日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
28 巻, 7 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • ドープのレオロジー特性,繊維状タンパク質のテクスチュアおよびその製品中のリジノアラニンの防止策について
    早川 功, 勝田 啓子
    1981 年 28 巻 7 号 p. 347-354
    発行日: 1981/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    大豆タンパク質のレオロジー的特性や紡糸特性,および加工工程中に生じるリジノアラニンの防止策などについて検討した。タンパク質濃度18~25%,水酸化ナトリゥム濃度1.0~2.0%で解膠されたドープは振動数ωが-1から1の範囲においてゴム状弾性領域からゴム状流動領域に変化する良好な転移領域を示した。しかし,リジノァラニンの生成がそれらのドープや紡糸繊維の中に認められた。ドープにシステイン塩酸塩を加えることにより,リジノアラニン生成量を1/2~1/3に減少できた。その方法で調製されたドープは紡糸可能で,その紡糸繊維は人造肉の材料として,すぐれたテクスチュアをもっていた。
  • 甘藷を素材とするスナック食品の開発(第2報)
    馬場 透, 山村 頴
    1981 年 28 巻 7 号 p. 355-359
    発行日: 1981/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    スィートポテトチップのテクスチャー改良を目的としたブランチングと,凍結処理を組み合わせた有効な前処理方法を設定した。
    (1) 凍結処理前に行なうブランチングは,例えば熱湯,蒸気,熱油などで行なうことができる。最適ブランチング時間は厚さ2.0mmのスライスで,熱湯(100℃)で20~30秒,常圧蒸気で60~120秒,熱油(120℃)で20~40秒であった。
    (2) -5℃~-40℃の凍結範囲では,凍結温度によるテクスチャーの相違は認められなかった。
    (3) 凍結温度-22℃で30分~24時間凍結した場合,いずれの凍結時間でも同様なテクスチャーを示し,凍結時間の影響は認められなかった。
    (4) 解凍後155℃~140℃の油温でフライして得たチップは,無処理チップと比較して,砕け易くしかも硬さは約1/4に減少した。
    (5) チップの味および外観は,高デンプン質品種がすぐれ,その中でも特に農林1号,岐阜1号,コガネセンガンの評価が高かった。
  • カキの脂質について(第1報)
    鈴木 公一, 伊藤 真吾, 露木 英男
    1981 年 28 巻 7 号 p. 360-364
    発行日: 1981/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    カキ種子に含まれる総脂質および中性脂質について,TLCおよびGLCにより研究を行った。
    (1) 富有,禅寺丸,甲州百目の3品種の種子を供試した。種子の形状に相違がみられたが,含水率約50%,含脂率約1%と3品種に大きな差はみられなかった。
    (2) 中性脂質含量は総脂質に対して80%以上であった。中性脂質を構成する脂質はTGが23.0~33.7%と最も多く,次いで未知物質,SEであり,1, 2-DG, S,1, 3-DG, HC, FFA, FAについては品種別の差異があった。
    (3) 総脂質を構成する主要脂肪酸は3品種ともC18:1酸,C18:2酸およびC16:0酸で,全脂肪酸量の約90%を占めていた。
    (4) 中性脂質を構成する各脂質の脂肪酸組成も総脂質の脂肪酸組成と同様の傾向を示した。すなわち主要脂肪酸はC18:1酸,C18:2酸およびC16:0酸であった。
  • わさびの揮発成分の研究(第1報)
    伊奈 和夫, 佐野 昭仁, 信国 美香子, 木島 勲
    1981 年 28 巻 7 号 p. 365-370
    発行日: 1981/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    (1) 沢わさび,西洋わさびの揮発性成分を研究するため,両試料より直接有機溶媒にて精油を抽出した。
    (2) 沢わさび,西洋わさびとも鎖状アルキル芥子油では成分数において余り大きな差異は認められなかったが,西洋わさびには大根ようの香りをもつ芳香族芥子油を比較的多く含んでいた。
    (3) 沢わさび,西洋わさびの香りの差は芥子油の含量の差のみでなく,芥子油以外の成分も関与すると思われた。
    (4) 芥子油をメタノール溶液として加熱等の操作をすると芥子油の分解物と思われる成分に変化した。
  • わさびの揮発成分の研究(第2報)
    伊奈 和夫, 佐野 昭仁, 信国 美香子, 木島 勲, 中島 基貴
    1981 年 28 巻 7 号 p. 371-375
    発行日: 1981/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    (1) アリル芥子油のメタノール溶液中での変化について調べ,第1段階の変化生成物がメチルアリルチオカーバメイトであることを確認した。
    (2) 他のアルキル芥子油もアリル芥子油同様の反応によりそれぞれに対応するメチルアルキルチオカーバメイトに変化することを確認した。
    (3) 芥子油類は電子供与基の存在する溶液中ではチオカーバメイトを経由して分解することが分った。
  • 中島 久夫, 野崎 恒, 小山 謹一, 日下 兵爾, 太田 静行
