脳と発達
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12 巻 , 6 号
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  • 松田 博雄, 井上 孝夫, 志村 浩二
    1980 年 12 巻 6 号 p. 464-472
    発行日: 1980/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    呼吸障害, 重症仮死などの, high risk新生児に, 早期より積極的に髄液検査, CTを施行し, 頭蓋内出血と診断された36症例 (脳室内出血14例, 脳内出血4例, 硬膜下出血2例, クモ膜下出血16例) につき検討し, 次の結果を得た.
    1) 臨床症状としては, 痙攣 (39%), 筋緊張低下 (58%), 無呼吸発作 (47%), 徐脈 (58%), を高頻度に認めたが, 頭蓋内出血に特徴的とはいいがたい.
    2) 臨床検査所見としては, 著明な貧血 (17%), 10%以上のヘマトクリット値の低下 (11%), 高血糖症 (42%), などが認められた.
    3) 髄液分光分析を施行しえた脳室内出血 (12例), 脳内出血 (4例) では, 全例にoxyhemoglobin peak (415nm) が認められた.これに対して, 14例のクモ膜下出血では, oxyhemoglobin peakが認められたのは3例のみで, 他の11例はbilirubin peak (460nm) が認められた.
    4) 髄液/血液糖比が0.4以下のhypoglycorrachia (髄液糖減少) が, 脳室内出血にのみ, 高率 (56%) に認められた.
    5) 髄液糖減少の出現には, 通常出血後数日~2週間を要し, 早期診断には, 髄液分光分析がより適しているものと思われた.
    以上の結果から, 呼吸障害, 重症仮死などのhigh risk児に, 上記の臨床症状, 検査所見が認められ, 頭蓋内出血が疑がわれた場合は, まず髄液検査を施行し, 髄液分光分析を行なう.oxyhemoglobin peak, 髄液糖減少が認められた場合には, 治療方針を明らかにするために, CTにより, 正確な頭蓋内出血の部位, 程度の診断を行なうべきである.
  • 加藤 忠明
    1980 年 12 巻 6 号 p. 473-477
    発行日: 1980/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    当院での出生児309例に関し, 新生児期に指標となる種々の因子と, その児が3歳前後になって示したDQとの相関関係を調査した.DQ低下と相関のある因子として,(1) 多血症,(2) 初期嘔吐の持続,(3) 哺乳力低下,(4) 出生時仮死があげられた.DQと有意の相関のない因子として,(5) 在胎週数, 出生時体重, 出生時身長,(6) 黄疸,(7) 最低体温,(8) 母の年齢 (9) 飢餓時間等があげられた.
  • 中田 義隆, 能勢 忠男, 榎本 貴夫, 牧 豊
    1980 年 12 巻 6 号 p. 478-484
    発行日: 1980/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    正常小児の脳室の標準値とその年齢による変化を検討する目的で, いわゆる正常と思われる4ヵ月から14歳までの小児のCT240例について以下のことを検索した.即ち第III脳室幅, 側脳室前角におけるbicaudate index, 側脳室体部におけるinverse cella media index, 側脳室前角の形状, 側脳室下角の出現率の5項目である.なお日立Hスキャナーを用い, O-M線を基線として用い, スライス幅は10mmとした.
    その結果
    1. 第III脳室幅: 加齢的変化はなく, 標準値 (M±2SD) は2.2-7.4mmであった.
    2. 側脳室前角におけるbicaudate index: 2歳までは加齢とともにその値は減少する.標準値は1歳以下15.3±4.6, 1歳13.8±4.0, 2歳以上12.7±4.8であった.
    3. 側脳室体部におけるinverse cella media indexは, 体部の非描出例が, 加齢とともに増加し, 3歳以上は約25%に達した.計測可能例でみる限りその上限値は31であった.
    4. 側脳室前角の形状: Y形, 平行形, 両者の移行形と3形に分けえた.1歳以下, 1歳ではY形が90%, その後加齢とともにY形が減少し平行形がふえるが, 12歳以上では再びY形がふえる.なおbicaudate indexの高いものほどY形を示す傾向があった.
    5. 側脳室下角: 1歳以下では両側描出例が60%に達するが, 加齢とともに, 頻度が減じ, 3歳以後では両側描出例は20%であった.bicaudate indexの値と両側陽性率は正の相関を示した.即ち, 側脳室の頭蓋内に占める比率は加齢とともに変化することが明らかになった.そして, その比率が減少するに従い側脳室の前角の形状も平行形になり, 下角の描出率も低下し, 体部の描出率も低下する.
