α化米および精白米を室温ならびに35℃で16ヵ月間貯蔵し,7ヵ月までは各月ごとに,その後は12ヵ月,16ヵ月後に各試料を炊飯し,官能検査による食味評価を行い,貯蔵条件の影響を検討して次のような結果を得た。
(1) 米飯の外観,香り,味,硬さ,粘りおよび総合評価の各項目について,7点嗜好尺度法による平均評点の経時変化をみると,香り以外のいずれの嗜好特性においても室温貯蔵のα化米は,貯蔵期間の影響が少く最も高い評点を得た。
(2) 貯蔵期間,米の種類および貯蔵温度を3因子とし,これらの因子が米飯の食味にどのような影響を与えているのか,三元配置による分散分析を行って検討した結果,貯蔵期間ならびに貯蔵温度によって食味は変化し,貯蔵期間よりも温度の影響の方が大であった。
(3) 嗜好特性値間の相関係数を求めたところ,すべての嗜好特性値間に有意の相関が認められ,総合評価に対し,味,粘り,外観,硬さ,香りの順で影響を与えていることが認められた。また,総合評価(Y)と嗜好特性(味:X
1,粘り:X
2,外観:X
3,硬さ:X
4,香り:X
5)との関係は,重回帰方程式
Y=0.002+0.320X
1+0.213X
2+0.201X
3+0.167X
4+0.137X
5により,かなりよく説明できることがわかった。
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