日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
34 巻 , 3 号
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  • 辻 昭二郎
    1987 年 34 巻 3 号 p. 137-142
    発行日: 1987/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    製菓などに使用される,泡立てた卵白,全卵の泡立て液,加熱した加糖卵白などについて,新たに開発した多重バイト試験法を適用し,その物性を検討した.
    (1) 多重バイト試験法は泡立てた卵白ゲル,全卵の泡立て液などの物性の検討に有用であった.
    (2) 卵白の泡立て時間,加糖や加糖量,泡のpHなどによる泡の物性の差は多重バイト試験法によるプランジャーの仕事量のパラメーターで比較できる.
    (3) 放置にともなう泡の物性の変化も多重バイト試験法のパラメーターで比較できる.
    (4) 卵白の泡立てにともなう物性の変化や卵白ゲルの物性も多重バイトプロファイル曲線やその特性値の解析で検討できる.
    (5) 泡立てた卵白の泡やその加熱にともなうみかけのかたさの変化なども,多点測定多重バイト試験法で多面的に比較できる.
  • 門間 美千子, 府中 英孝, 杉本 敏男, 橋詰 和宗, 斎尾 恭子
    1987 年 34 巻 3 号 p. 143-147
    発行日: 1987/03/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    大豆種子リポキシゲナーゼの攪はんによる失活の機構を解明するため,失活によって生成した沈澱物の溶解性,攪はん中のSH基の挙動,SH試薬に対する安定性,起泡と失活との関係について検討した.攪はんによる沈澱物は分子間SS結合その他による重合物であった.攪はん中にリポキシゲナーゼ分子内SH基の露出がみられた.リポキシゲナーゼは酸化剤やSH封鎖剤に対して安定でSS還元剤には不安定だった.起泡によっても失活し,攪はんおよび起泡による失活は界面活性剤を添加すると抑えられた.以上の結果から,リポキシゲナーゼは攪はんによりアンホールディングし分子間SS結合やその他の結合により重合して沈澱することが明らかとなった.起泡による表面変性がリポキシゲナーゼ失活の原因であると推定された.
  • ワイン醸造におけるSO2の有効利用に関する研究(第14報)
    渡辺 正平, 飯野 修一, 野白 喜久雄
    1987 年 34 巻 3 号 p. 148-154
    発行日: 1987/03/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    赤ワイン醸造の特徴である“かもし”仕込み工程の果皮が,主要SO2受容体であるAcH, PA及びα-KGのワイン中におけるSO2結合率を阻害しているものと考え,3受容体のSO2結合率の低下に及ぼすワイン醸造中のブドウ果皮の影響を検討し,さらにF-SO2含量,pH及び温度との関連と調べた結果,次のことが明らかとなった.
    (1) AcHなど主要SO2受容体3成分のSO2結合率は,“かもし”仕込み工程の果皮の存在によって明らかに低下し,赤ワインのSO2結合率は白ワインより顕著に低かった.
    (2) 受容体3成分のSO2結合率は,液及び“かもし”仕込みに関係なく,ワイン中のF-SO2含量の高いほど,かつ温度の低いほど高くなり,この傾向はAcHよりPA及びα-KGで強かった.しかし,ワインのpHのSO2結合率に及ぼす影響は小さかった.
    (3) 試醸ワインのAcH, PA及びα-KGの定量値から,これに結合すべきSO2量を,実験で求めた3受容体のSO2結合率から算出したB-SO2の合計値(EL)とSO2結合能測定試験で得られたB-SO2の実測値(AL)とを比較すると,ALが常にELより大きな値を示し,SO2結合能(EL/AL)は73~87%であった.
    (4) これまで赤ワインに認められたALがELより小さくなる不合理な結果は,実際よりも3受容体のSO2結合率を高く見做していたことに原因していることを明らかにした.
  • 近 雅代, 榛葉 良之助
    1987 年 34 巻 3 号 p. 155-162
    発行日: 1987/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    '四ッ溝柿'(Diospyros kaki Thunb. var. Yotsumizo)のカロチノイド組成が成熟中,および貯蔵,干し柿加工後にどのように変化するかについて果皮と果肉に分けて調べた.
