23個の具体的匂い用語群について,13個の抽象的匂い用語群がどのように関与しているのかを明らかにした.
(1) 具体的匂い用語群A~Fは“不快臭”と意味付けることができたが,これらは抽象的匂い用語群9(悪臭)で特徴付けられた.
(2) 用語群G~Jには“動物性食品の匂い・脂臭さ”を表す用語が分類され,寄与の大きかった抽象的用語群は1(広がりのある),2(丸みのある・穏やかな),11(甘い・暖かい)であった.
(3) 各パネル間で最も一致度の高かった用語群で“焦げ臭”を表すK群は7(刺激性)と13(乾いた)の寄与が大きかった.また,「温泉臭」を主とするL群は,特徴のある反応を示さなかったが,共通する抽象的用語群は9であった.
(4) “揮発性の高い匂い”と意味付けられた用語群M~Oの分類には抽象的用語群7と8(活気のある・生き生きとした)の寄与が大きく,その他に10(冷涼感)または13(乾いた)のウェイトが大きかった.
(5) 用語群P~Tは“植物性の匂い”と意味付けることができたが,これらのグループに共通する抽象的用語群は1, 2, 3(軽い・爽やかな)及び8であった.
(6) “乾いた匂い”と意味付けられた用語群U~Wには13(乾いた)の寄与が著しく大きく,加えて4(平坦な・特徴のない)への反応が共通して認められた.
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