脳と発達
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12 巻 , 5 号
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  • 横山 純好, 児玉 荘一, 中村 正文, 奥村 司, 三輪 正樹, Shinichi Miyake, Tamotsu Matsuo
    1980 年 12 巻 5 号 p. 382-387
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    点頭てんかんに対する初回療法としてACTH+VPA併用療法を試み良好な結果が得られたので, ACTH+VPA併用の本症に対する作用機序を脳内GABA代謝の立場より検討した.すなわち体重150~1709の雌ウィスター系ラットを (A) 対照群,(B) 絶食群,(C) VPA投与群,(D) ACTH投与群,(E) ACTH+VPA併用投与群に分けて小脳を除く脳内GABA含有量を測定した結果, 絶食群, ACTH単独投与群では対照群に比し有意差を認めなかったが, VPA投与群, ACTH+VPA併用投与群ではラット脳内GABAの増加を認め, 特にACTH+VPA併用投与群では著明で51%の増加率を認めた (P<0.05).
    これはACTH単独投与ではラット脳内のGABA代謝に影響を与えないが, ACTH+VPAの併用によりACTHがVPAの作用を強めてラット脳内GABAの著明な増加をもたらしたものと考えられる.更に点頭てんかんに対する初回療法としてACTH+VPA併用療法がACTH単独療法より, より有効であった理由の一つとして脳内GABAの増加によることが推測できる.
  • 高嶋 幸男, 北原 佶
    1980 年 12 巻 5 号 p. 388-394
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    未熟児新生児医療における人工換気の導入によって, 重篤な未熟児新生児が生存し, 未熟児出生乳幼児の神経病理学的所見にも多少の変化がみられる.今回検討した88例には脳幹障害として, 下オリーブ核の神経細胞脱落を伴ったグリオーゼ (12例), 脳幹被蓋の壊死 (2例), 橋核の壊死 (11例) がみられた.これらは大脳や小脳の出血や低酸素性病変と関係深く, オリーブ小脳路を介する二次変性, 低血圧性脳幹壊死, pontosubicular necrosisなどの発生機転が考えられる.
  • 宇根 幸治, 塩永 淳子, 原口 宏之, 安藤 忠, 高松 鶴吉
    1980 年 12 巻 5 号 p. 395-404
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    例の (先天性) 非進行性小脳失調症と思われる症例を報告した.男女比は3: 9, 年齢は1歳5ヵ月から14歳までである.
    12例をHagbergらの分類により検討すると, 4例がdysequilibrium syndromeで, 5例はcongential cerebellar ataxiaと考えられた.
    dysequilibrium syndromeの4例は, 坐位での躯幹, 下肢の立ち直り反応や, 立位での平衡反応が出現せず, 3例が四つ這い獲得に24月以上要し, 坐の獲得も遅く, 運動発達が極めて悪い.全例独歩は不可能である.
    congenital cerebellar ataxiaの5例は, 比較的運動発達が良好で, 3例が5歳までに独歩を達成しており, 坐位, 立位での反応も充分にみられた.
    3例は, 今後経過を追っていずれか決められると思えた.
    全例に, 言語発達および認知の障害があり, 特にdysequilibrium syndromeの2例には, 形態ならびに空間認知機能の低下がみられた.また, 12例の患児の示す種々の姿勢運動を分析し, 失調症の早期診断法や, 両者の鑑捌の手がかりを示した.
  • 松田 博雄, 井上 孝夫, 志村 浩二
    1980 年 12 巻 5 号 p. 405-412
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    computed tomography (CT) 上, 脳室内出血, 脳内出血に合併 (12症例), または単独 (16症例) で, falx部位にhigh density area (falx image) が認められた新生児, 未熟児の髄液分光分析, 剖検所見, falx imageのEMI値について検討した.
    1) 脳室内, 脳内出血12例全例と, falx imageが単独で認められた16例中6例が, 髄液分光分析によって, 頭蓋内出血と診断された.
    2) 剖検例8例では, クモ膜下出血が認められた.
    3) それらの症例のfalx imageは, 幅が広く, 辺縁が不規則で, 下部にいくに従って広がるという特徴がみられた.また, falx imageの2×10, 計20ピクセルのEMI値の平均値をとると, いずれも40以上であり, falx imageは, その後の経過で消失し, EMI値の平均値は40以下となった.
    以上の結果より, 新生児クモ膜下出血は, CT上falx imageとしてとらえられ, その確認には, 髄液分光分析, falx imageのEMI値が有用である.
