日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
28 巻, 3 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 布施 恒明, 山口 直彦
    1981 年 28 巻 3 号 p. 113-118
    発行日: 1981/03/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    大豆水煮缶詰の調味液の保存中においての増粘現象について,その発現条件と抑制方法の解明を行った。
    (1) 粘度の増加は保存初期ではたんぱく質が大豆から調味液に移行するためであるが,その後はたんぱく質のゲル化によるものであった。
    (2) 大豆たんぱく質の溶出は,食塩の存在によって促進されるが,食塩濃度0.5~3.0%では濃度が増すにつれて粘度は減少した。
    (3) 調味液にマグネシウム塩,カルシウム塩を添加することによって保存期間中の粘度の増加を抑制できることを認めた。
  • シアン化合物含有雑豆を使用した製あんに関する化学的研究(第1報)
    原川 守, 辻 政雄, 小宮山 美弘
    1981 年 28 巻 3 号 p. 119-124
    発行日: 1981/03/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    シアン化合物を含む雑豆(バター豆)を用いて製あん工程を改善し,安全でかつ合理的製造方法を確立することを目的とし,まず現在操業中の新旧の典型的な2工場の工程解析を行った。
    現在の食品衛生法に準拠して製造した場合,製品に遊離シアンは検出されなかったが,渋切りや煮熟が不十分であると定量値も高く検出されやすかった。一方遊離したシアンの一部は排水中に流出し,特に豆の浸漬温度が高い場合の排水に多かった。浸漬工程でのシアン遊離率(シアン化合物分解率)は新しい工場で30.2%,古い工場で21.3%であった。
  • シアン化合物含有雑豆を使用した製あんに関する化学的研究(第2報)
    原川 守, 辻 政雄, 小宮山 美弘
    1981 年 28 巻 3 号 p. 125-130
    発行日: 1981/03/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    製あん工程中のシアンの挙動を詳細に調べるため実験室的製あん装置を考案して検討した。この結果から浸漬工程における豆の浸漬条件について2, 3の検討を行った。
    (1) 浸漬工程で遊離したシアンのほとんどは豆と浸漬水に存在するが,豆中の遊離シアンは渋切り工程でその90%がシアンガスとして揮散した。またこの時シアン化合物に由来するとみられるシアンは全体の14.3%と少く,ほとんど未分解で,しかも渋切り工程以降は新たに発生するシアンがなかったことからシアンの遊離は浸漬工程のみであることがわかった。
    (2) 浸漬工程でのシアンの最適遊離条件は50℃, pH 8.0であったが,70℃以上ではシアンの遊離は全くなかった。
    (3) シアンの遊離率を高めるため浸漬開始時にセルラーゼとプロテアーゼおよびペクチナーゼ・ヘミセルラーゼを主成分とする市販酵素剤を添加したところ遊離率は上昇し,最も高いもので53.3%を示した。
    (4) 豆に対する浸漬水の比率を高くすると遊離率は上昇し,その比が4になるとバター豆では50.4%を示した。
  • 山野 善正, 三木 英三, 福井 義明
    1981 年 28 巻 3 号 p. 131-135
    発行日: 1981/03/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    大豆タンパク質ゲルを,パーム油を主成分とする粉末油脂を添加して調製し,ゲルのテクスチャーとゲル形成過程を検討したところ,次のような結果が得られた。
    (1) パーム油を主成分とした粉末油脂を添加した大豆タンパク質ゲルの硬さ(テクスチュロメーター及びレオメーター)は添加油脂量の増加とともに増大した。
    (2) 粉末油脂添加量8%までのゲルの官能検査で,油脂添加量が多い程硬く,また総合的な味も良かった。
    (3) 50℃での加熱中の豆乳の粘度は,時間とともにS字的に上昇するが,油脂添加量が多い程その上昇は遅れた。85℃での加熱中のゲルの凝固は油脂添加量が多い程遅れる傾向にあった。
    以上の結果から,粉末油脂を添加した大豆タンパク質ゲルの酸凝固の場合,油を多く含む試料ほどゲル構造の生成は遅いが緻密な構造が生じ,結果として硬いゲルを生成すると考えられる。
  • 山野 善正, 三木 英三, 福井 義明
    1981 年 28 巻 3 号 p. 136-141
    発行日: 1981/03/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    油脂添加大豆タンパクゲルへの油脂の取り込みと,11S及び7Sタンパクの影響を調べたところ,次のような結果が得られた。
    (1) 添加油脂は,油脂量の10%程度まではほぼ全量が大重タンパクゲル中に取り込まれるが,20%を越えると取り込み率は70%程度になる。ゲル中の脂肪粒子の大きさは,油脂添加量とともに大きくなり10%でその分散状態は不均一になる。n-ヘキサン,石油エーテルによるゲルからの油の抽出量は,添加量に比例して増大するが,取り込み率の増大率は,油脂量の増大とともにやや落ちてくる。
