理論と方法
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11 巻 , 1 号
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特集 社会階層と評価システム
  • ―文化評価におけるディスタンクシオンの感覚―
    片岡 栄美
    1996 年 11 巻 1 号 p. 1-20
    発行日: 1996/07/01
    公開日: 2016/08/26
    ジャーナル フリー
     本稿は、多様な文化活動に対する文化評価の根底にある認識図式の集団的・社会学的特徴を解明した。主な知見は、以下のとおりである。(1)文化活動の序列評価は異なる社会集団間で共通性が高いが、階層上の地位が高いほど文化弁別力は大きい。(2)社会階層と文化活動のヒエラルヒーは対応し、階層上の地位か高い集団は文化による差異化戦略を採用している。(3)文化評価の構造を検討すると、階層上の地位は文化評価に影響を与え、各階層成員は自らの所属集団の文化を高く、社会的距離のある階層の文化を低く評価することにより、自らが優位となるような評価分類図式を採用する。すなわち文化弁別力の階層差は、客観的な社会経済的な条件のなかから生み出される階級のハビトゥスとなった文化の知覚分類図式である。(4)世代間地位移動が文化評価に与える効果は男女で異なり、男性には文化同化仮説があてはまるが、女性は結婚による下降移動による影響は受けず、出身階層の文化評価パターンを相続する。
  • 与謝野 有紀
    1996 年 11 巻 1 号 p. 21-36
    発行日: 1996/07/01
    公開日: 2016/08/26
    ジャーナル フリー
     本論文では、イメージ階層分布に関する数理モデル、すなわちFarono-Kosakaモデル(1991)の数理構造を解析し、モデル内における階層意識の変動メカニズムを明らかにした。Kosaka and Fararo(1991)、白倉、与謝野(1991)らによる既存研究は、FKモデルに対して、組み合わせ論を適用する、あるいは波の合成のモデルを適用することで、その分布の様態を捉えようとしてきた。ここでは、モデルを確率論的な視点から捉え直すことで、イメージ階層分布の問題を、たたみこみの問題として扱い、解明した。そして、このように問題を再定式化したとき、中心極限定理により、イメージ階層分布が階層評価次元sの増加とともに正規分布に近似していくことを示した。また、chance-societyのみでなく、より一般的に成立する以下の2つの定理を導出した。すなわち、定理1:「一般に、階層帰属意識は上に凸の対称の分布をする」、および定理2:「階層評価次元が増加すると、一般にイメージ階層分布は集中する」の2つである。特に、第2定理から、現実の中意識の変化に対する新たな解釈を示した。また、階層評価が多次元化することで、客観階層の差が上下に拡大したとしても、逆に意識の上では同質的になっていくというパラドキシカルな機構が一般に存在することを示した。
研究ノート
  • 高田 洋
    1996 年 11 巻 1 号 p. 37-46
    発行日: 1996/07/01
    公開日: 2016/08/26
    ジャーナル フリー
     社会的ジレンマあるいは公共財供給問題の従来の研究においては、変数として他者の協力者人数が利得関数に用いられているが、その人数を行為者がどう想定して戦略を決定しているのかについては論じられてこなかった。本稿では、他者について行為者が主観的に抱く協力の期待をモデルに組み込み、協力者が一定量獲得できれば供給される協力限定公共財の確立を目的とする集団(協力限定集団)について、ゲーム理論的分析を行った結果次の結論を得た。(1)他者協力期待の低い集団においては必要最低協力者人数(MCS)を少なく設定している集団が、また、高い集団においては多く設定している集団が公共財を供給できる。(2)大規模な集団においては公共財を供給しにくくなる。
  • ―数量化III類を用いて―
    小野 理恵
    1996 年 11 巻 1 号 p. 47-55
    発行日: 1996/07/01
    公開日: 2016/08/26
    ジャーナル フリー
     本論文では非対称Shapley-Owen指数を用いて日本の参議院における政党の投票力を評価している。この指数は投票者のイデオロギーの違いを導入してShapley-Shubik指数を非対称一般化したものである。本論文では1989-1992年の各党の議案に対する反応をもとに、数量化III類を用いて政党のイデオロギーを位置づける。数量化III類を用いると、従来までの因子分析による方法に比べ、Owen(1971)の非対称化のもともとの考え方により近い応用が可能になる。
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