    (1) カロチノイド量は成熟するにつれ果皮,果肉ともに増加し,特に完熟直前から急増した.果皮ではβ-カロチン,クリプトキサンチン,果肉ではクリプトキサンチンの増加が著しく,完熟時にはそれぞれ24%, 18%,37%であった.完熟時,果肉のカロチノイド量は果皮の約1/9に留まった.
    (2) 成熟中におけるカロチノイド量と赤色度を表わすa値との間には,果皮では0.986,果肉では0.934の正の相関が得られた.
    (3) 貯蔵により果皮カロチノイドの増加量(20mg/100g)は著しく多量となった.これはβ-カロチンの35mg/100gの増加とルテイン,アンテラキサンチン,クリプトキサンチンの減少とゼアキサンチン,ビオラキサンチン,シスアンテラキサンチンの消失によった.果肉のカロチノイド量の増加はわずかであり,その中でβ-カロチンは増加し,クリプトキサンチンは減少した.
    (4) 干し柿ではカロチノイド量は完熟果の3倍になった.しかし生鮮物に換算し直すと約17%の減少となった.減少の1/2はβ-カロチンであり1/4はクリプトキサンチンであった.また生鮮時5, 6エポキシカロチノイドであったものが干し柿加工によってすべて5, 8エポキシドに異性化された.さらにリコピンやハイドロキシ-α-カロチンなどの生果ではみられなかったカロチノイドが観察された.
    (5) クロロフィル量は成熟するにつれ果皮では減少したが消失することなく完熟時にも残存していた.果肉では成熟中ほとんど変化がなく完熟時には果皮の1/3であった.貯蔵によってクロロフィル量は果皮,果肉ともに変化しなかった.
  • 魚住 純, 河野 澄夫, 岩元 睦夫, 西成 勝好
    1987 年 34 巻 3 号 p. 163-170
    発行日: 1987/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    色むらのある食品の平均的色彩の測定に有効な,可視分光分析装置を試作した.この装置は,大型積分球方式による単光束式分光光度計を基本とし,分光器の駆動,データの収集,およびデータ処理をマイクロコンピュータ化したものである.この装置では,色むらのある食品の可視反射吸収スペクトルあるいは蛍光スペクトルを非破壊的に測定し,得られるスペクトルに種々のデータ処理を施すことにより,食品の色と品質特性の関係を定量的に調べることが出来る.現在装備しているデータ処理は,反射率,吸光度,移動平均,SAVITZKY-GOLAYの平滑化,微分スペクトル,ピーク面積,諸表色系パラメータ,差スペクトル,スペクトルの和,重回帰分析などである.測定例として,5種類の青果物の反射吸収スペクトルとその2次微分スペクトル,および表皮を損傷した温州ミカンの蛍光スペクトルとその差スペクトルを示した.それらのデータをもとに,装置の性能と問題点について検討した.
  • ワイン醸造におけるSO2の有効利用に関する研究(第15報)
    渡辺 正平, 飯野 修一, 野白 喜久雄
    1987 年 34 巻 3 号 p. 171-177
    発行日: 1987/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    ワインの主要SO2受容体である3成分(AcH, PA及びα-KG)のSO2結合率を求め,それから算出した,それらの3成分と結合したB-SO2の合計量(EL)と実測した全B-SO2量(AL)との比(EL/AL%)をSO2結合能とし,種々のワインを供試して,次の結果を得た.
    (1) 醸造年度別ワイン11種,原料ブドウ品種別8種,新・古酒別60種及び外国産22種,合計101種を供試したが,SO2結合能と種類別との間に関連性は認められなかった.
    (2) 白ワインのSO2受容体3成分のSO2結合率は,赤ワインのそれよりも顕著に高い値を示した.
    (3) 供試ワインのSO2結合能は大略60~80%であった.
  • 甘藷を素材とするスナック食品の開発(第4報)
    馬場 透, 田丸 保夫, 河野 利治, 渡辺 敦夫
    1987 年 34 巻 3 号 p. 178-184
    発行日: 1987/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    乾燥サツマイモ粉末(いも粉)に対するマイクロ波照射の影響を検討した.照射処理は凍結乾燥後水分調節したいも粉に,出力180W (2450MHz)で480秒まで60秒間隔で行なった.その結果,いも粉中のデンプン分解酵素(α-,β-アミラーゼ)の不活性化に有効であることがわかった.デンプン分解酵素の失活速度は,いも粉の初期含水量によって著しい影響を受け,含水量の多い試料では短時間の照射で失活した.
