日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
30 巻, 8 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 伊東 裕子, 熱田 純生, 柴田 敬二, 下田 満哉, 筬島 豊
    1983 年 30 巻 8 号 p. 435-441
    発行日: 1983/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    内部標準法によるコーヒー粉末のヘッドスペースガス分析法を用いて標準アロマグラムを作成するとともに,種々の包装形態における保存中の品質変化の違いを比較した。
    (1) 工場規準に基づいて焙煎(10回,生豆100kg/回)した同一種類の豆についてガスクロマトグラフ分析および官能検査を行い,標準アロマグラムを作成した。得られたアロマグラムは満足すべき再現性を示し,今後品質管理の基準として有用と考えられた。
    (2) 3種の包装形態においてコーヒー粉末を6ヵ月間貯蔵した。「劣化の有意差*」があらわれるのはピーク5対ピーク8比を基にしていずれも4ヵ月目と判定され,官能検査の結果もこれに一致した。包装形態間の優劣は官能検査では識別されたが,ガスクロマトグラフィーによってはできなかった。
  • 中尾 真一, 湯本 恵視, 渡辺 敦夫, 木村 尚史
    1983 年 30 巻 8 号 p. 442-446
    発行日: 1983/08/15
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    高分子量物質からの低分子量物質の分離と有価成分の回収さらにBOD除去を目的として,限外濾過法および逆浸透法により,味噌製造における大豆蒸煮液を処理した。廃水中の有価成分であるタンパク質と糖は,適当な限外濾過膜および逆浸透膜を選択することにより分画回収できた。しかしながら, BODの除去は,タイトな逆浸透膜を用いても不十分であった。廃水中に含まれる高分子量物質は膜表面にゲル層を形成し,このゲル層は,水と溶質の透過現象に影響を与える。ゲル層が形成された膜の機能は,モデル液を処理した著者らの前報と極めて類似した結果を示した。
  • 中尾 真一, 湯本 恵視, 渡辺 敦夫, 木村 尚史
    1983 年 30 巻 8 号 p. 449-453
    発行日: 1983/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    味噌製造における大豆蒸煮液の処理を行った際,限外濾過膜面に形成されたゲル層をカキ取り,その性質を全固形分,全炭素および全窒素の面から分析した。また,ゲル層中の成分をゲル濾過法により分析した。これらの結果から,ゲル層は大豆タンパク質と高分子量多糖類からなり,前者の方が後者よりはるかに多量であることが明らかになった。低分子量溶質に対するゲル層の排除効果を,モデル液を使用し以前報告した立体障害-細孔モデルにより定量的な解析を行った。いくつかの仮定のもとに本方法で算出した排除率と実験結果とは良い一致を示した。従って,本解析法が実際の廃水に対しても有効であることが証明された。
  • ゴーラム モーラ, 伊藤 三郎
    1983 年 30 巻 8 号 p. 454-461
    発行日: 1983/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    グアバの白色及び桃色2品種について成熟・追熟並び貯蔵中における化学的変化,ペクチン関連酵素及びセルラーゼの変化を調べた。
    1. グアバ果実中の全ペクチン量は両品種共に成熟時では345.9-396.1mg%,追熟時では704.7-804.0mg%であった。なお,成熟及び追熟果におけるペクチンの主成分はプロトペクチン及び可溶性ペクチンであった。
    2. アルコール不溶物量及び酸度は成熟・追熟並びに貯蔵中に減少した。一方, pHは白色種では4.20から5.00,桃色種では4.00から5.20に上昇した。
    3. グアバ果実のポリガラクチュロナーゼ及びセルラーゼの最適pHは各々5.5及び6.0であった。ポリガラクチュロナーゼ活性は追熟及び貯蔵中に著しく増加した。ペクチンエステラーゼ及びセルラーゼは未熟果では,その活性はわずかであったが,成熟及び追熟中に増加した。
