脳と発達
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12 巻 , 2 号
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  • 島田 司巳
    1980 年 12 巻 2 号 p. 86-87
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    の出現により, 脳の形態学的検査に対する被験者の肉体的負担や, 診断の精度は従来のX線検査技法に比べ格段に改善された.わが国でもCTが稼動し始めてからすでに4年になり, その間の実施経験の中から, その適応範囲や診断面での限界もかなり明確にされてきた.一方, 適応や診断面での限界も, CTの性能, 検査技術, 画像処理技術等の進歩により, 漸次広げられつつある.ここでは, わが国におけるCTの普及と, その適応や限界につき簡単に言及し, 序にかえた.
  • 小林 直紀
    1980 年 12 巻 2 号 p. 88-94
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    コンピュータ断層は出現以来進歩をとげ, 第1世代より第4世代に到り, 機構的にはほぼ完成されたと考えられる.冠状断, 画像再合成による冠状あるいは矢状断が可能となり, 造影剤投与によるコントラスト増強法は一般化し, 非イオン化水溶性髄腔内造影剤によるCT脳槽撮影が開発された.またこの間, 臨床例における読影上のCTに対する認識も正確に広まりつつある.これらCTの進歩にかかわらず, 頭部CTの診断の宿命的ともいえる問題点が存在する.それは, CT像が人工的に作られた像であること, およびそれがX線吸収値の違いのみを表わすに過ぎないことである.この二点について, 神経放射線学的立場より, 他のX線検査手段と対比しながら述べる.
  • 丸山 博
    1980 年 12 巻 2 号 p. 95-104
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    検査はてんかん患児の器質病変スクリーニングに最も適したものである.1,328例のてんかん患児にCT検査を行ない次の結果を得た.CT異常率は点頭てんかん68.1%, 一側性けいれん51.4%, ミオクロニー発作48.9%, 新生児けいれん44.8%, Lennox症候群48.9%, 要素部分発作24.7%, 複雑部分発作22.9%, 全身けいれん21.9%, 典型アブサンス0%, けいれん全体では31.4%であった.異常CTの大部分は脳表, 深部あるいは限局性脳萎縮であった.全身けいれんの7.9%に限局性脳萎縮が見られ, 二次全般発作の診断に役立つと思われた.脳萎縮以外の異常CTは37例 (2.8%) であった.脳腫瘍4例, 硬膜下血腫8例, 水頭症3例, 結節性硬化症4例, 非特異的脳石灰化6例, 無脳回症などの脳回異常3例, 脳梗塞3例, 脳梁欠損症2例, 脳室形成異常1例, および脳室周囲軟化巣1例がその内容である.脳腫瘍は要素部分発作に多く, 硬膜下血腫は新生児けいれんに多く, 脳奇形は点頭てんかんに多く見られた.
    発作によるCT変化としては, 強いけいれん重積症では大脳半球性の脳浮腫と, その後の脳の半側性崩壊が見られた.強いけいれん発作では脳梗塞が見られ, その経過から見て脳梗塞は発作に関連して屡々起こるのではないかと疑われた.頻回のけいれん発作のある患児には一側性の側脳室下角の拡大が見られることがあり, これはアンモン角萎縮によるものと思われた.
    CT検査によって予後判定を試みたが, 脳萎縮の強いものは予後が悪かったが, 正常CT像は予後の良いことを証明できなかった.
    CTの治療への寄与としては, 手術可能な疾患の発見, 副甲状腺機能低下症の発見, 脳浮腫の治療による変化の観察, 抗てんかん薬の選択と量の決定, および患児の学習および訓練の適応の決定が挙げられる.
  • 隅 清臣, 清水 寛, 二木 康之, 藪内 百治
    1980 年 12 巻 2 号 p. 105-112
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    非発作性の主要な小児神経疾患について, CTスキャンの臨床的意義-特に精神運動発達-を検討した.
    1. 本法は簡便で非侵襲的に脳の病変を画像により認識することができ, 神経症状の解釈にかかすことができない.