  • 滝沢 恭子, 隅 清臣, 清水 寛, 安部 治郎, 二木 康之, 杉田 隆博, 藪内 百治
    1980 年 12 巻 6 号 p. 485-492
    発行日: 1980/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    近年多くの抗てんかん薬血中濃度測定法が発達し, てんかん患者の治療に利用されるようになった.
    今回我々はcompetitive binding enzyme immunoassayに基づいた血中抗てんかん薬測定用キットMARKITにより, phenobarbital, phenytoin, primidoneの血中濃度を測定し, gas-liquidchromatographyによる測定値と比較検討した.
    両法における測定値は有意に相関し, 相関係数 (r) および回帰方程式はphenobarbital: 0.961, Y=0.845X+1.083, phenytoin: r=0.979, Y=0.835X-0.212, primidone: r=0.960, Y=0.878X-0.131 (X=MARKIT: Y=GLC) と良好な結果を得た.
    MARKITは少量の血清で測定可能であり, 操作が簡単であるため一般臨床検査室で有用な測定法である.
  • 白瀧 貞昭, 田崎 武信
    1980 年 12 巻 6 号 p. 493-502
    発行日: 1980/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    近年, 小児神経疾患のうち早期発見によりその後の治療・療育の可能性の期待されるものが少なくないという認識が高まってきた.これにともなって, 特に, 新生児期の中枢神経機能様式把握の重要性が叫ばれてきている.ただし, 明らかな, 粗大な脳障害を持たぬ新生児の神経機能の評価については, 単に「異常」というだけでは不十分であり, いろいろ困難な問題を含んでいる.
    今回, 我々は「帝切出生新生児」の神経機能評価を上述の問題を考えるモデルとして選び, いくつかの工夫をこころみた.
    一つは, Precht1のいう「optimality concept」を導入し, 各新生児の神経機能様式を0から42までのスペクトルの上に位置づけようとしたこと.二つ目には, 神経機能検査項目全体を多変量的に扱い, その多変量解析から帝切出生新生児の神経機能様式を把握しようとしたことである.
    結果として, 帝切出生新生児の神経機能は対照に選んだ経腟出生新生児のそれより劣位にあり, しかも両群の差は多変量解析 (クラスター分析) により, 神経機能検査項目間の関係構造が質的に異なるというかたちで示され得ることが明らかとなった.また, 産科要因, 神経機能要因間の正準相関分析により, 上で述べた帝切出生新生児と経腟出生新生児の神経機能様式の差が, 唯一「帝王切開手術」に起因するという考え方が必らずしも正しくないことを示した.
  • 高木 卓爾, 永井 肇, 戸苅 創, 清水 国樹
    1980 年 12 巻 6 号 p. 503-508
    発行日: 1980/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    導入以来, 経験した新生児及び幼若乳児の脳室内出血8症例のCT所見について検討した.8症例の内訳は男児5例・女児3例で, 未熟児6例・成熟児2例である.1) 初回のCTで水頭症所見を呈したのは2例であった.この2症例はいずれも他病院で脳室穿刺により脳室内出血と診断され, 発症後2週間以上経って来院しCTを行なった例である.2) 一側側脳室に血腫がみられたのは2症例である.そのうち1例は生後2日目に死亡した.他の1例は頻回の腰椎穿刺により水頭症を合併せずに治癒した.3) 両側側脳室に血腫がみられたのは2症例である.2例共に頻回の腰椎穿刺を行ない, 1例は一過性の脳室拡大を示して治癒した.他の1例は短期間のV-P shunt設置を要したが進行性の水頭症に移行せずに治癒した.4) 全脳室に血腫がcasting状態となっていた2症例は発症後10日以内に死亡した.
  • 工藤 英昭, 富田 温子, 豊福 照子, 大野 耕策
    1980 年 12 巻 6 号 p. 509-518
    発行日: 1980/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    家系3例のsubacute necrotizing encephalomyelopathyを経験し, うち2例にビタミンB1の長期大量療法を試み, 随時血清・髄液中のビタミンB1を定量し, ビタミンB1の治療効果につき, 検討した.臨床経過を可能な限り分析的定量的にみるため, 詳細な経過観察項目を作製し, 経過を観察し, 各項目に検討を加え変化の著しかったものを, 項目毎の判定基準により判定し, 血清中, 髄液中のピルビン酸, 乳酸, ビタミンB1濃度と共に図式化し, 以下の結果を得た.1) ビタミンB1持続的経静脈的投与時は大量投与時ほど, 血清中, 髄液中のビタミンB1濃度は高値を示した.2) ビタミンB1の大量投与にも拘らず, 患児の状態を正常にもどし得なかった.3) ビタミンB1の投与法, 投与量と血清中, 髄液中のピルビン酸, 乳酸濃度を分析的にみた臨床経過の3者間には, 関連性を見出し得なかった.4) 血清中・髄液中B1濃度と血清中・髄液中ピルビン酸濃度, 乳酸濃度, 臨床症状間にも関連性は見出し得なかった.
