日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
26 巻, 6 号
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  • α化食品に関する研究(第2報)
    川端 晶子, 澤山 茂, 鴨居 郁三, 篠崎 隆, 谷村 和八郎, 小原 哲二郎
    1979 年 26 巻 6 号 p. 233-238
    発行日: 1979/06/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    α化米および精白米を室温ならびに35℃で16ヵ月間貯蔵し,7ヵ月までは各月ごとに,その後は12ヵ月,16ヵ月後に各試料を炊飯し,官能検査による食味評価を行い,貯蔵条件の影響を検討して次のような結果を得た。
    (1) 米飯の外観,香り,味,硬さ,粘りおよび総合評価の各項目について,7点嗜好尺度法による平均評点の経時変化をみると,香り以外のいずれの嗜好特性においても室温貯蔵のα化米は,貯蔵期間の影響が少く最も高い評点を得た。
    (2) 貯蔵期間,米の種類および貯蔵温度を3因子とし,これらの因子が米飯の食味にどのような影響を与えているのか,三元配置による分散分析を行って検討した結果,貯蔵期間ならびに貯蔵温度によって食味は変化し,貯蔵期間よりも温度の影響の方が大であった。
    (3) 嗜好特性値間の相関係数を求めたところ,すべての嗜好特性値間に有意の相関が認められ,総合評価に対し,味,粘り,外観,硬さ,香りの順で影響を与えていることが認められた。また,総合評価(Y)と嗜好特性(味:X1,粘り:X2,外観:X3,硬さ:X4,香り:X5)との関係は,重回帰方程式
    Y=0.002+0.320X1+0.213X2+0.201X3+0.167X4+0.137X5
    により,かなりよく説明できることがわかった。
  • 木内 幹, 森 隆, 海老根 英雄
    1979 年 26 巻 6 号 p. 239-247
    発行日: 1979/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    耐塩性酵母,サッカロミセス・ルキシーIY-5によるリノール酸化合物の酸素吸収を牛血清アルブミンとリノール酸との化合物を用いて調べ,酸素の最大吸収は対数期後期の細胞で認められた。リノール酸化合物への酸素吸収の初期の段階では,酸素吸収は時間もしくは細胞数に比例して増加した。リノール酸化合物のとりこみ実験から,Kmは42.0μM, Vmaxは2.17nmole/mg・min,移行の最適pHは7.5であった。ワールブルグ検圧計による試験の結果,1-14C-linoleateは分解して14CO2を生成した。このことはS. rouxii IY-5によるリノール酸化合物の酸素吸収を明らかにしている。リノール酸化合物への酸素吸収は酸素電極を備えたビオキサグラフで測定した。酸素吸収の至適pHは4.0で,それはリノール酸のとり込みのそれとは異っていた。基質特異性のデータから,酸素吸収はリノール酸とリノレン酸の遊離酸かメチルエステルの場合に著しく高いことがわかった。リノール酸化合物よりもよい基質であるにもかかわらず,グルコースはリノール酸の酸素吸収で刺激的には作用しなかった。1Mの食塩濃度の培地に生育した酵母細胞はこれと同じもしくは低食塩のリノール酸化合物の高い酸素吸収を示したが,2Mの食塩濃度の培地に生育した細胞は2Mの食塩濃度で高い酸素吸収を示した。
  • 新国 佐幸, 伊藤 寛, 高木 仁, 鈴木 忠直, 海老根 英雄
    1979 年 26 巻 6 号 p. 248-255
    発行日: 1979/06/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    大豆煮汁の利用を図るため,大豆煮汁に麹菌を培養し,煮汁中のCODを低下させるとともに生成した菌体を味噌に添加しその効果を調べた。
    (1) 糸状菌の中では麹菌が最も良く大豆煮汁に生育し,中でもA. oryzae FRI-23が良く生育した。
    (2) この菌の大豆煮汁での培養条件は,初発pH 6,初発COD 20,000ppmが好適で,COD除去率約85%で菌体収量は1.1g/100mlであった。大豆煮汁は,リン塩酸,窒素源よりもむしろ炭素源が不足していた。比増殖速度μは0.2hr-1であった。
    (3) 菌体中に含まれる酸性および中性プロティナーゼとペプチダーゼ活性は,対数期後期で最も高く,定常期で低下した。ペプチダーゼ活性は培養濾液では低く,菌体中で高かった。
    (4) 得られた菌体を味噌に添加することにたり,熟成が促進され,呈味成分と香気成分の増加が認められた。
  • イチゴ果実の香気成分の生成に関する研究(第7報)
    山下 市二, 飯野 久栄, 吉川 誠次
    1979 年 26 巻 6 号 p. 256-259
    発行日: 1979/06/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    イチゴ果実におけるエステル生合成反応の基質特異性を調べた。各種の脂肪族アルコールと揮発性低級脂肪酸を,イチゴ果実とともにフラスコに入れ,密封し,90分間30℃に保った後,ヘッドスペースガスをガスクロマトグラフィーで分析し,以下の知見を得た。
    (1) 脂肪族第1級,第2級アルコールは,直鎖,分枝,飽和,不飽和にかかわりなくエステル化された。
    (2) 脂肪族第3級アルコールはエステル生合成反応の基質にならなかった。
    (3) イチゴ果実に含まれている酢酸,n-酪酸,n-カプロン酸だけでなく,iso吉草酸,n-吉草酸,isoカプロン酸もイチゴに添加するとエステルの酸残基に取り込まれた。
    (4) ギ酸はエステル化されなかった。
    (5) プロピオン酸とiso酪酸は,反応性に乏しく,再現性が低かったことから,エステル化されるかどうか明瞭な結果が得られなかった。
    (6) ここで明らかにされた果実内エステル生合成反応の基質特異性は,イチゴ果実中に含まれているエステルの種類とよく一致した。
  • 渡辺 敦夫, 太田 義雄, 木村 尚史, 梅田 圭司, 木村 進
    1979 年 26 巻 6 号 p. 260-265
    発行日: 1979/06/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    温州ミカン果汁を逆浸透法により濃縮する間に生ずる膜面付着物について分析を行ない,付着成分は主として,ペクチンおよびセルロースようの不溶性成分であることを確認した。そこで,ペクチンおよびセルロースからなるモデル液を使用し,付着層による水透過に対する抵抗の成長速度について検討を加えた。セルロース懸濁液では水透過速度の減少はまったくなかったが,ペクチン溶液においては急速な水透過速度の低下が見られた。しかし,ペクチンを塩化カルシウムで不溶化することにより水透過速度の低下を減少させることができた。従って,ペクチンが水透過に対する抵抗形成の主要成分であることがわかった。膜面付着ペクチンの分子量分布についてゲル濾過法を用い検討を加え,逆浸透濃縮中に膜面に付着するペクチンは高分子ペクチンが主体であることを確認した。
  • 山内 文男
    1979 年 26 巻 6 号 p. 266-277
    発行日: 1979/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1979 年 26 巻 6 号 p. A22-A28
    発行日: 1979/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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