日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
27 巻, 9 号
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  • 手塚 七五郎, 山野 利幸, 市東 武男
    1980 年 27 巻 9 号 p. 419-425
    発行日: 1980/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    チューインガムに使用される天然樹脂のうち,代表的なチクル,チクブル,ジェルトン,ソルバおよびソルビンハの5種を選定し,これら天然樹脂のアセトン可溶性区分である樹脂分組成の解明と各樹脂間の識別について検討を行った。
    (1) 各樹脂分の構成成分はほとんどトリテルペンアルコールのカルボン酸エステルで,主成分は酢酸エステルであり,少量の遊離のトリテルペンアルコールが認められた。
    (2) 酢酸エステル以外の各樹脂分の特徴成分はチクルがカプロン酸エステル(C6),チクブルが桂皮酸エステル(C9),ジェルトンがパルミチン酸エステル(C16),ソルバがモンタン酸エステル(C28),ソルビンハがベヘニン酸~ドトリアコンタン酸エステル(C22~C32)であった。
    (3) 各樹脂分をケン化し得られたトリテルペンアルコールの主要成分はいずれもα-アミリン, β-アミリン,ルペオールであり,チクルおよびチクブルには数種の未同定の成分があった。
    (4) 各樹脂分をガスクロマトグラフィーにより分析し,トリテルペンアルコールのカルボン酸エステルの組成を知ることおよび赤外吸収スペクトルを測定し,縦軸に880cm-1/900cm-1,横軸に810cm-1/820cm-1の吸収強度比をとり,プロットすることにより, 5品種の樹脂を明確に識別することが出来た。
  • 小原 忠彦, 米山 正, 大池 昶威, 宮崎 忠雄, 根岸 幹雄
    1980 年 27 巻 9 号 p. 426-432
    発行日: 1980/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    pH3.5の尿素系ディスク電気泳動法によって小麦粉に含まれる米粉またはそば粉の配合比率の推定を行った。この方法によって米とそば粉の主ピークの位置は重なるが,小麦粉の主ピークは区別されることがわかった。またこれらのピークの高さは100℃に加熱された試料でも変らないことから,小麦粉中に含まれる米粉またはそば粉の鑑別や配合比率の推定に応用出来ることがわかった。一例として小麦とそば粉からつくられる乾しそばや生そば中のそば粉の配合比率を推定した。小麦粉とそば粉に由来する主ピークの高さの比を変数としてそば粉の配合比率を求める式が出された。この式を使い市販されている14点のそばについて調ベたところ,そば粉の配合比率は乾しそばで平均28%,生そばで平均63%であった。
  • 芳賀 聖一, 大橋 登美男
    1980 年 27 巻 9 号 p. 433-438
    発行日: 1980/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    筋肉構造蛋白質ミオシンBと大豆蛋白質CIFを用い,加熱ゲル形成能に及ぼす水素,疎水結合の影響を変性剤(塩酸グアニジン), α-helix形成剤(エチレンクロルヒドリン)添加により検討した結果,次のことが明らかとなった。
    両蛋白質共存系にGuHClを添加すると, 0.6MまでGuHCl濃度を増すに従い,ゲル形成能は漸次減少した。1.2Mでは皮膜を形成し, 2.4Mでは褐色透明となった。一方, ECHを添加した場合,ゲル形成能助長が認められた。
    又,ゲルろ過パターンは両試薬添加後における蛋白質構造変化が認められ,ミオシンBはGuHCl添加で, CIFはECH添加で変化が大きかった。すなわち,ミオシンBは本来有するhelix構造が加熱ゲル形成に重要で,CIFはhelix構造が存在しなくてもゲルは形成されるが,存在するとゲル形成は促進された。そして,両蛋白質共存系では, CIFの挙動を反映するパターンが認められ,大豆蛋白質の機能的特性のすぐれていることが示唆された。
  • 竹尾 忠一
    1980 年 27 巻 9 号 p. 439-444
    発行日: 1980/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    ICPQを用い茶灰分の元素分析を行う目的で,分析上の問題点,特にアルカリ,アルカリ土族元素の他元素に対する分光干渉について検討した。
    次に主要11元素(Ca, Mg, Al, Mn, Fe, Na, Cu,Zn, Ni, B, P)の分析を行うために,茶元素分析用標準液を調製し,これを用いて作成した検量線から得られる分析値の精度について検討した。
    最後に茶元素用標準液を用い, 2の標準試料につき元素分析を行ない,保証値とICPQ測定値間の差を検討した。
  • 竹尾 忠一
    1980 年 27 巻 9 号 p. 445-447
    発行日: 1980/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    ICPQを用いて日本煎茶と外国紅茶の元素分析を行い,元素濃度の地域的な変動と元素間の相関性等について調査した。