    1981 年 28 巻 7 号 p. 376-380
    発行日: 1981/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    イワシポーション(マイワシ肉片にスケトウダラ冷凍すり身を7:3の割合に混ぜて成型した加工品)の保存とフライについて検討した。
    (1) イワシポーションにトコフェロールを添加あるいは添加せずに2つの条件で貯蔵した。すなわち(1) -27℃, (2) -27℃に3週間保存後+5℃に一昼夜放置のくりかえし(流通段階での一時的な解凍のモデルとして)。経時的にイワシポーション中のイワシ油の過酸化物価と酸価を測定し,官能検査的ににおい,味,色などの性質をしらべた。-27℃ではイワシポーションは品質低下することなく6ケ月保存できた。(2)の条件ではトコフェロールの抗酸化効果が明らかに認められた。
    (2) イワシポーションを給食の設備で大豆油を用いてフライした。揚油の脂肪酸組成をガスクロマトグラフィーを用いて測定した。揚油中のC22:6脂肪酸の量は痕跡程度であったことから,イワシ油が揚油中に混入する量は無視しうる程度であると思われた。
  • 食品中の糖含量の電気化学的測定に関する研究(第1報)
    野村 孝一, 中溝 公明, 中島 正利, 坂根 康伸, 松本 清, 筬島 豊
    1981 年 28 巻 7 号 p. 381-386
    発行日: 1981/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    柑橘果汁中の糖含量の電気化学的測定法の設定を試みた。
    (1) 強電解質を添加することによって果汁中の有機酸,塩などの導電率への影響は抑制され,果汁の導電率が糖含量に対して高い依存性を示すことを見いだした。強電解質として塩化カリウムを選び,塩化カリウム溶液中でのクエン酸およびその一カリウム塩の挙動を詳細に検討した結果,それらの導電率への影響は塩化カリウム終濃度0.6Mにおいて最小となった。
    (2) 果汁中のペクチンおよび不溶性固形物はその一般的な含有量範囲内では電導度測定に対し何ら影響を与えなかった。
    (3) 温州ミカン果汁を基にモデル果汁を設定し,糖含量と導電率との回帰式を求めた。さらに回帰式の塩化カリウム濃度依存性を明らかにし,回帰式に塩化カリウム濃度補正項を導入した。
    (4) 糖の添加実験による回収率は平均100.8%であり,測定精度はフェノール硫酸法に匹敵した。
    (5) 本法は簡易迅速かつ熟練を必要としない高精度な糖含量測定法であることから,本法に適した測定装置を開発することによって充分実用に供し得ると考える。
  • 円谷 悦造, 柴田 邦彦, 川村 吉也, 正井 博之
    1981 年 28 巻 7 号 p. 387-392
    発行日: 1981/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    細菌類,11菌株,酵母類,4菌株,カビ類,4菌株を用いて食酢の試験管内での殺菌力に及ぼす,糖類,糖アルコール類,無機塩類の効果を調べ,更に,合せ酢(甘酢,二杯酢,三杯酢)の殺菌力を比較した。その結果以下の知見が得られた。
    (1) 細菌類,酵母類,カビ類各々に対して異った結果が得られた。すなわち,食酢の殺菌力は,細菌類に対しては,ブドウ糖により弱められ,塩化ナトリウムにより強められ,酵母類に対しては,ブドウ糖及び塩化ナトリウムにより弱められ,カビ類に対しては,ブドウ糖により強められ,塩化ナトリウムにより弱められる傾向があった。
    (2) 一部の例外を除き,試験した糖類,糖類アルコールはブドウ糖と同様に,また,無機塩類は塩化ナトリウムと同様に作用した。
    (3) 合せ酢の細菌類に対する殺菌力も(1)の結果と一致した傾向を示し,その殺菌力は二杯酢,三杯酢(食酢),甘酢の順で弱まった。
    一方,醤油を使用した合せ酢では,pHの上昇が一要因となり,その殺菌力は(食酢),甘酢,二杯酢,三杯酢の順で弱まった。
  • コーヒー抽出粕より活性炭の製造(第2報)
    五島 義昭, 平林 国治, 柘植 治人, 大橋 一二
    1981 年 28 巻 7 号 p. 393-395
    発行日: 1981/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    コーヒー抽出残査を炭化し,塩化亜鉛を添加して行う塩化亜鉛法と,一定の水蒸気を送りながら行う水蒸気賦活法を併用して行つた。また賦活缶内部を0.5, 1.5kg/cmcm2に加圧して行う方法でも試作した。試作品については,JIS公定試験法4)に基づき評価した。併用賦活法は塩化亜鉛添加量が100, 150%, 900℃, 3~4時間の試作品が最もよく,ヨウ素吸着力は前報で報告した試作品より高かつた。また,加圧賦活法は1.5kg/cmcm2の方が短時間に高い性能を示した。吸着等温線から測定した結果からは,市販品よりすぐれたものもあった。水蒸気賦活法も加圧することによって生じる微細孔とガス化する部分のバランスを調節すれば,コーヒー抽出残査から,より高収率のすぐれた活性炭が得られるのではないかと思われる。
  • 百瀬 洋夫
    1981 年 28 巻 7 号 p. 396-404
    発行日: 1981/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 28 巻 7 号 p. A31-A35
    発行日: 1981/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
feedback
Top