日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
9 巻, 9 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • リコピンの安定度について
    竹花 秀太郎, 小倉 長雄
    1962 年 9 巻 9 号 p. 373-378
    発行日: 1962/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) トマトパルプ中のリコピンは熱,光に対して安定である。
    (2) 単離されたリコピンの結晶は不安定で,すみやかに酸化されて退色する。真空中で冷暗所に保つことは退色防止に効果がある。
    (3) リコピン溶液の色調は溶媒によって異なり,極大吸収値も異なる。溶液中でも退色が認められるが,ヘキサン,石油エーテルでは退色の程度が少ない。抗酸化剤の添加により退色が防止できることから,やはり酸化が大きな要素であると考えられる。
    (4) リコピンは酸,酸化剤によってもすみやかに分解され,金属塩によっても退色するがアルカリには安定である。
    (5) ショ糖懸濁液中ではリコピンはかなり安定で,酸,酸化剤,金属塩などの影響から保護されているものと考えられる。
  • 藤中温州の採取時期別脱皮条件について
    根岸 正好, 吉沢 守
    1962 年 9 巻 9 号 p. 378-382
    発行日: 1962/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 1959年度より罐詰加工期間の延長と中生温州,とくに藤中温州の加工適応条件を知るため試験を実施した。
    (2) 1959年度試験において,中生温州は10, 11月に採取したものは果肉の黄色が強く,肉質もろく,普通温州と同条件で脱皮した場合ブロークン率が高く,ファンシー歩留りが悪いので,中生温州についての適応した脱皮条件を知る必要が認められた。
    (3) とくに10月採取した中生温州の罐詰加工は歩留り,果肉色,肉質から不適当と認められた。
    (4) 1959年度試験の結果,中生,とくに藤中温州に適応する脱皮条件を知るため,1960年度酸,アルカリの濃度,時間について試験した結果,11月採取のものについては塩酸0.4% 50分,カセイソーダ0.2% 7~8分,12月に採取したものは,塩酸0.4% 60分,カセイソーダ0.2% 10分が適当と思われた。
    (5) 中生種は普通種に比較すると,塩酸,カセイソーダの濃度,処理時間とも相当異なるので,11, 12月中の両種の混合脱皮は絶対避けなければならない。
    (6) 中生種も年を越したものについては,大体普通温州と同一条件で加工できると思われるが,なお果肉色の比較とともに第2報において報告したいと考えている。
  • 藤中温州の果肉色および普通温州との混合脱皮について
    吉沢 守, 和地 清, 根岸 正好, 酒井 豊
    1962 年 9 巻 9 号 p. 383-386
    発行日: 1962/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 1960年度(35年)までの試験に基いて藤中温州の12月,1月におけるシラップ漬罐詰加工における最適条件および普通温州との混合加工の適否,ならびに果肉色の差違について試験を実施した。
    (2) 12月における藤中温州の加工については,第1報のとおり藤中適法(塩酸0.4%, 60分,カセイソーダ0.2% 10分)が良結果を得ることを確認すると同時に,藤中,普通温州の混合については,絶対避けなければならないことを確認した。
    (3) 1月における加工については藤中単用の場合はもちろん,混合の場合においても普通温州と同一条件によって支障ないことを認めた。
    (4) 果肉色については12月中旬以降,藤中,普通温州とも肉詰時から120日目開罐時においてほとんど差がなく,問題がないと思われた。
  • 種麹製造における木灰と製麹について
    松浦 慎治, 中野 政弘
    1962 年 9 巻 9 号 p. 386-391
    発行日: 1962/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 種麹製造に用いられる木灰は堅木の葉や小枝を焼いたもので,水溶液のpHは10内外を示し,カリウムとして8%位含んでいる。
    (2) 従来からいわれているように,木灰添加が麹菌の繁殖を促進する効果のあることは,麹の発熱,糖化度,生育速度の諸実験から認められた。
    (3) 木灰を添加して製造した種麹から作った麹には木灰の影響がないことが,酵素力その他の実験結果から証明される。
  • 木灰が胞子に及ぼす影響,とくに胞子柄短縮と胞子の耐久性増大効果について
    松浦 慎治, 中野 政弘
    1962 年 9 巻 9 号 p. 392-396
    発行日: 1962/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 胞子に及ぼす木灰添加の影響として,従来から認められているように一般に胞子の形成は促進された。
    (2) 木灰により胞子自体の色をよくする効果は認めることができなかった。
    (3) 木灰により胞子柄が短縮し,短毛型になり,この変化は玄米より白米において,より顕著であることを認めた。これは種麹の一般的外観を良好ならしめる。
    (4) 種麹を悪環境に貯蔵した場合,胞子の発芽率を比較すると,木灰を添加したものは明らかに耐久性を有する事実を認めた。
  • 無機塩類,とくにカリウム塩が胞子形成および胞子柄長に及ぼす影響について
    松浦 慎治, 中野 政弘
    1962 年 9 巻 9 号 p. 396-402
    発行日: 1962/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    種麹製造に使用する木灰の有効成分について,胞子形成および胞子柄短縮作用を指標として各種無機塩類の効果を米培養および合成培地により比較した。K, Na, Ca, Mg, NH4, CO3, SO4, PO4, Cl, NO3の各イオンの組合せについて見ると,カリウム塩とくにリン酸塩がもっともすぐれていた。またマグネシウムは麹菌の繁殖に不可欠である。したがって木灰は米を水洗した場合もっとも流失しやすいとされているカリウム,リン酸,さらにマグネシウムを補給するものと考えられる。
  • 鈴木 裕, 上原 妙子, 根本 芳郎
    1962 年 9 巻 9 号 p. 403-405
    発行日: 1962/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    初夏の高温期に肥大したバレイショと晩秋の冷凉期に肥大したバレイショ2品種の澱粉の性状について実験したところ,澱粉の粒度分布と粘弾性に多少の違いが見られたほかは,澱粉のヨード呈色やX線回折図には変化は見られなかった。
  • 中村 武次郎, 神野 廉平
    1962 年 9 巻 9 号 p. 406-407
    発行日: 1962/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • その一つの見方について
    合葉 修一
    1962 年 9 巻 9 号 p. 408-413
    発行日: 1962/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1962 年 9 巻 9 号 p. 414-421
    発行日: 1962/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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