日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
26 巻, 7 号
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  • 縮合リン酸塩の蛋白質に及ぼす影響について(第1報)
    石井 昭衛, 平田 行, 渡辺 忠雄
    1979 年 26 巻 7 号 p. 279-286
    発行日: 1979/07/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    各種の縮合リン酸塩が蛋白質水溶液に共存した場合,これら溶液の沈澱反応についてpHや共存量を変えて観察し,蛋白質水溶液の沈澱反応と縮合リン酸塩の特性との関連性について試験した。
    (1) 蛋白質水溶液のpHを調整した場合,UPやHPがアルブミンあるいはゼラチン溶液に共存すると,混濁程度は蛋白質のみのものより著しく高くなり,そのピークは酸性側にずれるが,沈降速度は早く,沈澱の促進作用がみられた。
    (2) UPやHPがカゼインやセリシン溶液に共存すると,低いpH域においても混濁程度は蛋白質のみのものより少なく,ゲルの沈降速度も遅く沈澱の抑制作用がみられた。これらのことは生成ゲルの重量からも明らかであった。
    (3) PP, APP及びTPが蛋白質水溶液に共存した場合の混濁程度はいずれのpHにおいても,また,共存量の多少や経時変化についても,蛋白質のみの溶液と大きな相違はみられず蛋白質の沈澱反応にはほとんど影響を及ぼさなかった。
    (4) 縮合リン酸塩の金属イオンに対するキレート力が消失した場合は,蛋白質の沈澱作用は大部分失なわれ,縮合リン酸塩のキレート力は蛋白質水溶液の沈澱作用に大きな影響力があることが推定された。鎖状ポリリン酸の鎖長と蛋白質水溶液の沈澱反応との関連性は,鎖長(n) 9以内では関連がみられなかったが,それ以上では平均鎖長の大きいものが沈澱反応に及ぼす影響は大きかった。
    (5) 縮合リン酸塩の高分子領域は蛋白質水溶液の沈澱反応に及ぼす影響は大きく,高分子領域を消失したリン酸塩は蛋白質水溶液の沈澱作用に及ぼす効果がみられなくなった。
    (6) 環状構造を有するメタリン酸は蛋白質の種類によっては沈澱反応に作用を及ぼし,縮合リン酸塩の環状構造も蛋白質の沈澱作用に及ぼす因子の1つであることが推定された。
  • 小原 忠彦, 米山 正, 大池 昶威, 宮崎 忠雄, 根岸 幹雄
    1979 年 26 巻 7 号 p. 287-293
    発行日: 1979/07/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    尿素系ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって簡単な味噌の鑑別が可能であった。
    麦みそについて,大麦のピークの高さより大麦の配合比率を同時に推定することも可能であった。
    県外産の市販麦みそ9点の大麦の配合比率を本鑑別法によって推定し,いずれも10割~30割の麦みそであることがわかった。
  • 志水 寛, 島原 英夫
    1979 年 26 巻 7 号 p. 294-298
    発行日: 1979/07/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    テクスチャーの異なる20種類のこんにゃくゲルを試作し,硬さと腰の強さの食感が品質の良否にどのように関係しているかを調べると共に,プランジャー押込み試験(試料厚さ3.0cm,プランジャー径0.80cm)で求められる破断強度Sと凹みの大きさdがそれらの食感や品質の客観的指標となり得るかどうかを検討した。得られた結果は次の通りである。
    (1) こんにゃくのテクスチャーの良否は,“硬さ”と“腰の強さ”によってきまるといえる。この場合,ある程度までは“硬さ”と“強さ”はそのまま品質に反映するが,その限度を越すとかえって品質を低下させることが分った。
    (2) Sが“硬さ”の,S・dが“腰の強さ”の,そしてdが品質の目安となることが明らかになった。
    (3) こんにゃくにとって最も好ましい“硬さ”の範囲はS=500~700g,同じく“強さ”の範囲はS・d=700~1,000g・cmであることが判明した。
  • 島原 英夫, 志水 寛
    1979 年 26 巻 7 号 p. 299-304
    発行日: 1979/07/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    コンニャク精粉の糊粘度とこんにゃくゲル形成能の関係を調べ,次の結果を得た。
    (1) 伝統的な精粉の品質判定法である水引き試験で求めた糊の“硬さ”の評点とB型粘度計で求めた粘度値とは極めてよく相関した。
    (2) 糊粘度とこんにゃくゲル形成能の間には直線関係が認められた。ただし,シナ種は例外に属していた。
    (3) シナ種は高い糊粘度の割にゲル形成能が低く,この点在来種と異なることが明らかとなった。
    (4) こんにゃくゲルの破断強度Sと濃度Cとの間にN乗則が適用でき,次式が成立した。
    S=kCn
    kはほぼ一定値100gを示したが,nは精粉の品質によって異なり1.3~1.8の間にあり,高品質の精粉ほど大きい傾向を示した。
    (5) 凹みの大きさは濃度2~4%の範囲では濃度依存性は認められず,精粉の品質によってほぼ固有の値を示した。このことから加水量35倍のゲルの凹みの大きさを測定し精粉の品質を推定できることを指摘した。
  • スモモ果実に関する食品化学的研究(第3報)
    小宮山 美弘, 原川 守, 小沢 俊治
    1979 年 26 巻 7 号 p. 305-310
    発行日: 1979/07/15
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    1. 大石早生とソルダムの2品種のスモモの成熟過程の理化学的組成の変化を完熟にいたるまでの15~20日間にわたって調べた。
    2. 果実重量はほぼ一定の割合で増加し,硬度は低下した。
    3. 大石早生の果皮とソルダムの果肉の赤色色素は収穫末期に急激に増加した。
    4. 成熟中のスモモの一般成分変化の特徴として,大石早生の場合,酸と灰分が減少し,ソルダムでは全糖と還元糖が増加した。
    5. ペクチンは収穫初期ではそのほとんどを塩酸可溶性ペクチンが占めており,成熟中減少した。他方水溶性ペクチンは大石早生の場合収穫末期に急増し,ソルダムでは変化しなかった。
    6. 果汁中の糖は両品種にグルコース,フラクトース,シュークロースおよび微量のキシロースが認められ,成熟中それぞれ異った変化を示すが,特にソルダムではシュークロースが急増した。
  • 古賀 邦正
    1979 年 26 巻 7 号 p. 311-324
    発行日: 1979/07/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1979 年 26 巻 7 号 p. A29-A31
    発行日: 1979/07/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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