    2. 脳性麻痺, 精神遅帯, 化膿性髄膜炎, 脳炎, 脳症, 先天性代謝異常症では重症のものほどCTスキャンの異常率は高く, しばしば著明な脳萎縮や比較的広汎な低吸収域が出現し, 臨床所見と密接な関係をもっている.しかし, モヤモヤ病, 色素性乾皮症ではCTスキャンに異常を示すものは少なかった.
    3. 軽度ないし中等度の精神遅滞や運動障害をもつものでは臨床所見とCTスキャンとの相関は少ないが, 前者より後者の方が異常率は高い.しかし, てんかん合併の有無-主として大発作-とは相関を認めなかった.
    4. 本法は脳病変の変化を臨床症状とともに経時的に観察することができる.特に化膿性髄膜炎, 脳炎, 脳症などの予後判定に重要な資料となる.
    5. 特異なCT所見を示す疾患を認める.
    1) 左右対称の低吸収域: 白質ジストロフィー, 先天性筋ジストロフィー (福山型)
    2) 石灰化像: 内頸動脈閉塞症, 結核性髄膜炎 (脳槽), コッケイン症候群 (基底核), 特発性副甲状腺機能低下症 (基底核), 特発性大脳基底核石灰化症など.
  • 半田 譲二, 松田 功
    1980 年 12 巻 2 号 p. 113-121
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    は, 脳腫瘍を主とする頭蓋内占拠性病変の脳神経外科における臨床上,(1) 多発性病変, 正中部病変, 複雑な進展形式を示す病変,(2) 腫瘍の髄液腔内播種,(3) 石灰化や出血などの二次性変化,(4) 髄液腔の変形や転位, 脳ヘルニア,(5) 骨の一次性, 二次性変化, などの診断, さらには,(6) 治療効果の判定や合併症の診断,(7) いわゆる“low-density lesion”の局在診断, などの諸点で, 他の多くの補助診断法に比し, よりすぐれている.とくに, この検査は, それがnon-invasiveであるために, 小児例においてその意義はさらに高い.
    ただし, 病変の種別の判定に関しては, CT画像の視覚による診断のみに頼った場合はもちろん, 得られた画素のX線吸収値について各種の計数処理をコンピュータで行ない, 特徴抽出を試みても, 少なくとも現在のCTのテクノロジーによってはなお鑑別, あるいは同定困難な例も少なくない.したがって, CTの発達と普及にも拘らず, 他の各種の補助診断法の意義が失なわれたわけではなく, 各例にどの検査をどの様に実施すべきかの決定は, なおきわめて重要な課題である.
  • 高嶋 幸男, 大野 耕策, 近藤 乾, 小栗 良介, 小牧 専一郎
    1980 年 12 巻 2 号 p. 122-126
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児, 乳児のCT (301例) を観察し, interhemispheric fissure, frontalおよびtemporal subdural spaceは生後5~7ヵ月に高頻度にみられるが, periventricular lucency (PLu) は新生児期に高頻度に認められた.PLuは生後しばらくして強く認められ, 髄鞘形成よりも限局性脳浮腫やその他の組織反応と関係深いと考えられる.CTは頭蓋内出血の部位診断に有用だが, false positiveに注意を要する.
  • 黒川 徹
    1980 年 12 巻 2 号 p. 127-129
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 三浦 寿男, 皆川 公夫, 金子 次雄, 須藤 芳正
    1980 年 12 巻 2 号 p. 130-139
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    自験成績を中心に, それぞれポイントをしぼり, 血中濃度からみた小児における主要抗てんかん薬の使用上の問題点を述べた.
    Phenytoin (PHT) に関しては, その特異な体内動態Michaelis-Menten kineticsならびに吸収効率 (bioavailability) の問題に触れ, さらに有効血中濃度について言及した.
    Phenobarbital (PB), primidone (PRM), sodium valproate (VPA) に関しては, 熱性けいれんを対象としてそれぞれの再発予防効果, 有効血中濃度を検討し, とくにPRM, VPAについては, 合わせて体内動態の一端にも触れた.
