性成分のうち,アリル芥子油量,Rg値およびy値には規則性があった。
  • 野口 明徳, 菅原 恵子, 梅田 圭司, 木村 進
    1979 年 26 巻 5 号 p. 215-220
    発行日: 1979/05/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    オキアミのチロシナーゼを部分精製し,各性質を検討した結果,次の知見が得られた。
    (1) 硫安塩析,2回のSephadex G-200, DEAE-セルロース(NaCl 0~0.6M)カラムクロマトにより,電気泳動的に精製単離し得た。PAS染色陽性より,本酵素は糖蛋自と推定し得る。
    (2) 至適pHは5.8付近で,至適温度は55℃であるが,耐熱性はなく,55℃,8分間処理で15%の活性低下が認められ,70℃では4分間処理で完全失活する。
    (3) KCN, diethyldithiocarbamate, NaN3に阻害されることから,Cu2+酵素と思われる。
    (4) NaClによって活性が促進され,アスコルビン酸によって抑制される。
  • 吉田 博, 林 淳三, 青柳 康夫, 菅原 龍幸
    1979 年 26 巻 5 号 p. 221-224
    発行日: 1979/05/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    大分県産春子の干しシイタケ8銘柄について,総脂肪酸組成および総エルゴステロール含量を測定した。
    (1) 各銘柄とも主要脂肪酸はリノール酸とパルミチン酸で,ついでオレイン酸,ステアリン酸,ミリスチン酸,パルミトレイン酸が微量ながら確認された。なお,銘柄間の脂肪酸組成パターンは規格外品の黒子を除き'明白な差は認められなかった。
    (2) 干しシイタケ8銘柄の乾物当りの総エルゴステロール含量は193~270mg%の間に分布しており,香信系銘柄に比べ,冬〓系銘柄は高値の傾向を示した。また,部位別では菌柄部に比較して1.5~2.0倍程度,菌傘部に多く含有されていた。
  • 荒井 綜一
    1979 年 26 巻 5 号 p. 225-231
    発行日: 1979/05/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
  • 1979 年 26 巻 5 号 p. N14
    発行日: 1979年
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
  • 1979 年 26 巻 5 号 p. A22-A25
    発行日: 1979/05/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
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