日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
35 巻, 7 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 池上 徹, 下田 満哉, 筬島 豊
    1988 年35 巻7 号 p. 457-463
    発行日: 1988/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル オープンアクセス
    40種類の揮発性化合物を含む試料容液をパウチポリエチレンテレフタレート(PET)/アルミ箔(Al)/未延伸ポリプロピレン(PP))に充填し,各種香気成分の収着に及ぼすフィルム特性及び香気成分の分子構造の影響について検討した.
    (1) 各化合物の分配比(内面フィルム中の量/内容液中の量)は官能基の種類により大きく影響をうけた.テルペン炭化水素類が最大であり,ポ次いでエステル類,ア収着されにくいことが明らかとなった.
    (2) 各同族列(エステル類,アルデヒド類)では,炭素数と分配比の対数値との間に良好な直線関係が存在し,香気成分の炭素数が2個増えるごとに分配比は約10倍になった.しかしながら,炭素数10以上では直線関係は認められず,このことはフィルムへの香気成分の溶の際の立体的障害によるものと考えられた.(3) PPとPEについて溶解度係数と拡散係数を比較すると, PPの方が溶解度係数が大きく,平衡に達した後にはフィルムへの収着量が大きかった.一方,拡散係数はPEの約20分の1であり,香気成分の収着はPEに比べてゆっくりと進行する.
  • 河 貴現, 五十嵐 脩
    1988 年35 巻7 号 p. 464-470
    発行日: 1988/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル オープンアクセス
    コーン油を用い, AOM法によりToc同族体の消長と相互関係を単独あるいは混合添加系で比較した.また,相乗剤としてL-AsA palmitateを用いα-Tocとの相乗効果を検討した.得られた結果は下記の通りである.
    (1) コーン油にTocを0.1, 0.05, 0.02%の濃度で単独添加すると添加量の増加と共に抗酸化力は減少し,0.1, 0.05%の添加では抗酸化力はγ-Toc>δ-Toc>α-Tocの順であり, 0.02%ではα-Toc>δ-Toc>γ-Tocの順であった.
    (2) α-Tocとγ-またはδ-Tocを0.1, 0.05, 0.02%の濃度で混合添加すると単独添加に比べ著しく抗酸化力が増加し, 0.02%の共存系ではかなり抗酸化力が増強された.
    (3) 0.02, 0.05%の濃度の単独添加においてはPOVとTocの残存率の間に一定の傾向が見られ,一定のPOVに達するまでのToc同族体の消費量はα-Toc>γ-Toc>δ-Tocの順であった.
    (4) Tocを混合添加した際のTocの残存量を見ると,α-Tocが消失してからγ-Tocとδ-Tocが分解することが観察された. α-Tocはγ-またはδ-Tocとの共存系において, γ-Tocまたはδ-Tocラジカルへの水素供与体として作用するものと考えられる.
    (5) α-TocとL-AsA palmitateを2.5×10 -3M,または2.5×10 -4Mの濃度で併用添加すると抗酸化力が増加し,特に2.5×10 -3Mの場合,抗酸化力の増大が大きかった.そして, α-TocとL-AsA palmitateの残存量から見るとL-AsA palmitateが先に消費されてからα-Tocの分解が始めることが観察され, L-AsApalmitateがα-Tocラジカルへの水素供与体として作用することが確認された.
  • 五十部 誠一郎, 野口 明徳
    1988 年35 巻7 号 p. 471-479
    発行日: 1988/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル オープンアクセス
    2軸エクストルーダーと射出成形用金型によってDSFの射出成形を試み,成形物について微細構造等を検討した.
    (1) 金型の形状に充填・組織化した成形物を得た.金型温度0, 50℃においては成形物側面部に充填方向に走る繊維性の層状構造が認められ,中央部においては多孔質構造であった. 150℃においては側面部の繊維性構造は顕著ではなく,多孔質構造が全体に認あられた.
    (2) 繊維性構造の成因は充填時の金型温度,冷却速度及び材料移動速度に影響される金型壁面との剪断であると考えられる.
    (3) 従来の押出し成形における繊維性発現も同様なメカニズムと考えられ,全体に繊維性を有する構造の押出し物を得るにはその厚みに限界が有ると考えられる.
    (4) SDS電気泳動より各蛋白画分の反応度合が異なり,金型の温度が高温であるほど可溶成分の減少が著しい.
    なお,本研究の1部は日本食品工業会第34回大会及び化学工学会北海道大会シンポジウム「化学工学と食品にて発表した.