    Carbamazepine (CBZ) はPHT, PBおよびPRMとの併用により血中濃度が低下するが, 単独投与の有効性, 有効血中濃度を検討した.また, clonazepam (CZP) に関しても, 血中濃度におよぼす併用他剤の影響, 有効血中濃度について言及した.
    さらに, PHTの主要代謝産物である5-(P-hydroxypheny1)-5-phenylhydantoinの尿中排泄量, PRM, CBZおよびCZPの主要代謝産物である, それぞれphenylethylmalonamide, carbamazepine-10, 11-epoxide, 7-amino-clonazepamの血中濃度を測定し, これらを測定する意義についても触れた.
  • 本多 裕, 西原 カズヨ, 斉藤 侑也, 幸田 幸直
    1980 年 12 巻 2 号 p. 140-147
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    唾液中phenytoin (PHT), phenobanbital (PB) 濃度測定の臨床上の利点を列挙してみると, 1) 血漿中総PHT, PB濃度ばかりでなく, 蛋白非結合形 (free) のPHT, PB濃度を高い信頼性をもって推定出来ること.2) 尿毒症など血漿中アルブミン濃度の低い場合free濃度測定が重要となるが測定操作が複雑である.唾液中濃度測定によれば遙かに簡便にfree濃度が推定出来ること.3) 試料採取が容易であること.4) 試料採取にあたり, 場所的, 時間的制約のないこと.5) 試料の頻回採取が可能で, 薬物速度論的研究の手段として有用なこと.などが挙げられる.
    一方欠点としては幼児など非協力的な患者, 意識障害のある場合, 唾液が出にくい場合などには適用出来ず, また服薬後口内をよくゆすがないと薬物が口内に残存することがある.
    臨床発作の抑制のみならずsubclinicalなレベルでの脳波所見の改善をも指標の一環として検討すると, てんかん患者の中にはPHTに反応して改善するPHT responderとPBが有効なPBresponderが存在することが見出された.
    PHT, PBの治療有効濃度範囲としては, PHT responderではPHT単独投与の場合血漿中総PHT濃度として10~22μg/ml, PB responderではPB単独の場合16~36μg/mlと一応考えられる.今後PHTとPBの両者がともに有効であるdual responderについて, 併用による効果の相加作用の可能性を検討したい.
  • 清野 昌一
    1980 年 12 巻 2 号 p. 148-152
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    抗てんかん薬の体液中濃度測定が臨床医の手にとどくようになつて, いわゆる治療有効濃度を臨床てんかん学の側から検討することが, 意味ある課題となってきている.治療有効濃度は, 単剤治療の下にある個別症例を縦断的に追跡した場合に, その治療的意義は最も鮮明となる.多剤併用治療の際に, 有効濃度以下にとどまっているすべての薬物濃度を, 報告された有効濃度に上げることは当を得た治療方針ではない.用量ひいては濃度依存性の副作用だけが相加されて, 中毒症状が招来される.終末寛解状態の際には, 低濃度の薬物が十分効果をしめしている.てんかん発作閾値と治療大有効濃度の関係について, 若干の考察を試みた.
  • 矢島 邦夫
    1980 年 12 巻 2 号 p. 153-162
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    イヌのgloboid cell leukodystrophyにおいて, 病初期には, 比較的よく発達した髄鞘ならびにオリゴデンドログリアが認められた.ひきつづく髄鞘の崩壊と急速なオリゴデンドログリアの消失とともに, globoid cellsの著明な出現が見られた.電顕的に最初の特徴的変化は, 髄鞘の崩壊やgloboid cellsの出現に先立ってあるいはこれとともに, オリゴデンドログリアの核周囲細胞体内において, 微小細管の蓄積や遊離ポリライボゾームの消失に加えて, myelin figuresや各種のdense bodiesの出現, さらに一般的にgloboid cellsにおいて特徴とされているpolygonal crystalline tubular inclusionsの出現であった.これらの変化の後, オリゴデンドログリアは, 急速に変化し, 病巣より消失した.同時に, globoid cellsの出現や, 星状細胞の増生が観察された.
  • 八代 直文, 前原 忠行
    1980 年 12 巻 2 号 p. 163-168
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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