理論と方法
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17 巻 , 1 号
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特集 二次分析の新たな展開を求めて
  • 佐藤 博樹, 間淵 領吾
    2002 年 17 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
  • 間淵 領吾
    2002 年 17 巻 1 号 p. 3-22
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
     「日本人は、他国民と比較すると同質的であり、国民のあいだにコンセンサスが形成されている」と主張されることが多い。しかし、ここで「日本人同質論」と呼ぶことにするこの種の主張は、少数の事例から推論された場合が多い。一方、大規模なランダムサンプルを対象とした世論調査データによって、同一の質問内容に対する各国民の回答を計量的に分析し、この主張を検討した研究は見当たらない。そこで、国際共同世論調査であるISSP調査と世界価値観調査のデータを分析し、日本人同質論の検証を試みた。その結果、日本人の意識は必ずしも他国民より特に同質的とは言えず、家族・ジェンダー意識、政府役割観、職業意識についてはむしろ同質性が低い場合もあることがわかった。
  • 松田 光司
    2002 年 17 巻 1 号 p. 23-40
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
     近年、二次分析が日本でも脚光を浴びるようになってきたが、これらは、公開されているデータを分析するものがほとんどである。それに対して本稿は、公開されていない調査データを復元し、二次分析をおこなうものである。その分析対象は、Hunterの調査における支持(声価)のネットワークデータである。その復元のための情報は、Hunterの著書『Community Power Structure 』の図表を用いた。これらの図表が示す複数のデータの間に矛盾があるが、矛盾した場合に対応する独自の方法で復元した。Hunterは、図の見た目により、他者選択がランダムでない(偏りがある)ことを示した。それに対して本稿では、復元されたデータを使って数値により、その偏りを示した。また、その偏りが偶然起こり得る確率を求めて検証した。その結果、その偏りが偶然起こり得る可能性は、少ないことが示せた。
  • 板倉 宏昭, 尾崎 万枝
    2002 年 17 巻 1 号 p. 41-51
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
     General Social SurveyおよびInternational Social Survey Programのデータを利用した二次分析による5本の論文をとりあげ、元データから分析結果を再現できるかどうかを検討した。検討の結果、5本の論文の中には、分析結果を完全に再現できた論文は、なかった。現在の論文は、再現可能性を保証するものには、なっていない。研究者は、驚くほど再現可能性について、注意を払ってこなかった。再現可能性は、科学の方法として不可欠であり、再現可能性が保証されない状況では、実証分析の論文の信頼性が失われる危険性がある。そこで、再現可能性を高めるための報告様式を明らかにした。さらに、再現可能性を改善するためのデータベース側の配慮、学会の政策、教育プログラムについて議論した。
原著論文
  • 浜田 宏
    2002 年 17 巻 1 号 p. 53-69
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
     本稿ではハッソーによって定式化された公正指標(Jasso 1980, 1999)と相対的剥奪の数理モデル(Boudon 1982; Kosaka 1986)を接合することによって,古典的な相対的剥奪論(Stouffer et al. 1949; Merton 1957=1961)のフォーマライゼーションを試みる.提唱された新しい単純なモデルは,ハッソーの議論に欠落していた主観的な公正配分の決定メカニズムに関する問題に言及し,これを期待値という形で再定義することで理論的な公正指標の挙動を明確化する.このことにより「相対的剥奪率」と「相対的剥奪度」という二つの水準の異なる概念の同時分析が可能となり,その結果,通常言語のみによって表現された古典的理論において必ずしも明示されていなかった両者の関係,すなわち,「集団の中で相対的剥奪を感じる者の割合」と「個人が感じる不満の強さ」との間にある関係が明らかになった.さらに,相対的剥奪数理モデルにおいて,ハッソーの条件を満たす任意の公正指標関数が持つ性質を特定した.
  • 都築 一治
    2002 年 17 巻 1 号 p. 71-87
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
     科学計量学の分野では,科学者数や科学論文数などの指標が、指数関数的あるいはロジスティック曲線であらわされるような成長をすることは早くから知られていた。他方で、T・クーンによれば科学史の展開過程は、パラダイム革命→成熟→変則事例の出現→危機→パラダイム革命、のように周期的な変動として描かれる。本稿の目的は、学会の入退会者数のデータから示唆される数理社会学研究の動態について、この2つの見方を統合する数理モデルを構築することである。
     モデルの構成要素は研究の可能性とアポリアであり、これらが相互作用することによって、研究組織の成長過程を規定すると考える。定式化は微分方程式により、解をシミュレートし観測結果との対照を行なう。
  • 武藤 正義
    2002 年 17 巻 1 号 p. 89-104
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
     本稿の目的は、集団において行為者がランダムに繰り返し相手を替えて1回限りの2人囚人のジレンマをプレイしている場合、行為者が僅かな利他性をもつならば、集団は、協力率が高く安定な状態になりうる、ということを示すことにある。分析の結果、相互協力から逸脱する誘因が小さい場合、利他性の平均が低いときでも、その分散を小さくしていくと、突然、協力率が高く安定な均衡が現れ、初発の協力率が高いという条件付だが、集団はその均衡に収束することがわかった。
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