    4. 未熟果から完熟果へと樹上で成育中にアスコルビン酸含量は次第に増加を示した。その後20℃で10日間貯蔵したところ,全アスコルビン酸,還元型および酸化型アスコルビン酸量は白肉種では各々149.9-273.5,126.7-224.0及び23.3-49.5mg%,桃色種では各々166.5-270.3, 146.2-203.8及び26.4-66.5mg%となり,著しく増加することを見出した。このビタミンC含量の増加は,貯蔵中に果実が老化,腐敗を生ずるまで続くことが認められた。
  • 豊田 正武, 慶田 雅洋
    1983 年 30 巻 8 号 p. 462-466
    発行日: 1983/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    プロセスチーズ,ハム,ソーセージから,氷冷した20%TCAにて各種リン酸を抽出し,分画にDowex AG1×4の陰イオン交換樹脂カラムクロマトグラフィーを用い, 0.15M, 0,26M, 0.38M塩化カリウム溶出液(pH5.0, 0.5mM EDTA含有)にてオルト,ピロ,トリリン酸を, 2N塩酸にてその他のポリリン酸を溶出させた。溶出したポリリン酸は過塩素酸にて加熱分解後,リンモリブデン錯体とし,酢酸プチルにて抽出し,比色定量した。
    プロセスチーズの総リン酸は五酸化リンとして1.21~2.20%で,その内ポリリン酸は0.21~1.30%で,オルトリン酸/ポリリン酸の比率は0.48~4.52であった。一方ハム,ソーセージでは総リン酸は0.37~0.75%で,その内ポリリン酸が0.16~0.44%で,上記の比率は0.25~1.54で,後者の食品群でポリリン酸の使用比率が高い。
  • 吉田 企世子, 太田 英明, 百留 公明, 青柳 英夫, 岡部 光雄, 薄田 亘
    1983 年 30 巻 8 号 p. 467-475
    発行日: 1983/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    各種容器が貯蔵中の温州ミカン果汁の品質に及ぼす影響について試験した。12°Brixの温州ミカン果汁(濃縮還元果汁)をガラスびん,金属缶(TFS缶)およびプラスチック容器に熱間充填,密封し,水冷後, 37℃, 20℃あるいは5℃で3ヵ月間貯蔵した。各試料のアスコルビン酸,褐変度(OD 430nm),ヒドロキシメチルフルフラールおよび官能検査を経時的に分析,調査した。
    供試プラスチック容器中,スタンディングパウチ(ON/Al/PE)およびAl入り積層紙カップ果汁の品質を良く保待しており,ガラスびんおよび金属缶と匹敵した。他方,酸素を透過するスタンディングパウチ(KON/PEおよびON/PE)ならびにプラスチック部分補強Al入り積層紙カップは,アスコルビン酸の減少および褐変度の増加が大で,官能評価も悪かった。
    小出し使用において,ヘッドスペースを生じないエキタイト容器(Bag in Box)は,ヘッドスペースのあるガラスびんより良く品質を保持した。
  • 竹尾 忠一
    1983 年 30 巻 8 号 p. 476-479
    発行日: 1983/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    茶浸出液中の無機成分中, Ca, Mg, Al, Mn, Zn, B,Pはプラズマ発光分光分析法により, Kは炎光分光分析法によって,浸出液を前処理することなく直接定量することが可能であることがわかった。
    直接定量法により,茶無機成分の飲用時における溶出量を,煎茶とかまいり茶を用いて検討し,無機成分の溶出特性を調べた。
  • 星 祐二, 山内 文男
    1983 年 30 巻 8 号 p. 480-481
    発行日: 1983/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    湿度と温度を利用して凍結乾燥大豆タンパク質をゲル化させることができた。凍結乾燥タンパク質を相対湿度96%, 50℃下で2日間保存し,吸湿後適当量のリン酸カリウム緩衝液を加えると,タンパク質はゲル状を呈した。
    吸湿させる際に物理的処理を凍結乾燥タンパク質に施すことによって異なった性状のゲルが得られた。
  • 1983 年 30 巻 8 号 p. A48-A55
    発行日: 1983/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
feedback
Top