甲状腺機能亢進症の治療薬であるメチマゾール(Methimazole;以下MMI)とプロピルチオウラシル(Propylthiouracil;以下PTU)には無顆粒球症など多くの有害事象が知られている。薬剤性肝障害は両薬剤ともにみられるが,PTUによる薬剤性肝障害はより重篤であり,肝移植を要した症例や死亡例が報告されている。
われわれは,再燃したBasedow病に対してMMI再投与開始から7カ月の経過で劇症肝炎を発症し,生体部分肝移植,甲状腺全摘出術を実施した症例を経験したので報告する。
MMIによる薬剤性劇症肝炎の報告は少ないが,その他肝障害を惹起する因子や併存疾患はみられなかったため,MMIが劇症肝炎の一因となった可能性が高いと推察している。
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