  • 橋本 俊郎, 田所 洋弌
    1988 年35 巻7 号 p. 480-482
    発行日: 1988/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル オープンアクセス
    低食塩の塩漬大根を,脱酸素剤と窒素ガスを併用した環境下で11月中旬より8月下旬までの280日間貯蔵し,その間の漬液の成分と微生物相の変化をしらべた.
    上記の条件で,好気性グラム陰性細菌の生育は完全に抑制され,亜硝酸イオンの生成は認められなかった.貯蔵の前半は乳酸菌が増殖し酵母の増殖を抑え,リンゴ酸の減少と乳酸の増加が認められた.貯蔵の後半に乳酸菌がほとんど死滅した後,品温の上昇と共に酵母が急激に増加し,糖の消費を伴ってアルコールの増加が認められた.
    貯蔵期間中,塩漬大根は鮮やかな黄色を保持し, 8月末の280日貯蔵後もよい品質を保った.
  • 福田 靖子, 大澤 俊彦, 川岸 舜朗, 並木 満夫
    1988 年35 巻7 号 p. 483-486
    発行日: 1988/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル オープンアクセス
    セサモリン(セサモール,セサミノールの前駆体)の含量および3種のリグナン系抗酸化性物質の含量を国産14品種のゴマ種子より抽出した油について測定し,次の結果を得た.
    (1) セサモリン含量の多い品種はNo.638, 126, 48, 201であった.
    (2) 遺伝形質(BON, BAN, 3BO, 3BA)及び種子の色(黒と白)とセサモリン含量には,相関は認められなかった.
    (3) セサミン量(セサモリンと共存)に対するセサモリン量の比について,黒ゴマ及び白ゴマ5種ずつを統計処理(t検定)を行った結果, 5%の危険率で,黒ゴマ種子の方が,セサミンに対するセサモリンの比率が高かった.
    (4) 3種のリグナン抗酸化性物質およびセサモールの含量は,いずれの品種においても微量であった.
    (5) 野生種黒ゴマ種子3種の中では,マレーシア国サバ州の種子のセサモリン量が著しく多かった.
  • 阿南 豊正, 高柳 博次, 池ケ谷 賢次郎
    1988 年35 巻7 号 p. 487-490
    発行日: 1988/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル オープンアクセス
    (1) 紅茶のテアフラビン類の HPLC による定量法を検討した.分析は,カラム; ODS-120A (10μm,東洋ソーダ, 4.6mmφ×25cm),カラム温度; 57℃,移動相;水一アセトンーリン酸(385:110:1.5, v/v)流量; 1.0ml/min,チャート速度; 5mm/min,検出; 375nmで行った.
    (2) 100ml中に内標準物質としてプルプロガリンを0.6mg含む場合,〔テアフラビンのピーク面(mm2)/プルプロガリンのピーク面積(mm2)〕をx, 100ml中のテアフラビン類の量(mg)をyとした検量線の回帰式は, TF; y=1.477x-0.053, TF-1; y=1.341x+0.076, TF-1'; y=1.327x+0.088, TF-2; y=1.221x+0.189であった.
    (3) 試料溶液の調製は,次のように行った.まず紅茶(粉末) 1gを100mlのメスフラスコにとり, 0.6mgのプルプロガリンを含むアセトン溶液20mlと蒸留水30mlを加え,スターラーで撹拌しつつ室温で30分間抽出した.その後,蒸留水を加えて100mlの定容とし,遠心分離(3000rpm, 5分間)後,上澄液を0.45μmのフィルターでろ過し,試料溶液とした.なお,分析にはその90μlを注入した.本法による回収率は91.1~96.0%,分析値の変動係数は, 3.30~4.20%であった.
  • Mario PEREZ Won, 篠原 和毅, 関本 敬介, 野中 美智子, 早川 功, 大村 浩久
    1988 年35 巻7 号 p. 491-496
    発行日: 1988/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル オープンアクセス
    イワシ肉からタンパク質を分離し試作装置を用いて紡糸試験を行ない次の成果を得た.
    (1) ドープのタンパク質濃度は約3.5%が限度であった.
    (2) ドープにはアルギン酸ナトリウムの添加が必要であり,タンパク質に対する割合は3:1~5:1で良好であった,一方タンパク質:NaOH比は10:1~20:1でずぐれた可紡性を示した.
    (3) 凝固液は酸性が望ましいが,紡糸性のほか,糸の大きさ,強さ,弾性,タンパク質含量など製品の特性も凝固液のpHによりかなり変動した.
