シロタモギタケの熱水抽出画分を, Sephacryl S-400ゲルで分画したP-2及びP-3について,ゲルろ過,超遠心分析,電気泳動により均一物質であることを確認した後,構造解析を行なった.
(1) 物理的性質は,旋光度〔
a〕
20D及び赤外吸収スペクトルの結果から, P-2及びP-3共にβ結合を優位とする構造であることがわかった.これらの平均分子量はP-2約108000, P-3約16000であった.
(2) 構成糖については, P-2はマンノース,ガラクトース,グルコースから成り,そのモル比は1.0:2.3:1.4であり, P-3はマンノース,ガラクトースが1.0:3.1からなるグリカンであることがわかった.
(3)過ヨウ素酸酸化,スミス分解,メチル化分析及び酸部分分解-メチル化分析の結果, P-2はマンノースの非還元末端,グルコース(1→3),ガラクトース(1→6),グルコース(1→3)(1→6),ガラクトース(1→2)(1→6)の比がおおむね3:2:4:1:2であることがわかった.
以上, P-2はグルコースの(1→3)結合をcoreとしガラクトースの(1→6)結合の枝の中に,さらにガラクトースの(1→6)結合の枝を持ち,いずれも非還元末端にマンノースを有する構造であることが推察された.
P-3はマンノースの非還元末端,ガラクトース(1→6),ガラクトース(1→2)(1→6)がおおむね1:2:1であり, P-3はガラクトースの(1→6)結合をcoreとし,ガラクトースの(1→6)結合の枝を持ち,いずれも非還元末端にマンノースを有する構造であることが推察された.
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