  • 高木 卓爾, 若林 繁夫, 大谷 勉, 戸苅 創, 清水 国樹, Tatsuya Ishikawa, Hideyuki Kito
    1980 年 12 巻 5 号 p. 413-417
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    検査により新生児脳室内出血が容易に診断できるようになった.最近, 私共は極小未熟児脳室内出血の1例を経験し, 非観血的治療により治癒せしめ得た.本症例にCT検査を1週1回, 合計4回くり返して行ない, 脳室内出血の拡がり, 脳室の大きさの変動を観察した.
    症例は在胎29週目に自然分娩にて出生した生下時体重1, 3009の男児である.アプガール点数は7 (1分) であった.出生後, 呻吟と四肢末端のチアノーゼがみられ, 酸素吸入が続けられた.生後4日目にヘマトクリット値が36%に低下し, 脳室内出血を疑いCT検査を行ない本症と診断した.血腫は両側脳室後角部に存在し, 中等度の脳室拡大を示した.3週目のCT所見で血腫は消失したが, やはり脳室拡大がみられた.4週目のCT像では脳室は正常大となった.なお生後4日目から19日目までに, 脳室内圧を下げ脳損傷を防止する目的で4回ほど腰椎穿刺を行なった.
    本論文では一過性の脳室拡大の機序について文献的考察を加え, 本症の経過中に早期に脳室拡大を発見し, 対処することが重要であることを強調した.
  • 井上 文夫, 吉岡 博, 森川 佑二, 三野 正博, 粕淵 康郎
    1980 年 12 巻 5 号 p. 418-422
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は4歳女児で, 嘔吐および右片麻痺を主訴として来院し, CTにて左視床出血であることが判明した.脳血管造影を行なつたが明らかな原因は不明であった.抗痙攣剤および副腎皮質ステロイド剤にて保存的に治療を行ない, 18病日のCT所見では出血巣は吸収され, 30病日に再度行なった脳血管写でも異常を認めなかつた.以上より, 小児急性片麻痺症候群として発症した左視床出血と診断した.また, 出血の原因は, 脳血管写などより明らかにされなかつたことより, 特発性脳内血腫と考えられた.
  • 斎藤 加代子, 青山 正征, 福山 幸夫
    1980 年 12 巻 5 号 p. 423-429
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    麻疹による急性脳症後遺症の男児にl-GABOB髄注を行ない, H波を指標として, 脊髄反射に及ぼす影響を検討し, 次の結果を得た.
    1) recruitment curveでは, H波の平低化, H波の最大振幅とM波の最大振幅の比の低下, H波の閾値とM波の閾値の比の上昇が認められた.
    2) H波の回復曲線では, 著明なearly facilitationおよびlate facilitationの低下が認められた.l-GABOB髄注による臨床症状およびH波の変化は, l-GABOB髄注が, 脊髄運動細胞興奮性の全般的低下をもたらすことによることを示した.
  • 舘 延忠, 佐々木 公男, 東海林 黎吉, 城 守, 篠田 実
    1980 年 12 巻 5 号 p. 430-435
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    歩行開始より失調性歩行を認めた6歳女児例を, 神経症候学的, 電気生理学的, 病理組織学的観点より報告した.症候学的には, 失調性歩行を主とし, 小脳症状は認めなかった, 全深部反射の消失, 凹足, 深部知覚の障害, Romberg試験陽性を認め, 脊髄後索障害が推定された.腓腹神経生検では, 光顕上では, 総計有髄線維の減少, 大径有髄線維の選択的減少を認めた。電顕上では, onion-bulb形成, コラーゲン線維の増生を認めた.家族では臨床的にも電気生理学的にも異常は認めなかった.家族歴に特変ない以外は, 発症の時期, 臨床症状とその経過, 腓腹神経の所見では, 本症例はRoussy-Levy症候群に類似していた.本症例とFriedreich病, Charcot-Marie-Tooth病との異同および, Roussy-Levy症候群の存在につき文献的考察を加えて報告した.
  • 鈴木 貞行, 二瓶 健次, 鴨下 重彦
    1980 年 12 巻 5 号 p. 436-442
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    無汗症を伴う先天性痛覚不感症は,“遺伝性知覚性ニューロパチーN型” として分類される稀な疾患で, 現在まで十数例の報告をみるにすぎない.我々は本症と思われる4歳8ヵ月と2歳10ヵ月の姉妹例を経験した.両者ともに特徴的な臨床症状をもった.末梢神経伝導速度は, 正常下限から軽度低下を示した.姉はアセチルコリンを用いた発汗試験によっても反応をみなかった.同児の皮膚生検によって汗腺分泌部の減少を認めた.
  • 紀伊 克昌
    1980 年 12 巻 5 号 p. 443-448
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 富 雅男
    1980 年 12 巻 5 号 p. 449-451
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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