(1) +5℃冷蔵の場合,両魚種とも冷蔵2日では
K値が約20%と低く,官能検査も良好であった。さらに総脂質の酸化状況をみると, AV, POV, COV, TBA値とも低く,刺身として食用可能であった。冷蔵4日では
K値がやや上昇し,官能検査からも煮焼き用としての使用に該当した。さらに総脂質の酸化状況をみると, AV, COV,TBA値は若干高い値を示したが, POVは低かった。冷蔵6日に入ると,
K値は初期腐敗の段階となり,官能検査からも腐敗初期に該当した。一方, AV, COV, TBA値は顕著に高い値を示したが, POVはあまり高くなかった。
(2) 刺身用の
K値から-3℃PF 10日第の試料をみると,両魚種とも約20%と低く,官能検査も良好であった。この時の総脂質の酸化状況は, AV, POV, COV, TBA値とも低く,刺身用として食用可能であった。煮焼き用としての限界
K値に達したPF20日の試料(
K:約40%)をみると,官能検査では若干,劣化がみられた。またこの時の総脂質のAVはやや高い値を示したが, POV,COV, TBA値ともあまり高い値を示さず,煮焼き用として食用可能であった。PF 30日に入ると,両魚種とも,
K値では腐敗初期(
K値:約60%)にあたり,官能検査の結果も悪かった。この時の総脂質のAVは両魚種とも高かったが, POVは低く, COV, TBAでは両魚種に差があったが,総合的にみて腐敗初期に該当した。
(3) -20℃冷凍60日間をみると,両魚種ともk値,POV, TBA値は実験最終日まで,あまり上昇せず,官能検査からも刺身として食用可能であると判断した。しかし, AVとCOVは最後まで徐々に上昇し,若干高い値を示した。
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