alobar holoprosencephaly 2例とsemilobar holoprosencephaly 4例の脳血管撮影と, その中のsemilobar型1例のCTscanを水平断, 冠状断, 矢状断で実施し, 更にcontrastenhancementを施行し次のような結果を得た.
1.脳血管撮影
1) 血管系に見られる共通所見
(1) 脳梁周囲動脈と下矢状洞の欠損.
(2) Sylviantriangleを形成しない.
(3) 膜状脳室壁に一致する無血管野の存在.
(4) 時にalobar型では前大脳動脈が側面像で頭蓋内板に沿って走行する.
(5) 椎骨脳底動脈系のほぼ正常像.
2) 内頸動脈系による分類
(1) 1本の主幹動脈が終脳を支配する群.
(2) 前大脳動脈1本, 中大脳動脈両側に存在する群.
(3) 前・中大脳動脈共に両側に存在する群.
(4) 前大脳動脈の1本が形成不全である群.
3) 静脈系
(1) 両視床導出静脈 (内大脳静脈) が合流し1本になり直静脈洞, 次いで静脈洞交会に流入する群.
(2) 視床導出静脈 (diencephalic vein) が直接横静脈洞に流入する群.
II.CTscan所見 (semilobar型)
1) 小脳の正常像.
2) 単脳室が水平断で半球状, 冠状断で傘状に見える.
3) 膜状脳室壁 (dorsalsac) が, 単脳室後部から後上方に膨出している.
4) 矢状断では単脳室と膜状脳室壁とが大脳皮質によって分けられているのが見え, これらの形態が克明に理解出来る.
5) 大脳鎌, 脳梁, 透明中隔は見えない.
6) contrast enhanced CTでは, 視床背面と第3脳室上内側壁に沿って2本の視床導出静脈 (内大脳静脈) が見え, これは後方に走り合流し, 膜状脳室壁底部を正中に後走する直導出静脈 (内大脳静脈) が見え, これは後方に走り合流し, 膜状脳室壁底部を正中に後走する直静脈洞に移行する.
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