  • 筒井 知己, 松本 信二, 小原 哲二郎
    1980 年 27 巻 9 号 p. 448-452
    発行日: 1980/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    鶏卵卵黄を超遠心分離して得た低密度リポ蛋白質(LDL),高密度リポ蛋白質(HDL)をアセチル化し,その溶解性,粘度,乳化活性,乳化容量,乳化安定性を検討した結果を要約すると次のごとくである。
    (1) アセチルLDLの透過度は中性付近ではLDLとほとんど変らなかった。しかしpH3.5~4ではアセチルLDLは白濁した。アセチルHDLはHDLに比べアセチル化率が上がるほど透過度も増加した。
    (2) アセチルLDLとアセチルHDLの粘度は,アセチル化率が上がるにつれて増加し, 88.7%アセチルLDLはLDLの1.1~1.2倍の粘度を示し, 92.0%アセチルHDLはHDLの1.5~1.7倍の粘度を示した。
    (3) アセチルLDLの乳化活性はLDLに比べて減少した。一方アセチルHDLの乳化活性はアセチル化率が上がると多少増加した。
    (4) アセチルLDLの乳化容量はLDLに比べて減少した。一方アセチルHDLの乳化容量は多少増加し, 1.5%溶液の時, 92.0%アセ千ルHDLはHDLの約1,6倍の乳化容量を示した。
    (5) アセチルLDLとアセチルHDLの乳化安定性は,アセチル化率が上がるにつれて増加した。特にHDLの増加率が著しかった。
  • 上田 成子, 天野 恵里子, 門田 ちはる, 藤間 基朱, 槇野 瑞枝, 吉沢 美和子, 桑原 祥浩
    1980 年 27 巻 9 号 p. 453-455
    発行日: 1980/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    小麦粉及びその製品の微生物汚染状態を検討すると共に,汚染菌叢のうちBacillus属の同定を行なった。
    (1) 小麦粉の汚染菌数は一般細菌及びカビ・酵母とも全検体104/g以下であった。しかし,パン粉(乾燥及び生製品)については小麦粉と比較して汚染度が高い傾向にあり,とくに生パン粉の汚染度が高かった。
    (2) 小麦粉,乾燥パン粉及び調味加工小麦粉製品間には菌叢に差異がみられ,とくに調味加工小麦粉製品ではbacilliが多く,生パン粉ではグラム陽性球菌が多く検出された。
    (3) 各製品から分離されたBacillus spp.の同定を行なった結果, B. licheniformis, B. subtilisが最も普遍的に検出され,その他, B. cereus, B. pumilusも多くの材料から検出されたが,各製品ごとのspeciesの分布にはほとんど差がみられなかった。
  • 大口方 洋, 黒河内 邦夫, 松橋 鉄治郎
    1980 年 27 巻 9 号 p. 456-458
    発行日: 1980/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    グルテンを添加したそば生地の物性について,ビスコグラフ等のブラベンダー試験によりその基礎データを得た。ソバ粉の配合比が高く,グルテン含量の少ない生地では,ファリノグラムとエキステンソグラムにソバ独特のパターンが見られた。ソバ粉の配合比が高い生地では,グルテンの添加量増加に伴うブラベンダー試験の特性値の変化は,必ずしも直線的ではなかった。しかし,全体としては,配合比のいかんにかかわらず,その生地物性は強力粉的になり,グルテンのつなぎ材としての効果が期待された。
  • 梅屋 潤一郎, 山内 文男, 柴崎 一雄
    1980 年 27 巻 9 号 p. 459-463
    発行日: 1980/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    大豆蛋白質-水懸濁系の硬軟化特性測定法について検討した。回転二重円筒型粘度計に,温度,ずり速度コントローラーを付けることにより,次の測定を行なった。
    (1) 加熱処理前の懸濁系に関して,一定温度におけるCyclic shearing test。
    (2) 定常ずり変形下のCyclic temperature test.
    (3) 加熱処理後の系に関して,一定温度におけるCyclic shearing test。
    これら一連の測定結果より,懸濁系,ゲルの流動特性,加熱・冷却過程の構造形成が知られた。これらを関連させることにより硬軟化現象解析の手段となる。また測定条件を変えることにより応用も可能である。
    市販蛋白質についての測定では,卵白アルブミンが最も硬化を示し,同じ大豆蛋白質でも種類により,硬化に差を生じた。
  • 岩元 睦夫
    1980 年 27 巻 9 号 p. 464-472
    発行日: 1980/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 27 巻 9 号 p. A38-A46
    発行日: 1980/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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