冷凍ショーケース4台(リーチ・イン,上面スライド,セミオープンの3型式,有効内容積145~292l)を対象にして,それの消費電力量と稼動率に影響を及ぼす要因について検討した。また,赤外線温度計で冷凍ショーケースの表面温度を測定し,表面放熱量と消費電力量との関係を検討した。得られた結果は次の通りである。
(1) 気温が22~28℃の領域において,日光や風の直接的な影響のない場合の気温と消費電力量,および,気温と稼動率の間の関係を測定し,それそれ,式(2),式(4)に示される結果を得た。
(2) 気温が22~23℃,強制風速のない環境の下で,冷凍ショーケースのガラスカバーやナイトカバーを開けた状態で運転したときの消費電力量と稼動率は,カバーを閉じて運転したときに比べて1.1~1.6倍大きかった。
(3) 気温が25~26℃の下で,冷凍ショーケースの放熱器に1~2m/sの風を当てたり,発泡ポリスチロールでカバーをして運転したときの消費電力量と稼動率は,風やカバーの影響のない状態で運転したときに比べて,前者は2.2%小さく後者は3.8%大きかった。
(4) 冷凍ショーケースの表面放熱量と消費電力量との間には,明確な相関性は認められなかった。その理由としては,冷凍ショーケースの附属品(コンプレッサー,防露ヒーター,照明電灯等)から生じた熱が冷蔵庫内に短絡された形で循環する現象が無視できないことによるものと考えられた。したがって,一般的には,自己熱源と冷蔵庫内との間の断熱材の設計が,効果的な省エネルギーにたきく寄与するものと考えらわる。
抄録全体を表示