    照射いも粉(水分15%,照射時間420秒)の物理化学的性質の変化を無処理と比較すると以下のようであった.(1) 保水量の増加(2) 粘度の増加(3) 調理ドウ中の還元糖の減少とデンプン価の増加(4) デンプンの老化度の増加(5) ポリフェノールオキシダーゼ活性の減少.
    照射いも粉を用いた膨化食品の試作においては,膨化率の大きい食感のよいものが得られた.
  • 食品および関連試料中の無機成分定量のための塩酸抽出法(第3報)
    鈴木 忠直, 安井 明美, 小泉 英夫, 堤 忠一
    1987 年 34 巻 3 号 p. 185-189
    発行日: 1987/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    大豆,枝豆およびきな粉中の,K, Mg, Ca, Zn, Mn, CuおよびFeを原子吸光法により定量するための前処理法として,塩酸抽出法の適用性を白金皿を用いる乾式灰化法と比較検討した.
    均質化調製試料をポリプロピレンびんに量り取り,1%または3%塩酸を加えて,室温または70~80℃で加温しながら時々振り混ぜて1時間抽出して試料溶液を調製し,各元素を原子吸光法で測定した.同時に乾式灰化法による試料溶液を用い原子吸光法で測定した値と比較し以下のことがわかった.
    (1) 1%塩酸室温抽出によりK, Mg, Ca, ZnおよびMnは完全に抽出された.
    (2) 1%塩酸70~80℃加温抽出により上記金属に加えCuも完全に抽出された.
    (3) 3%塩酸70~80℃加温抽出により上記金属は全て抽出され,Feも90~95%抽出された.
  • 張 鴻民, 早川 功, 篠原 和毅, 大村 浩久, 星 昌和, 笹本 泰彦, 野中 道夫
    1987 年 34 巻 3 号 p. 190-196
    発行日: 1987/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    脱殼南極産オキアミとアルギン酸Na及びNaOHから調製されたドープを用いて,湿式紡糸法で組織化試験をし,次の様な結果を得た.オキアミの紡糸特性はアルギン酸Naの添加割合で強く影響を受けた.また,その紡糸特性はある範囲に於いて,ドープの蛋白質濃度とNaOH量の間に相関関係を示した.優れたドープでは,凝固液がpH 5, 3.8% CaCl2の時,35m/min以上の巻取り速度を示した.また,凝固液温度が45℃以下であるならば,製品強度は影響を受けず,蛋白質の回収率はドープの全窒素の70%を示し,約6%の塩溶性蛋白質の流出が見られた.また,海水にCaCl2を添加し,凝固液として使用した結果,海水が凝固液のベースとして,十分,実用に供し得る事を明らかにした.
  • 張 鴻民, 早川 功, 篠原 和毅, 大村 浩久, 星 呂和, 笹本 泰彦, 野中 道夫
    1987 年 34 巻 3 号 p. 197-202
    発行日: 1987/03/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    南極産オキアミ筋肉タンパク質はドープ調製中における変性や加水分解を生じ易い為,均一な紡糸製品を得る事は難しい.これはドープがミキシング中における発熱によって生じるものである.この様な紡糸性の低下をSDS-ゲル電気泳動法やゲル濾過法を用いて検討した結果,ドープ調製時の温度が48℃及びアルカリ濃度が0.4%(w/w)であるなら,得られたドープは優れた紡糸性を有する.ゲル濾過溶出パターンでは原料中に認められた3つのピークがアルギン酸ソーダやk-カラギナンの添加により顕著に変化する.しかし,SDS-ゲル電気泳動パターンでは対照と同一のパターンを示す事から紡糸時のオキアミタンパク質と多糖類は強固な化学的結合を作らず,絡み合い的な比較的弱い結合により繊維を形成するものと推察される.
  • 小宮山 美弘
    1987 年 34 巻 3 号 p. 203-210
    発行日: 1987/03/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
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