    (2) 脱脂大豆ゲルの硬さは丸大豆ゲルの硬さより小さく,油脂添加に対する増加率も小さかった。保水力も硬さと同じ傾向であった。硬さ及び保水力が油脂添加量とともに増大することは,油脂添加により緻密な硬い構造が生成していることを裏づけている。
    (3) 油脂添加ゲルのテクスチャーにおいても,11Sタンパクが主要な役割を演じているが,7S及び油脂との量的関係が微妙な影響を示すと結論される。
  • 低温放射線重合法による酵素の固定と分析への応用(第4報)
    田中 芳一, 岡 治, 林 徹, 川嶋 浩二
    1981 年 28 巻 3 号 p. 142-146
    発行日: 1981/03/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    低温放射線重合法による固定化ウレアーゼを,機器分析に利用するためにガラス管内壁へ酵素を薄膜固定する方法を検討した。この方法で調製した長さ1cmのウレアーゼチューブをテクニコン社製オートアナライザーII型に組み込んだ尿素分析システムは,0~30mMの濃度範囲の尿素を30試料/毎時の速度で連続測定することができた。また,このウレアーゼチューブは実用的には随時検量線を求めることにより,2,000~3,000回の連続使用が可能であった。一方,このチューブは115日間の冷蔵保存で,94%の活性を維持していた。
  • 低温放射線重合法による酵素の固定と分析への応用(第5報)
    田中 芳一, 宇津木 義雄, 林 徹, 川嶋 浩二
    1981 年 28 巻 3 号 p. 147-151
    発行日: 1981/03/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    低温放射重合法で固定化したウレアーゼチューブと,アンモニア電極を連結した尿素態窒素の簡易定量法について検討した。市販の3種の電極を比較すると,アンモニアに対する応答性,洗浄性は,どのメーカーのものも大差はなかったが,フロー式でアンモニアの応答から洗浄までの操作による1試料の測定に,2~4分を要した。さらに,ウレアーゼチューブのゲル中のアンモニアの洗浄にも同じ程度の時間を要した。以上から測定時間を約10分として単発式の簡易尿素測定装置を試作したところ,5×10-5~10-3Mの尿素濃度範囲で検量線は直線となり,その勾配は24mV/log〔尿素〕であった。さらに,本装置の改良の必要点について考察を加えた。
  • 被覆製剤に関する研究(第2報)
    浅田 拓司, 西浦 康雄, 内藤 恵一, 岡田 明紀, 森 一雄
    1981 年 28 巻 3 号 p. 152-156
    発行日: 1981/03/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    (O1/O2+O1)/W型複合エマルジョンを利用した2重被覆型製剤は,ただ1回の噴霧操作により水溶性および難溶性の両面を賦与させることができ,さらにその製剤の溶出挙動は,オイゲノールやピペリンの場合にみられたように.吸着型,単層被覆型製剤に比べ,特異な溶出パターンを示した。また2重被覆型製剤は,官能検査においても,温度条件によって発現性が異なってくること,そして経時安定性に関して他の2種の製剤より安定であることが判明した。このような結果は,2重被覆型製剤のもつ特殊な2重構造に由来するものと考えられる。
  • シアン化合物含有雑豆を使用した製あんに関する化学的研究(第3報)
    辻 政雄, 原川 守, 小宮山 美弘
    1981 年 28 巻 3 号 p. 157-159
    発行日: 1981/03/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    シアン化合物含有雑豆(バター豆)を各種の温度と湿度の条件下で貯蔵し,貯蔵中の水分含量,吸水率およびシアン遊離率を調べた。
    貯蔵開始時の測定値を維持したり,高めるためには温度15℃,湿度65%の環境が必要であり,水分含量を除いてはこの条件より高くても低くても各測定値は低下した。しかし吸水率は吸水時間を長くすることによって貯蔵開始時とほぼ同じ値を示した。一方50℃, 20%湿度という異常環境下では吸水時間を長くしても吸水率の回復はなかった。また温度30℃で湿度85%の貯蔵条件では水分含量が増加し,カビの発生が見られて品質は低下した。
  • 沖谷 明紘, 加藤 博通
    1981 年 28 巻 3 号 p. 160-168
    発行日: 1981/03/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 28 巻 3 号 p. N24a
    発行日: 1981年
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 28 巻 3 号 p. N24b
    発行日: 1981年
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 28 巻 3 号 p. A10-A5
    発行日: 1981/03/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
feedback
Top