    (4) 紡糸製品は含硫アミノ酸が多少不足気味であるほかは良好なアミノ酸組成を示した.本研究の一部は昭和58年度日本食品工業学会西日本支部大会(1983年12月3日,下関)において報告した.
  • 真部 正敏, 猶原 順, 佐藤 禎, 岡田 純也
    1988 年35 巻7 号 p. 497-501
    発行日: 1988/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル オープンアクセス
    温州ミカンとリンゴのパルプに0.05N塩酸液など3種の抽出液を加え, Mw (2450MHz, 1030w)を1回につき5分間照射してペクチンを抽出し,抽出の効果,抽出されたペクチンの性状を調べた.
    (1) Mw加熱による抽出では,湯浴による加熱抽出に比べて,抽出に要する時間は著しく短縮された.また,抽出されるペクチン量は, Mw加熱法の方が高かった.
    (2) Mw加熱による抽出液をエタノール沈殿して調製したペクチンのガラクツロン酸量,エステル化度および相対粘度は, Mwの照射回数が増すに従って減少した.
  • 佐藤 泰, 鈴木 康葉
    1988 年35 巻7 号 p. 502-506
    発行日: 1988/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル オープンアクセス
    有機溶媒を使わずHbからヘムを除去する費用のかからぬ工業的方法について最適条件を見出すのが研究の目的である.そのためHbの酸性溶液から種々の条件でヘムを除いた溶液につきヘム残留率とGb回収率を測定した.最適条件は次の通りであった.すなわちHb溶液のpHは1.7, Hbの酸性溶液中の塩化ナトリウム濃度は0.005M以下,遠心力と遠心時間は14500×Gで45~60分間, Hb量に対し40~60%の活性炭またはカオリンを使用し,添加後24時間以上撹拌を続けること,であった. L-アスコルビン酸添加はヘム除去に対し著しい効果を示さなかった.上記の条件でヘム残留率は17%, Gb回収率は90%となった.遠心法で脱色した後, CMCクロマトを適用すると,ヘム残留率は7.3%に低下し,処理液を中和して分離したGb乾燥粉末の回収率は74%になった.またGbの構造変化を許容すれば, Hb溶液の加熱によりヘム残留率を一層低減できることが分った.
  • 野中 美智子, Jose Luis POTEY L, 蔡 震寿, 村上 浩紀, 大村 浩久
    1988 年35 巻7 号 p. 507-512
    発行日: 1988/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル オープンアクセス
    凍結イワシフィレーを磨砕し,これに鶏卵,ついで大豆油を加えて乳化処理を行ない,それらの工程におけるテクスチャー曲線を求め,応力が処理工程にともない低下することを認めた.さらに,硬さ,凝集性,付着性,ガム性,ぜい性度などの特性値を求めた.イワシフィレーのみの磨砕物の値は市販マヨネーズのものよりも高かったが,処理工程にともなって,凝集性にはほとんど変化はなく,その他の特性値はいずれも低下し,最終乳化標品の値はマヨネーズのものよりも低くなった.しかし,その低下度は特性値の種類によりそれぞれ異なった.
    また乳化物調製における鶏卵および大豆油の混合割合をイワシフィレーに対しそれぞれ0~0.5および0~4の範囲に変えて特性値を求めた.その結果,これらの場合も凝集性以外の値は,特性値に応じて程度は異なるが,それぞれ類似の変動を示した.
  • 宇田 靖, 久保田 進弥, 前田 安彦
    1988 年35 巻7 号 p. 513-517
    発行日: 1988/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル オープンアクセス
    Changes in amounts of volatile isothiocyanates were studied in the salted products of Yamagataseisai, Takana, Nozawana and Hiroshimana during their storage at 2°C and -22°C. Volatile isothiocyanates collected by lyophilization were analyzed by gas chromatography, and their relative amounts were compared periodically during the storage. In the case of storage at 2°C, major part of volatile isothiocyanates decreased rapidly in their relative amounts within 35 days, though their decrease rates were slower in Yamagataseisaizuke than Nozawana-zuke and Hiroshimana-zuke. On the other hand, much higher content of voaltile isothiocyanates could be found in the salted vegetables stored at-22°C than in those stored at2°C. In the frozen storage, volatile isothiocyanates were well retained for at least 3 months, though 3-methylthiopropyl, 4-methylthiobutyl, and 5-methylthiopentyl isothiocyanates seemed to be unstable even at-22°C.
  • 野口 義恭
    1988 年35 巻7 号 p. 519-520
    発行日: 1988/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル オープンアクセス
  • 1988 年35 巻7 号 p. A33-A39
    発行日: 1988/07/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル オープンアクセス
feedback
Top