  • 斎藤 加代子
    1980 年 12 巻 6 号 p. 519-534
    発行日: 1980/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    胎内感染により, 中枢神経および骨格筋に障害を与える1つの実験モデルとして, ハムスターのアカバネウイルス垂直感染系を作成した.415匹の新生仔中, 13匹, 3.1%に全身浮腫, ミイラ化, 脊椎側彎, 関節拘縮, 頭蓋変形などの肉眼的身体異常が認められた.これは対照群に比し, 有意に高率であった (P<0.05).肉眼的異常を呈したうち8例に組織学的検索を行なった.全例に中心核の連鎖状配列とmyotube様の筋線維など筋の未分化像があり, 小円形細胞浸潤, 血管壁肥厚などの多発性筋炎像は5例, 筋線維の断裂・小径化, 線維径の大小不同などの変化は6例にみられた.脊髄は前角細胞の核の粗椎化, 脱落, 腫脹が4例に認められた.大脳皮質は層構造の不明瞭化, 浮腫状変化, 神経細胞の減少, 円形化を呈したもの5例であった.4例で, 電顕的にウイルス粒子を確認したが, これらは, 全身浮腫, 側彎, 関節拘縮の特徴を有していた.
    この実験系は, 胎内感染の提唱されてきているヒトの福山型先天性筋ジストロフィー症や先天性多発性関節拘縮症の成因究明のための1つのモデルとしての意味があると考えられる.
  • 宍倉 啓子, 原口 光代, 本多 一恵, 西野 朋子, 三宅 捷太, 木村 清次
    1980 年 12 巻 6 号 p. 535-543
    発行日: 1980/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児期から続く難治性痙攣を伴ったincontinentia pigmenti achromians (以下I.P.A.と略) の一例を報告する.本邦では, 1951年の伊藤の報告以来, 十数例の報告をみるが, 神経系合併症は少ない.自験例における痙攣は, ACTH療法及び種々の抗痙攣剤で抑制されず, L-DOPAが著効を示したが, 末梢性副作用として喘息様呼吸不全及び心不全症状を呈した.髄液アミン代謝産物の分析では, 5HIAA, HVAが低値を示し, octopamineが検出されており, 従来の報告にみられるL-DOPA有効例と同様の傾向を示した.L-DOPAの副作用の一つとして, 起立性低血圧は知られているが, 自験例の如く重篤な症状の報告はない.自験例では発汗異常も伴っており, L-DOPAに対する特殊な反応から, 全身性自律神経機能異常を伴う可能性が示唆された.また, I.P.A.の発生機序として広い意味での全身性カテコラミン代謝異常の可能性があると推測され, 興味ある一例と思われた.
  • 森 秀生, 小国 弘量, 大沢 真木子, 鈴木 陽子, 福山 幸夫
    1980 年 12 巻 6 号 p. 544-553
    発行日: 1980/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    臨床的に先天型筋ジストロフィー症 (福山型) と診断される2家系の同胞発生3症例で, CTスキャン, 筋生検で興味ある所見がみられた。CTスキャンでは, 3症例とも, 大脳白質に広汎な左右対称性の低吸収域がみられた.筋生検では.筋原性変化に加え, 筋線維間に細胞浸潤が目立ち, また, 症例2では, 神経原性変化の混在と思われる所見が得られた.3症例とも, ステロイドホルモン, または, ACTHの投与に対して, ある程度の反応がみられ, 特に症例1では有効であった.
    CT スキャン及び筋生検所見について, 従来の我々の経験例及び文献での報告例と比較すると共に, その成り立ちについて考察を加えた.
  • 宇根 幸治, 佐藤 親子, 原口 宏之
    1980 年 12 巻 6 号 p. 554-556
    発行日: 1980/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    乳児早期より発症した非進行.性ミオパチーと考えられる5歳4ヵ月の女児に筋生検を施行し, タイプ2A線維, 2B線維の完全欠損を認め, 電顕的検索にても特異な筋肉内構造の異常を認めない症例を経験したので, 若干の考察を加え報告した.
  • 富 雅男
    1980 年 12 巻 6 号 p. 557-562
    発行日: 1980/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 福山 幸夫
    1980 年 12 巻 6 号 p. 563
    発行日: 1980/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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